技術士の過去問
平成28年度(2016年)
基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問20

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問題

技術士 第一次試験 平成28年度(2016年) 基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問20 (訂正依頼・報告はこちら)

原子に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。ただし、元素記号の左下に原子番号を、左上に質量数を記している。
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この過去問の解説 (3件)

01

原子に関する正誤問題です。

原子の左上の数字は「質量数」と呼ばれ、陽子+中性子 の数を表しています。
原子の左下の数字は「原子番号」と呼ばれ、陽子の数 = 電子の数 を表しています。

以上を元に、各設問の正誤を判断します。

1.不適切です
中性子の数は、「質量数 − 陽子の数」で表されます。
左の Ca は、40 - 20 = 20
右の Ar は、40 - 18 = 22
なので、中性子の数は等しくありません。

2.不適切です
左の Cl は、35 - 17 = 18
右の Cl は、37 - 17 = 20
なので、中性子の数は等しくありません。

3.不適切です
同位体とは、同じ元素で中性子の数が異なるもののことを言います。
よって、元素が異なることから、不適切です。

4.適切です
左下の数字は、電子の数を表しています。
よって、同じ電子数を有することから、適切です。

5.不適切です
同素体とは、同じ元素で構成されるが、化学的性質の異なるもののことを言います(黒鉛とダイヤモンド 等)。
この場合は、同位体であり、同素体ではないため誤りです。

よって、4が正解です。

参考になった数42

02

正解は4です。
原子の質量数、中性子数、電子数、及び同位体、同素体についての正誤問題です。
各選択肢の内容は以下の通りです。

1.誤りです。
原子核中の陽子の数を原子番号、陽子の数と中性子の数を足したものが質量数です。
よって、質量数40のCaの中性子数は 40-20 = 20、
質量数40のArの中性子数は 40 – 18 = 22
したがって、質量数40のCaと、質量数40のArの中性子数は異なります。

2.誤りです。
質量数35のClの中性子数は 35-17 = 18
質量数37のClの中性子数は 37-17 = 20
したがって、質量数35のClと、質量数37のClの中性子数は異なります。

3.誤りです。
同位体とは原子番号が同じで、質量数がことなる原子の関係を指すものです。
CaとArは原子番号が異なるので、同位体ではありません。

4.正しいです。
原子がイオン化していなければ、原子の陽子数と電子数は同じです。
したがって、質量数35のClと質量数37のClの電子の数は等しいです。

5.誤りです。
同素体とは構成している原子が同じだが、性質の異なる物質の関係を指すものです。
酸素とオゾンの様に、どちらもOから成り立っているが、
性質が異なる場合、同素体であると言えます。
質量数35のClと、質量数37のClは同位体ですが、同素体ではありません。

したがって、4が正しい表現ですので、4が正解です。

参考になった数15

03

正解は4です。

原子に関する用語は頻出なので覚えておきましょう。確実に得点源になります。

原子番号(左下)=陽子の数=電子の数

質量数(左上の数)=陽子+中性子の数 つまり中性子数=質量数ー原子番号

同位体=原子番号が同じだが質量数が異なる物質。水素と重水素など。化学的性質は同等で反応速度が異なる。

同素体=同一元素だが配列や結合が異なるもの、ダイヤモンドとグラファイト等

上記を考えてみます。

1 誤り

Ca(原子番号20、質量数40)は中性子数は40-20=20

Ar (原子番号18、質量数40)は中性子数は40-18=22 なので異なります。

2 誤り

Cl(原子番号17、質量数35)は中性子数は35-17=18

Cl(原子番号17、質量数37)は中性子数は37-17=20 なので異なります。

ちなみにこれは上記より同位体であるとわかります。

3 誤り

別の原子番号なので同位体ではありません。

4 正しい

電子の数=原子番号なので正しいです。

5 誤り

同素体ではなく同位体となります。

参考になった数7