技術士の過去問
平成29年度(2017年)
基礎科目「解析に関するもの」 問18

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問題

技術士 第一次試験 平成29年度(2017年) 基礎科目「解析に関するもの」 問18 (訂正依頼・報告はこちら)

下図に示す、長さが同じで同一の断面積4d2を有し、断面形状が異なる3つの単純支持のはり( a )、( b )、( c )のxy平面内の曲げ振動について考える。これらのはりのうち、最も小さい1次固有振動数を有するものとして、最も適切なものはどれか。ただし、はりは同一の等方性線形弾性体からなり、はりの断面は平面を保ち、断面形状は変わらず、また、はりに生じるせん断変形は無視する。
問題文の画像
  • ( a )と( b )
  • ( b )と( c )
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この過去問の解説 (3件)

01

単純支持梁における固有振動数は、断面二次モーメントが大きいほど大きくなります。
よって、断面2次モーメントの大小から、固有振動数の大小を判断します。
なお、断面二次モーメントIは、I = (断面の幅) × (断面の高さ)^3 ÷ 12 で表されます。

各梁の断面2次モーメントは以下のようになります。
(a) I = d × (4d)^3 / 12 = 16d^4 / 3
(b) I = 2d × (2d)^3 / 12 = 4d^4 / 3
(c) I = 4d × d^3 / 12 = d^4 / 3

よって、断面2次モーメントは、(a) > (b) > (c) となり、
一次固有振動数も同様なので、最も小さいのは(c)となります。

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02

はりの曲げ振動と固有振動数に関する問題ですね。技術士試験では多く出題されてきています。問題文と図を丁寧に読み込んで、解答していきましょう。

単純支持のはりにおいて、はりの曲げにくさ(断面二次モーメント)が大きければ、はりの1次固有振動数は大きくなります。そこで、はりの断面二次モーメントの大きさを求め、それをもとに1次固有振動数の大きさを判定していきます。

はりの断面二次モーメントは、(断面の幅)x(断面の高さ)3/12で表されるので、

それぞれのはりの断面二次モーメントは、

(a): d x (4d)3 /12 = 64d4/12 = 16d4/3

(b): 2d x (2d)3 /12 = 16d4/12 = 4d4/3

(c): 4d x d3 /12 = 4d4/12 = d4/3

となり、断面二次モーメントの大きさの順は(a)>(b)>(c)となります。

したがって、一次固有振動数の大きさの順も同様ですから、もっとも小さいのは(c)であり、正解選択肢は5.となります。

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03

 単純支持梁における固有振動数は、梁の断面二次モーメント(曲げにくさ)が大きいほど大きくなります。

 よって、梁の断面二次モーメントの大小関係から、1次固有振動数の大小を判定することができます。

 断面二次モーメントをIとすると、

 I = (断面の幅) × (断面の高さ)3 ÷ 12

 と表すことができます。

 この式に従って、(a)から(c)の梁の断面二次モーメントを求めると以下のとおりとなります。

(a): I = d × (4d)3 ÷ 12 = 43 × d4 / 4 × 3 = 16d4 / 3

(b): I = 2d × (2d)3 ÷ 12 = 24 ×d4 / 4 × 3 = 4d4 / 3

(c): I = 4d × d3 ÷ 12 = 4d4 / 4 × 3 = d4 / 3

“d4 / 3”の部分は、(a)から(c)に共通のため、

断面ニ次モーメントの大小関係は、(a) > (b) > (c) となります。

よって、一次固有振動数も大小関係も同様となり、最も小さいのは(c)となることから、正解は5となります。

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