中小企業診断士 過去問
令和6年度(2024年)
問54 (企業経営理論 問4)
問題文

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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 令和6年度(2024年) 問54(企業経営理論 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

- 事業Bは、成長余地がないので、できるだけ速やかに事業清算を行う。
- 事業Dは、市場シェアや競争力の維持のために、事業からの収益を自事業に再投資する。
- 最も売上高の大きい事業Bから資金を投じ、事業Cを育成する。
- 最も市場シェアの高い事業Dから技術シナジーを生むための技術供与を行い、事業Aを育成する。
- 最も市場シェアの高い事業Dから資金を投じ、事業Cを育成する。
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この過去問の解説 (1件)
01
プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント(PPM)に関する問題です。以下に、PPMで用いられている4つの象限の知識を整理します。各象限の、市場シェアと市場成長率の高低を比較して覚えてください。
・問題児
現在、成長しており、将来的に主力事業となる可能性がある段階。
市場シェアは低いが、市場成長率は高い。
・花形
現在、主力事業となりつつあり、更なる成長のために獲得したキャッシュを再投資する必要がある段階。
市場シェア・市場成長率ともに高い。
・金のなる木
主力事業であり、名前の通りキャッシュを生み出している段階。
獲得したキャッシュは、次なる成長事業を育成するために「問題児」事業へと投入する(現在はキャッシュを生み出していても、PLCの観点から将来的には衰退するため)。※PLCについては解説のまとめを参照してください。
市場は成熟しており成長が鈍化し、撤退する企業も出てきている。
市場シェアは高いが、市場成長率は低い(低下してきている)。
・負け犬
市場そのものが縮小している段階で、もはや成長は期待できない。
基本戦略は撤退だが、事業を維持できるだけの収益が見込める場合は事業を継続して、あえて残存者利益を狙う戦略もあり得る(殆どの企業は撤退することから、他企業のユーザーを取り込みシェアを独占できる可能性があるため)。
市場シェア・市場成長率ともに低い。
なお、PPMでは「市場シェアが高い」というのは、基本的に当該市場でトップシェアを取ることを前提としています。(誰かのセリフではありませんが、2位ではダメです)
冒頭の解説から、事業Bは市場シェアが高いため、事業清算を行なう段階ではありません。(他の選択肢からも、事業Bは「金のなる木」であることが分かります)
したがって、不適切な選択肢です。
事業Dは市場シェア・市場成長率がともに高く、冒頭の解説から、市場シェアや競争力の維持のために事業からの収益を自事業に再投資する必要がある「花形」に該当します。
したがって、正解の選択肢となります。
冒頭の解説や他の選択肢の記述から、本選択肢は「金のなる木」の説明ですが、育成する事業はCではありません。(C事業は市場シェア・市場成長率がともに低いため、「負け犬」であることが分かります)
したがって、不適切な選択肢です。
PPMでは、どの事業に投資して、どの事業を撤退させるかの基準を技術シナジーや技術供与からでは考慮しません。
なお、他の選択肢から、事業Bから資金を投じて事業Aを育成します。(事業Aは、「問題児」であることが分かります)
したがって、不適切な選択肢です。
財務的な観点でしか考慮しない点が、PPMのデメリットです。例えば、冒頭の解説から「負け犬」事業では市場シェアや市場成長率で考慮すると撤退が原則ですが、残存者利益を狙う戦略もあり得るためです。
冒頭の解説他の選択肢の記述から、事業Bから資金を投じ、事業Aを育成します。
したがって、不適切な選択肢です。
【補足】
PPMは、プロダクト・ライフサイクル(PLC)の段階で見ると判断が付きやすいです。
・問題児:導入期
・花形:成長期
・金のなる木:成熟期
・負け犬:衰退期
また、PPMは「花形」と「金のなる木」の区別が付きにくいという特徴があります。
・花形は成長期であるため、競合が多く、マーケティング費用などの投資が多く必要になる。(キャッシュインもキャッシュアウトも大きいため、金のなる木ではない)
・金のなる木の段階では撤退する企業も出てきているため、競合は減ってきている。したがって、花形の段階よりもキャッシュアウトが抑えられてキャッシュインが上回り、多くの収益が得られる。(ただし、ユーザーから忘れられないためのマーケティングは必要であり、投資費用が一切不要となるわけではない点には注意)
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