中小企業診断士 過去問
令和6年度(2024年)
問41 (財務・会計 問15)

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 財務・会計 令和6年度(2024年) 問41(財務・会計 問15) (訂正依頼・報告はこちら)

毎期一定額の配当を支払う場合と比べた、業績連動型の配当政策に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 毎期の配当性向の変動は大きくなり、1株当たり配当額の変動も大きくなる。
  • 毎期の配当性向の変動は大きくなり、1株当たり配当額は安定する。
  • 毎期の配当性向は安定し、1株当たり配当額の変動は大きくなる。
  • 毎期の配当性向は安定し、1株当たり配当額も安定する。

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この過去問の解説 (2件)

01

業績連動型の配当とは、企業の業績が多寡に合わせて配当額が変わるというものです。

各選択肢をそれぞれ解説します。

選択肢1. 毎期の配当性向の変動は大きくなり、1株当たり配当額の変動も大きくなる。

配当性向は安定するため、本選択肢は不正解です。

選択肢2. 毎期の配当性向の変動は大きくなり、1株当たり配当額は安定する。

配当性向は安定するため、本選択肢は不正解です。

選択肢3. 毎期の配当性向は安定し、1株当たり配当額の変動は大きくなる。

本選択肢が正解です。

選択肢4. 毎期の配当性向は安定し、1株当たり配当額も安定する。

1株当たり配当額も業績に応じて変動するので安定しません。

そのため本選択肢は不正解です。

まとめ

業績連動型の配当がどのようになるかイメージでき、配当性向の意味を把握していれば問題なく正解できる内容でした。

参考になった数1

02

業績連動型の配当政策に関する問題です。与件文で「毎期一定額の配当を支払う場合」との比較が明記されています。

 

すべての選択肢で述べられている「配当性向」「1株当たり配当額」の計算式を、以下に整理します。

 

配当性向(%)=1株当たり配当額/1株当たり当期純利益 ※当期純利益がどれだけ配当に回っているかの指標であるため「%」です。

1株当たり配当額=配当額/発行済株式数

 

業績連動型は、読んで字の如く「企業の業績に応じて配当額が変動する」というものです。したがって、企業の業績に応じて青の太字部分が変化します。

配当性向=1株当たり配当額1株当たり当期純利益

1株当たり配当額=配当額/発行済株式数

 

以上から、配当性向は分子も分母も変わるため、毎期の配当性向の変動は安定します(変化しません)。1株当たり配当額は分母に変化はないため、毎期の1株当たり配当額の変動は大きくなります(変化します)。

 

毎期一定額型は、

配当性向=1株当たり配当額/1株当たり当期純利益

1株当たり配当額=配当額/発行済株式数

となります。

 

企業の業績に応じて変化する青の太字部分は1株当たり当期純利益のみで、業績連動型とは逆の動きをすることがお分かりいただけるかと思います。

選択肢1. 毎期の配当性向の変動は大きくなり、1株当たり配当額の変動も大きくなる。

冒頭の解説より、毎期の配当性向は安定し、1株当たり配当額の変動は大きくなるため不適切な選択肢です。

選択肢2. 毎期の配当性向の変動は大きくなり、1株当たり配当額は安定する。

冒頭の解説より、毎期の配当性向は安定し、1株当たり配当額の変動は大きくなるため不適切な選択肢です。

選択肢3. 毎期の配当性向は安定し、1株当たり配当額の変動は大きくなる。

冒頭の解説より、毎期の配当性向は安定し、1株当たり配当額の変動は大きくなるため正解の選択肢となります。

選択肢4. 毎期の配当性向は安定し、1株当たり配当額も安定する。

冒頭の解説より、毎期の配当性向は安定し、1株当たり配当額の変動は大きくなるため不適切な選択肢です。

まとめ

【補足】

 

時間はかかりますが、具体的な数値を置いて配当性向と1株当たり配当額の動きを確認することで、ミスを防ぐことができます。

(冒頭の解説で納得できない、心配であるという方は実際に試してみてください)

 

「変動するのか」「安定しているのか」を確認するだけなので、数値は計算しなくてもすぐ判断できる程度に小さくすることをおススメします。

 

グルペディア社の業績】

前期の当期純利益=100、今期の当期純利益=200、発行済株式数=100

1株当たり配当額=10(毎期一定額の場合)、1株当たり配当額は当期純利益に応じて変動(業績連動型の場合)

 

配当性向=1株当たり配当額/1株当たり当期純利益

1株当たり配当額=配当額/発行済株式数

 

・毎期一定額の配当政策

前期の配当性向=10/100より、10%です。

今期の配当性向=10/200より、5%です。※今期の当期純利益は前期の2倍ですが、配当性向が毎期一定額のため

 

前期の1株当たり配当額=10/100より、10です。

今期の1株当たり配当額=10/100より、10です。

 

以上から、配当性向は変動します(大きくなります)が、1株当たり配当額は変動しません(安定します)。

 

・業績連動型の配当政策

前期の配当性向=10/100より、10%です。

今期の配当性向=20/200より、10%です。※当期純利益が前期の2倍に増加したため、配当額も2倍に増加しています

 

前期の1株当たり配当額=10/100より、10です。

今期の1株当たり配当額=20/100より、20です。※今期の当期純利益は前期の2倍ですが、発行済株式数が不変のため

 

以上から、配当性向は変動しません(安定します)が、1株当たり配当額は変動します(大きくなります)。

-----------------------------------------------------------------------【おまけ】

 

お気づきの方もいるかも知れませんが、例えば業績連動型の今期の配当性向を50/200とすると25%になります。「今期は当期純利益が前期の2倍になったので、配当額を5倍にして株主に大幅還元しよう!」と言い出す経営者も居るかも知れません。

 

この場合、配当性向は前期10%→今期25%になるので変動するじゃないか!というツッコミがあるかと思います。理由は、当期純利益が前期の2倍なのに、配当額を5倍にしているからです。

 

業績連動型の配当政策とは、当期純利益が前期の2倍になったら配当額も2倍にするように配当額を「業績に連動」させるものです。当期純利益が前期の2倍なのに配当額を5倍にするのは「業績に連動」しているとは言えません。(株主にとっては嬉しいので、反対しないとは思いますが)

 

試しに、配当額が5倍なのであれば当期純利益も5倍にしてみてください。50/500=10%になりますので、配当性向が変動しないことが分かります。

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