技術士の過去問
平成28年度(2016年)
適性科目 問34
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問題
技術士 第一次試験 平成28年度(2016年) 適性科目 問34 (訂正依頼・報告はこちら)
研究活動における不正行為は、研究活動とその成果発表の本質に反するものであるという意味において、科学そのものに対する背信行為であり、また、人々の科学への信頼を揺るがし、科学の発展を妨げるものであることから、研究費の多寡や出所の如何を問わず絶対に許されない。また、不正行為は、研究者の科学者としての存在意義を自ら否定するものであり、自己破壊につながるものでもある。
これらのことを個々の研究者はもとより、科学コミュニティや研究機関、競争的資金の配分機関は理解して、不正行為に対して厳しい姿勢で臨まなければならない。
「不正行為」に関する次の( ア )~( オ )の記述について、正しいものは〇、誤っているものは×として、最も適切な組合せはどれか。
ア 故意又は研究者としてわきまえるべき某本的な注意義務を著しく怠ったことによる、投稿論文など発表された研究成果の中に示されたデータや調査結果等の捏造( ねつぞう )、改ざん及び他者の研究成果等の盗用を「特定不正行為」という。
イ 特定不正行為が確認された研究活動に係る競争的資金等において、配分機関は、特定不正行為に関与したと認定された研究者及び研究機関に対し、事案に応じて、交付決定の取消し等を行い、また、当該競争的資金等の配分の一部又は全部の返還を求めることができる。
ウ 他の学術誌等に既発表又は投稿中の論文と本質的に同じ論文を投稿する二重投稿、論文著作者が適正に公表されない不適切なオーサーシップなどは、研究者倫理に反する行為として認識されているが、不正行為ではない。
エ 不正行為に対する対応は、研究者の倫理と社会的責任の問題として、その防止と併せ、まずは研究者自らの規律、及び科学コミュニティ、研究機関の自律に基づく自浄作用としてなされなければならない。
オ 研究機関において、研究者等に求められる倫理規範を修得等させるための研究倫理教育を実施することは、研究者倫理を向上させることになるが、不正行為を事前に防止し、公正な研究活動を推進する環境整備とはならない。
これらのことを個々の研究者はもとより、科学コミュニティや研究機関、競争的資金の配分機関は理解して、不正行為に対して厳しい姿勢で臨まなければならない。
「不正行為」に関する次の( ア )~( オ )の記述について、正しいものは〇、誤っているものは×として、最も適切な組合せはどれか。
ア 故意又は研究者としてわきまえるべき某本的な注意義務を著しく怠ったことによる、投稿論文など発表された研究成果の中に示されたデータや調査結果等の捏造( ねつぞう )、改ざん及び他者の研究成果等の盗用を「特定不正行為」という。
イ 特定不正行為が確認された研究活動に係る競争的資金等において、配分機関は、特定不正行為に関与したと認定された研究者及び研究機関に対し、事案に応じて、交付決定の取消し等を行い、また、当該競争的資金等の配分の一部又は全部の返還を求めることができる。
ウ 他の学術誌等に既発表又は投稿中の論文と本質的に同じ論文を投稿する二重投稿、論文著作者が適正に公表されない不適切なオーサーシップなどは、研究者倫理に反する行為として認識されているが、不正行為ではない。
エ 不正行為に対する対応は、研究者の倫理と社会的責任の問題として、その防止と併せ、まずは研究者自らの規律、及び科学コミュニティ、研究機関の自律に基づく自浄作用としてなされなければならない。
オ 研究機関において、研究者等に求められる倫理規範を修得等させるための研究倫理教育を実施することは、研究者倫理を向上させることになるが、不正行為を事前に防止し、公正な研究活動を推進する環境整備とはならない。
- ア:〇 イ:〇 ウ:〇 エ:〇 オ:×
- ア:〇 イ:〇 ウ:× エ:〇 オ:×
- ア:〇 イ:× ウ:〇 エ:× オ:〇
- ア:× イ:〇 ウ:× エ:〇 オ:×
- ア:〇 イ:× ウ:〇 エ:× オ:×
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この過去問の解説 (3件)
01
平成26年に改定された、
「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」、
所謂、文科省新ガイドラインについての、正誤問題です。
各項目の内容は以下の通りです。
ア 正しいです。
データの捏造、改ざん、盗用を「特定不正行為」としています。
イ 正しいです。
配分機関は、特定不正行為が確認された場合の措置として、
交付決定の取り消しを行い、競争的資金等の配分の返還を求めます。
ウ 誤りです。
二重投稿やオーサーシップなどの行為も、
不正行為として認識されるようになってきています。
エ 正しいです。
不正行為への対応は、まず研究者自身が、
自己規律・自浄作用としてなすべきものです。
オ 誤りです。
研究機関は、不正行為の防止を研究者の自己規律のみに委ねるのではなく、
不正行為が起こりにくい環境整備のために、
研究倫理教育を実施することが望まれます。
以上から、ア:○、イ:○、ウ:×、エ:○、オ:× となるので、
2が正解です。
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02
文部科学省が平成26年に公表した「研究活動における不正行為への対応等に 関するガイドライン」に詳しく規定されており、
その内容を元に正誤を判断します。
各選択肢の正誤は以下の通りです。
ア:〇
不正特定行為の定義についての記述です。
不正特定行為は「捏造・改ざん・盗用」と定義されています。
イ:〇
不正特定行為への措置についての記述です。
特定不正行為に係る競争的資金等の返還等に定められている記述であり、正しい内容です。
ウ:×
二重投稿、不適切なオーサーシップは、不正行為として認識されてきています。
エ:〇
不正行為に対する対応は、まず自浄作用としてなされなければならず、この自浄作用の強化が課題となっています。
オ:×
研究倫理教育により研究者の倫理を向上させることは、
不正行為を防止する環境整備につながります。
よって、ア:○、イ:○、ウ:×、エ:○、オ:×となることから、
2が正解です。
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03
<正解>2
[解説]
平成26年に文部科学省が公表した「研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)に関する正誤の組み合わせの問題です。
アからオの記述内容の正否は以下のとおりとなります。
ア 正しい内容です。
故意又は研究者としてわきまえるべき基本的な注意義務を著しく怠ったことによる、
投稿論文など発表された研究成果の中に示されたデータや調査結果等の
捏造、改ざん及び盗用のことを「特定不正行為」としています。
(ガイドライン第3節1(3))
よって、正しい内容です。
イ 正しい内容です。
「特定不正行為に対する研究者、研究機関への措置として、
特定不正行為が確認された研究活動に係る競争的資金等において、
配分機関は、特定不正行為に関与したと認定された研究者及び研究機関に対し、
事案に応じて、交付決定の取消し等を行い、
また、当該競争的資金等の配分の一部又は全部の返還を求めることができる。」
とされています。
(ガイドライン第4節1)
よって、正しい内容です。
ウ 誤った内容です。
「他の学術誌等に既発表又は投稿中の論文と
本質的に同じ論文を投稿する二重投稿や
論文著作者が適正に公表されない不適切なオーサーシップなどが
不正行為として認識されるようになってきている。」とされており、
これらの行為が不正行為とされていることとなります。
(ガイドライン第1節3)
よって、不正行為ではないとする記述は、誤った内容となります。
エ 正しい内容です。
「不正行為に対する対応は、
研究者の倫理と社会的責任の問題として、
その防止と併せ、まずは研究者自らの規律、
及び科学コミュニティ、研究機関の自律に基づく
自浄作用としてなされなければならない。」
とされています。
(ガイドライン第1節5)
よって、正しい内容です。
オ 誤った内容です。
「不正行為を事前に防止し、
公正な研究活動を推進するためには、
研究機関において、
研究者等に求められる倫理規範を修得等させるための教育
(以下「研究倫理教育」という。)を確実に実施することなどにより、
研究者倫理を向上させることがまず重要である。」とされています。
(ガイドライン第2節1(1))
よって、不正行為を事前に防止し、
公正な研究活動を推進する環境整備とはならない
とする記述は誤った内容となります。
これらのことから各選択肢を検討すると
1 ウが〇となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
2 アからオまでの全てが合致しているため、
適切な組み合わせとなります。
3 イとエが×、ウとオが〇となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
4 アが×となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
5 イとエが×、ウが〇となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
以上のことから、2が正解となります。
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