技術士の過去問
令和元年度(2019年)
基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問22
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問題
技術士 第一次試験 令和元年度(2019年) 基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問22 (訂正依頼・報告はこちら)
物質に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 炭酸ナトリウムはハーバー・ボッシュ法により製造され、ガラスの原料として使われている。
- 黄リンは淡黄色の固体で毒性が少ないが、空気中では自然発火するので水中に保管する。
- 酸化チタン(IV)の中には光触媒としてのはたらきを顕著に示すものがあり、抗菌剤や防汚剤として使われている。
- グラファイトは炭素の同素体の1つで、きわめて硬い結晶であり、電気伝導性は悪い。
- 鉛は鉛蓄電池の正極、酸化鉛(II)はガラスの原料として使われている。
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この過去問の解説 (3件)
01
化学物質・材料に関する基礎的な問題で、技術士試験では頻出です。それぞれの選択肢の文章の中では、正しい記述と誤った記述が混在していますので、基本知識を思い出して、落ち着いて解答していきましょう。
1. 炭酸ナトリウムの主な製造法はソルベー法(アンモニアソーダ法)になります。ハーバー・ボッシュ法はアンモニアの製造法です。無水の炭酸ナトリウム(ソーダ灰)はガラスの原料になります。
2. リンには赤リン、紫リン、黒リンなどの同素体が存在し、それらのほとんどは無毒で安定なのですが、黄リン(白リン)のみは強い毒性を持ち、また、不安定で発火点が低く(約60℃)、空気中では発火しやすいため水中に保管する必要があります。
3. 酸化チタン(IV)は主に顔料として用いられるほか、光触媒としての作用を持ち、抗菌剤や防汚剤としても応用されてきています。
4. グラファイトは別名黒鉛とも呼ばれ、炭素の同素体の一つですが、鉛筆などに用いられることからもわかるとおり、脆い結晶です。また、導電性は良好です。炭素の同位体で導電性を持たないのはダイヤモンドです。
5. 鉛蓄電池は、正極が酸化鉛(IV)(二酸化鉛)、負極が鉛で構成されています。また、酸化鉛(II)(一酸化鉛)はクリスタル・ガラスの原料として用いられています。
以上から、最も適切なものは3. となりますので、正解選択肢は3.です。
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02
ソルベー法が炭酸ナトリウムを製造する手法です。
2 黄リンは猛毒のため,不適切です。
3 〇
4 グラファイトは,柔らかく,電気伝導性があるため,不適切です。
5 鉛は,鉛蓄電池の負極として使われているため,不適切です。
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03
物質に関する問題です。
1.不適切です
炭酸ナトリウムは主にアンモニアソーダ法(ソルベー法)により製造されます。
ハーバー・ボッシュ法はアンモニアの製造方法です。
2.不適切です
黃リンは強い毒性を持ちます。
3.適切です
酸化チタンの中には抗菌剤や防汚剤として使われているものもあります。
4.不適切です
グラファイト(別名:黒鉛)は炭素の同素体の1つであるが、脆い結晶であり、電気伝導性も良好です。
きわめて硬い結晶であり、電気伝導性の悪い炭素の同素体はダイヤモンドです。
5.不適切です
鉛は鉛蓄電池の負極に使われます。
よって正解は3です。
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