中小企業診断士 過去問
令和5年度 再試験(2023年)
問155 (経営情報システム 問8)

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問題

中小企業診断士試験 令和5年度 再試験(2023年) 問155(経営情報システム 問8) (訂正依頼・報告はこちら)

システムの構築・運用に関する記述の正誤の組み合わせとして、最も適切なものを下記の解答群から選べ。

a  SoS(System of Systems)とは、組織全体の意思決定の階層を戦略的計画、マネジメントコントロール、オペレーショナルコントロールの3つに分けて、システム化の構想をするフレームワークをいう。
b  ISMSとは、リスクやベネフィットを考慮しながらIT投資の対象を特性に応じて分類し、資源配分の最適化を図ろうとするフレームワークをいう。
c  SLAとは、ITサービスを提供する事業者とITサービスを利用する企業間の間で結ばれるサービス水準に関する合意のことをいう。
d  WBSとは、プロジェクトの計画やマネジメントのためにプロジェクト全体の作業を分解し、その構造を階層的に示したものをいう。
  • a:正  b:正  c:誤  d:誤
  • a:正  b:誤  c:正  d:誤
  • a:正  b:誤  c:誤  d:正
  • a:誤  b:正  c:誤  d:正
  • a:誤  b:誤  c:正  d:正

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この過去問の解説 (3件)

01

各用語の省略前の言葉を覚え、理解することで、正答に辿りつけます。

各記述の解説は以下の通りです。

 

a(誤)
SoS(System of Systems)とは、独立した複数のシステムが協調しながら動作し、より大きな機能を果たすシステムのことを指します。記述内容は、組織の意思決定階層の考え方(例:Anthonyの管理階層モデル)に関するものであり、SoSの定義とは異なります。

 

b(誤)
ISMS(Information Security Management System)は、組織における情報セキュリティを適切に管理するための仕組みやフレームワークを指します。記述内容はIT投資管理(ITポートフォリオマネジメント)に関するものであり、ISMSの定義とは異なります。

 

c(正)
SLA(Service Level Agreement)とは、ITサービス提供者と利用者の間で交わされる、サービス品質に関する合意書のことを指します。記述は正しいです。

 

d(正)
WBS(Work Breakdown Structure)は、プロジェクトを管理しやすくするために作業を階層的に分解して整理する手法のことを指します。記述は正しいです。

 

よって正しい選択肢は、「a:誤  b:誤  c:正  d:正」です。

まとめ

用語の意味を知っていれば、記述が正しいかどうかを判断しやすくなります。

 

SoS(System of Systems)
→ 独立した複数のシステムが協調して機能し、より大きなシステムを形成する概念。

 

ISMS(Information Security Management System)
→ 組織の情報セキュリティを管理する仕組みやフレームワーク。

 

SLA(Service Level Agreement)

→ ITサービス提供者と利用者の間で交わされる、サービス品質に関する合意書。

 

WBS(Work Breakdown Structure)
→ プロジェクトの作業を階層的に分解し、管理しやすくするための手法。

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02

システムの構築・運用に関する問題です。各解答群で挙げられている用語を整理します。なお、横文字(英語)で記憶が定着しやすい人もいるため、英語も併記しています。

 

・SoS(System of Systems)

複数のシステムが独立して機能するだけではなく、お互いの機能が連携し合うことで新たな価値や機能を提供することをいいます。

 

解答群aは、企業経営理論の科目で出題されることがある「マネジメント・コントロール・システム」の記述になります。

 

・ISMS(Information Security Management System) ※「情報セキュリティマネジメントシステム」の略

自らのリスクアセスメントにより必要なセキュリティレベルを決め、プランを持って資源を配分してシステムを運用することを組織のマネジメントシステムに組み込む(PDCAサイクルを回す)ことをいいます。

 

→解答群bは「ITポートフォリオ」の記述です。「リスクやベネフィットを考慮しながらIT投資」という記述から、財務会計で学習するポートフォリオ理論のことを思い出すことができれば正誤判断できると思います。

 

・SLA(Service Level Agreement)

サービス提供者と利用者間でサービスの品質や提供レベルを定めた契約のことであり、「サービスレベル合意書」ともいいます。

 

・WBS(Work Breakdown Structure)

プロジェクト全体を小さな作業単位に分解して、各作業単位ごとに作業計画を立てて進捗管理を行うことであり、「作業分解構造図」ともいいます。

選択肢1. a:正  b:正  c:誤  d:誤

冒頭の解説より、「a:、b:、c:、d:」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢2. a:正  b:誤  c:正  d:誤

冒頭の解説より、「a:、b:誤、c:正、d:」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢3. a:正  b:誤  c:誤  d:正

冒頭の解説より、「a:、b:誤、c:、d:正」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢4. a:誤  b:正  c:誤  d:正

冒頭の解説より、「a:誤、b:、c:、d:正」の組み合わせであるため不適切な選択肢です。

選択肢5. a:誤  b:誤  c:正  d:正

冒頭の解説より、「a:誤、b:誤、c:正、d:正」の組み合わせであるため正解の選択肢となります。

まとめ

【補足】

 

解答群aについては、平成29年(2017年)度の経営情報システム第20問(ア)において、主語はEA(Enterprise Architecture)になっていますが「組織全体~」以降の記述はそのまま同じです。

 

本問が出題された令和5年(2023年)より6年前の記述ではありますが、過去問題の記述をほぼ丸ごと引用しているのは安直であるように感じます。(本問は「再試験」の問題なので、作問に時間をかけられなかったという事情はあるかと思います)

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03

システムの構築・運用に関する問題です。

 

a:不適切です。SoS(System of Systems)とは、複数のシステムが統合されたシステムのことです。

b:不適切です。ISMSとは、情報セキュリティマネジメントシステムのことで、組織の情報セキュリティを管理するフレームのことです。

c:適切です。

d:適切です。

 

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