技術士の過去問
平成30年度(2018年)
適性科目 問40

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

技術士 第一次試験 平成30年度(2018年) 適性科目 問40 (訂正依頼・報告はこちら)

2007年5月、消費者保護のために、身の回りの製品に関わる重大事故情報の報告・公表制度を設けるために改正された「消費生活用製品安全法(以下、消安法という。)」が施行された。さらに、2009年4月、経年劣化による重大事故を防ぐために、消安法の一部が改正された。消安法に関する次の(ア)~(エ)の記述について、正しいものはO、誤っているものは×として、最も適切な組合せはどれか。

( ア )消安法は、重大製品事故が発生した場合に、事故情報を社会が共有することによって、再発を防ぐ目的で制定された。重大製品事故とは、死亡、火災、一酸化炭素中毒、後遺障害、治療に要する期間が30日以上の重傷病をさす。
( イ )事故報告制度は、消安法以前は事業者の協力に基づく任意制度として実施されていた。消安法では製造・輸入事業者が、重大製品事故発生を知った日を含めて10日以内に内閣総理大臣(消費者庁長官)に報告しなければならない。
( ウ )消費者庁は、報告受理後、一般消費者の生命や身体に重大な危害の発生及び拡大を防止するために、1週間以内に事故情報を公表する。この場合、ガス・石油機器は、製品欠陥によって生じた事故でないことが完全に明白な場合を除き、また、ガス・石油機器以外で製品起因が疑われる事故は、直ちに、事業者名、機種・型式名、事故内容等を記者発表及びウェブサイトで公表する。
( エ )消安法で規定している「通常有すべき安全性」とは、合理的に予見可能な範囲の使用等における安全性で、絶対的な安全性をいうものではない。危険性・リスクをゼロにすることは不可能であるか著しく困難である。全ての商品に「危険性・リスク」ゼロを求めることは、新製品や役務の開発・供給を萎縮させたり、対価が高額となり、消費者の利便が損なわれることになる。
  • ( ア )×  ( イ )○  ( ウ )○  ( エ )○
  • ( ア )○  ( イ )×  ( ウ )○  ( エ )○
  • ( ア )○  ( イ )○  ( ウ )×  ( エ )○
  • ( ア )○  ( イ )○  ( ウ )○  ( エ )×
  • ( ア )○  ( イ )○  ( ウ )○  ( エ )○

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

消費生活用製品安全法に関する正誤問題です。

(ア)〇
消費生活用製品安全法施行令第五条に記載されている内容であり、正しい記述です。

(イ)〇
消費生活用製品安全法の制定前は任意でしたが、制定後からは、重大事故発生時は10日以内に国に報告する必要があります。
よって正しい記述です。

(ウ)〇
重大事故の公表に関わる記述であり、正しい記述です。

(エ)〇
「通常有すべき安全性」と記述されており、「絶対的な安全性」をいうものではありません。
絶対的な安全性を求めると、新製品の開発を委縮させたり、対価が高額となってしまうことから、通常有すべき安全性を判断基準としています。
よって正しい記述です。

よって、各選択肢の正誤は、
(ア)〇 (イ)〇 (ウ)〇 (エ)〇
なので、5が正解です。

参考になった数16

02

消費生活用製品安全法に関する正誤問題です。

(ア)○
重大事故が発生した場合に社会に共有し再発を防止するために制定されました。
重傷病は治療に要する期間が30日以上の場合が対象です。


(イ)○
重大製品事故発生を知った日を含めて10日以内に内閣総理大臣(消費者庁長官)に報告する義務があります。


(ウ)○
消費者庁は、報告受理後、1週間以内に事故情報を公表します。


(エ)○
予見できない範囲での使用範囲等を踏まえた絶対的な安全性、危険性・リスクゼロを求めることは、開発期間の長期化や高コスト化となり価格面・使いやすさの面消費者への負担になります。

したがって、全て○になりますので、5が正解です。

参考になった数7

03

<正解>5

[解説]

消費生活用製品安全法に関する記述内容についての正誤の組み合わせ問題です。

(ア)から(エ)の記述内容の正誤は以下のとおりです。

(ア)正しい記述内容です。

消費生活用製品安全法は、

消費生活用製品による一般消費者の生命又は身体に対する危害の防止を図るため、

特定製品の製造及び販売を規制するとともに、

特定保守製品の適切な保守を促進し、

併せて製品事故に関する情報の収集及び提供等の措置を講じ、

もって一般消費者の利益を保護することを目的としています。

また、重大製品事故とは、

製品事故のうち、発生し、又は発生するおそれがある危害が重大であるものとして、

当該危害の内容又は事故の態様に関し政令で定める要件に該当するものをいい、

死亡、火災、一酸化炭素中毒、後遺障害、治療に要する期間が30日以上の重傷病が該当します。

よって、正しい記述内容です。

(イ)正しい記述内容です。

事故報告制度は、消費生活用製品安全法制定以前は

事業者の協力に基づく任意制度として実施されていました。

消費生活用製品安全法では、製造・輸入事業者が、

重大製品事故発生を知った日を含めて

10日以内に内閣総理大臣(消費者庁長官)に報告しなければならないと

されています。

よって、正しい記述内容です。

(ウ)正しい記述内容です。

消費者庁は、事故報告受理後、

一般消費者の生命や身体に重大な危害の発生及び拡大を防止するために、

1週間以内に事故情報を公表することとされています。

この場合、ガス・石油機器は、

製品欠陥によって生じた事故でないことが完全に明白な場合を除き、

また、ガス・石油機器以外で製品起因が疑われる事故は、

直ちに、事業者名、機種・型式名、事故内容等を

記者発表及びウェブサイトで公表することとされています。

よって、正しい記述内容です。

(エ)正しい記述内容です。

消費生活用製品安全法で規定している「通常有すべき安全性」とは、

合理的に予見可能な範囲の使用等における安全性をいい、

絶対的な安全性をいうものではありません。

危険性・リスクをゼロにすることは不可能又は著しく困難であるため、

全ての商品に「危険性・リスク」ゼロを求めることは、

新製品や役務の開発・供給を萎縮させたり、対価が高額となったり、

消費者の利便が損なわれることになります。

よって、正しい記述内容です。

これらのことから、組み合わせは、

(ア)〇 (イ)〇 (ウ)〇 (エ)〇

となります。

以上を踏まえて、各選択肢を検討すると以下のとおりとなります。

1 (ア)が×となっているため、

不適切な組み合わせとなります。

2 (イ)が×となっているため、

不適切な組み合わせとなります。

3 (ウ)が×となっているため、

不適切な組み合わせとなります。

4 (エ)が×となっているため、

不適切な組み合わせとなります。

5 (ア)から(エ)の全てが合致しているため、

適切な組み合わせとなります。

よって、5が正解となります。

参考になった数6