技術士の過去問
平成29年度(2017年)
基礎科目「環境・エネルギー・技術に関するもの」 問26

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問題

技術士 第一次試験 平成29年度(2017年) 基礎科目「環境・エネルギー・技術に関するもの」 問26 (訂正依頼・報告はこちら)

国連気候変動枠組条約第21回締約国会議( COP21 )で採択されたパリ協定についての次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • 温室効果ガスの排出削減目標を5年ごとに提出・更新することを義務付けることで、気候変動に対する適応策を積極的に推し進めることとした。
  • 産業革命前からの地球の平均気温上昇を2[℃]より十分下方に抑えるとともに、1.5[℃]に抑える努力を追求することとした。
  • 各国より提供された温室効果ガスの排出削減目標の実施・達成に関する情報について、専門家レビューを実施することとした。
  • 我が国が提案した二国間オフセット・クレジット制度( JCM )を含む市場メカニズムの活用が位置づけられた。
  • 途上国における森林減少及び森林劣化による温室効果ガス排出量を減少させる取組等について、実施及び支援するための行動をとることが奨励された。

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この過去問の解説 (3件)

01

1. 間違いです。
温室効果ガスの排出削減目標を5年ごとに提出・更新することを努力目標として定めていますが、義務付けられてはいません。

2. 正しいです。
平均気温上昇を産業革命前に比べ2°C未満に十分に抑え、また1.5°Cに抑えるような努力を追求することとしています。

3. 正しいです。
すべての国が共通かつ柔軟な方法で、その実施状況を報告しレビューを受けると定められています。

4. 正しいです。
日本は、二国間クレジット制度を駆使することで、途上国の負担を下げながら、画期的な低炭素技術を普及させていくことを宣言しました。

5. 正しいです。
REDD+(途上国の森林減少及び劣化に由来する排出の削減、森林保全、持続可能な森林経営、森林炭素蓄積の強化)を推進することが推奨されています。

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02

正解は1です。

COP21(パリ協定)については以下を参照してください

https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/tokushu/ondankashoene/pariskyotei.html

けっこう出題されているイメージがあったのですが、確認する限りCOP21に関する出題は過去これだけのようです。

もしかしたら次年度はCOP26に関する問題が出るかもしれません。また環境関連部門を受験される方は専門科目や二次試験(論文)で出題される可能性があるため学習しておくとよいでしょう。

https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/cop26_01.html

1.間違いです

温室効果ガスの排出削減目標を5年ごとに提出・更新することを努力目標としています。

義務付けはしていません。

2,3,4,5は正しいですが、今後引っ掛けで出そうなところをチェックしておきます。

産業革命前からの地球の平均気温上昇を2[℃]より十分下方に抑えるとともに、1.5[℃]に抑える努力を追求することとした。

各国より提供された温室効果ガスの排出削減目標の実施・達成に関する情報について、専門家レビューを実施することとした。

我が国が提案した二国間オフセット・クレジット制度( JCM )を含む市場メカニズムの活用が位置づけられた。

途上国における森林減少及び森林劣化による温室効果ガス排出量を減少させる取組等について、実施及び支援するための行動をとることが奨励された。

とくにJCMについては理解しておく必要があります。

>途上国への優れた脱炭素技術等の普及を通じ、地球規模での温暖化対策に貢献するとともに、日本からの温室効果ガス排出削減等への貢献を適切に評価し、我が国の削減目標の達成に活用します。

要するに途上国に技術供与を行い、当該国の温室効果ガスの削減などの成果を、日本の成果として勘定(クレジット)することです。

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03

1. 不適切です。
 温室効果ガスの排出削減目標を5年ごとに提出・更新することを努力目標として定めていますが、削減目標そのものを達成することは義務付けられてはいません。

2. 適切です。
 産業革命前からの世界の平均気温上昇を「2度未満」に抑えることに加えて、平均気温上昇「1.5度未満」を目指すこととしています。

3. 適切です。
 すべての国が共通かつ柔軟な方法で、温室効果ガスの排出削減目標の実施・達成に関する情報について、実施状況を報告し、専門家のレビューを受けると定められています。

4. 適切です。
 二国間クレジット制度(JCM)を含む市場メカニズムの活用が位置づけられました。また、日本は、二国間クレジット制度を駆使することで、途上国の負担を下げながら、画期的な低炭素技術を普及させていくことを宣言しました。

5. 適切です。
 森林等の吸収源の保全・強化の重要性や途上国の森林減少・劣化からの排出を抑制する仕組みが含まれており、開発途上締約国の森林減少及び劣化等による排出量を減少させる取組のため、条約に基づく既存の枠組みを実施及び支援するための措置をとることが推奨されています。

 よって、最も不適切なものは、1となります。

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