技術士の過去問
平成27年度(2015年)
基礎科目「環境・エネルギー・技術に関するもの」 問25
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問題
技術士 第一次試験 平成27年度(2015年) 基礎科目「環境・エネルギー・技術に関するもの」 問25 (訂正依頼・報告はこちら)
廃棄物に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- RDFとは、ごみ固形化燃料のことであり、生ごみ・廃プラスチック、古紙などの可燃性のごみを粉砕・乾燥したのちに生石灰を混合して、圧縮・固化したものである。
- E-wasteとは、エコ廃棄物のことであり、再使用可能であるかほぼ全ての構成成分をマテリアルリサイクル可能な廃棄物のことである。
- バイオマスとは、再生可能な生物由来の有機性資源のうち化石資源を除いたもので、廃棄物については、建設発生木材や食品廃棄物、下水汚泥などが含まれる。
- 産業廃棄物とは、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃えがら、汚泥、廃油、廃酸など20種類の廃棄物のことである。
- 硫酸ピッチとは、強酸性で油分を有する泥状の廃棄物で、雨水等と接触して亜硫酸ガスを発生させ、周辺の生活環境保全上の支障を生じる可能性がある。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.適切です
ごみを圧縮した固形燃料であるRDF(ごみ固形化燃料)についての説明であり、正しい記述です。
2.不適切です
E-wasteは、電気電子機器廃棄物と呼ばれ、バッテリーやプラグを搭載した電気製品等の廃棄物を意味します。
よって誤った記述です。
3.適切です
バイオマスとは再生可能な生物由来の有機性資源で、化石資源を除いたものであり、正しい記述です。
4.適切です
産業廃棄物とは、事業活動によって発生した20種類の廃棄物のことであり、正しい記述です。
5.適切です
硫酸ピッチとは、硫酸と廃油の混合物であり、通常は焼却処理されますが、不法投棄により問題となっています。
触れると人体に影響を及ぼしたり、ガスによる汚染の発生などが引き起こされたりするため、正しい記述です。
よって、2が正解です。
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02
近年の環境問題やリサイクル問題への意識の高まりに伴い、技術士が身につけておくべき事項としてこのような問題も多く出題されるようになりました。用語については最近になって定義されたものも多くありますので、普段から、官公庁など信頼のおける情報源から最新情報を入手するように意識しておきましょう。また、本問は「最も不適切なものはどれか」と問われている点にも要注意です。
1. RDFについては、https://tenbou.nies.go.jp/science/description/detail.php?id=71に解説があります。Refuse Derived Fuel(廃棄物固形燃料)のことであり、また、「なお、一般廃棄物を原料とする場合には、塩素が含まれている点に注意しなければならない。塩素は、RDFを燃焼する際にダイオキシンを発生させたり、装置を腐食させたりする原因となる。そのため、生石灰や消石灰(水酸化カルシウム)を製造工程の途中で添加する。」との文言もあることから、本選択肢は適切です。
2. E-wasteについては、https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/h24/html/hj12040205.htmlに解説があります。「Electronic and Electrical Wastes (電気電子機器廃棄物)の略称。使用済みのテレビ、パソコン等の電気電子機器であって中古利用されずに分解・リサイクル又は処分されるものを指す。」とあることから、本選択肢は不適切です。
3. バイオマスについては、たとえばhttps://www.maff.go.jp/kyusyu/kikaku/baiomasu/teigitou.htmlなどに解説があります。「バイオマスとは、生物資源(bio)の量(mass)を表す概念で、「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」です。」とあります。また、同サイトに廃棄物の例として建設発生木材や食品廃棄物、下水汚泥などが挙げられています。したがって、本選択肢は適切です。
4. 産業廃棄物については、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法、廃掃法)の第2条第4項で以下のように定義されています(https://elaws.e-gov.go.jpで「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で検索すれば参照できます)。
「この法律において「産業廃棄物」とは、次に掲げる廃棄物をいう。
一 事業活動に伴つて生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物
二 輸入された廃棄物(前号に掲げる廃棄物、船舶及び航空機の航行に伴い生ずる廃棄物(政令で定めるものに限る。第十五条の四の五第一項において「航行廃棄物」という。)並びに本邦に入国する者が携帯する廃棄物(政令で定めるものに限る。同項において「携帯廃棄物」という。)を除く。)」
また、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」においては、より詳しく定められており、20種類の廃棄物が定義されています。したがって、この選択肢も適切です。
5. 硫酸ピッチについては、https://www.env.go.jp/hourei/11/000624.html の冒頭などに説明があります。「近年、主に軽油引取税の脱税を目的として、A重油と灯油等を混和して軽油を密造し、その過程で生じる強酸性で油分を有する泥状の廃棄物(以下「硫酸ピッチ」という。)を不法投棄したり、長期間にわたり放置する等の事案が頻発している。これが雨水等と接触して亜硫酸ガスを発生させ、周辺の生活環境保全上の支障を生じかねない事態すら散見される」とあります。したがって、本選択肢も適切です。
以上、正解選択肢は2.になります。
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03
各選択肢の記述については以下の通りです。
1.正しい記述です。圧縮によるゴミの体積減及び、有効活用として期待もありますが、
一部の燃料や熱源に利用が限られる、性能が必ずしも高くないなど、課題もあります。
2.誤った記述です。E-wasteとは電気電子製品の廃棄物です。
鉛などの有害な金属が含まれることが多く、環境汚染の問題があると共に、
希少金属を含むため、資源回収への期待もあります。
3.正しい記述です。燃料への加工にかかるエネルギーの低減、
燃料としての性能向上が期待されます。
4.正しい記述です。法令で定められた20種類を指します。
5.正しい記述です。硫酸ピッチの不法投棄と環境破壊は重大な問題となっています。
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