技術士の過去問
令和元年度(2019年)
基礎科目「環境・エネルギー・技術に関するもの」 問28

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問題

技術士 第一次試験 令和元年度(2019年) 基礎科目「環境・エネルギー・技術に関するもの」 問28 (訂正依頼・報告はこちら)

総合エネルギー統計によれば、2017年度の我が国における一次エネルギー国内供給は20,095PJであり、その内訳は、石炭5,044PJ、石油7,831PJ、天然ガス・都市ガス4,696PJ、原子力279PJ、水力710PJ、再生可能エネルギー(水力を除く)938PJ、未活用エネルギー596PJである。ただし、石油の非エネルギー利用分の約1,600PJを含む。2017年度の我が国のエネルギー起源二酸化炭素(CO2)排出量に最も近い値はどれか。ただし、エネルギー起源二酸化炭素(CO2)排出量は、燃料の燃焼で発生・排出されるCO2であり、非エネルギー利用由来分を含めない。炭素排出係数は、石炭24t−C/TJ、石油19t−C/TJ、天然ガス・都市ガス14t−C/TJとする。t−Cは炭素換算トン(Cの原子量12)、t−CO2はCO2換算トン(CO2の分子量44)である。P(ペタ)は10の15乗、T(テラ)は10の12乗、M(メガ)は10の6乗の接頭辞である。
  • 100 Mt − CO2
  • 300 Mt − CO2
  • 500 Mt − CO2
  • 1,100 Mt − CO2
  • 1,600 Mt − CO2

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この過去問の解説 (3件)

01

文章を整理すると
石炭   5044PJ 24t-C/TJ
石油   7831PJ 19t-C/TJ
     ※1600PJは未エネルギー
ガス   4696PJ 14t-C/TJ
原子力   279PJ
水力    710PJ
再生可能  938PJ
未活用   596PJ

ここからCO₂分を求めます。
炭素量は
C = 5044 × 24 × 10^3 + ( 7831 - 1600 ) × 19 × 10^3 + 4694 × 14 × 10^3
 = 305,161,000 (t-C)

CO₂換算にするために分子量比を考えると
CO₂ = 305.161 (Mt-C) × 44 / 12 = 1118.924 (Mt-CO₂)

この値と最も近い値は、4 です。

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02

計算問題も技術士試験ではよく出題されます。問題文の情報をきちんと整理して、落ち着いて解いていきましょう。

「エネルギー起源二酸化炭素(CO2)排出量は、燃料の燃焼で発生・排出されるCO2であり」とありますので、石炭、石油、天然ガス・都市ガス(以下、ガス)、のみを対象とします。

石炭5,044PJ、石油7,831PJ、ガス4,696PJ、が対象になりますが、「非エネルギー利用由来分を含めない。」と但し書きがありますので、石油のみ、非エネルギー利用分約1,600PJを差し引いて、6,231PJがCO2を排出するエネルギー消費、ということになります。

ここに、それぞれの炭素換算トンを掛けて、まず、炭素の排出量を求めていきます。

炭素換算トンはTJで表されており、それぞれのエネルギー利用量はPJ(TJの1000倍)で表されていることにも注意して、

石炭: 5044 x 24 x 1000 = 121,056,000 t

石油: 6231 x 19 x 1000 = 118,389,000 t

ガス: 4696 x 14 x 1000 = 65,744,000 t

以上を合わせて、炭素の総排出量は 305,189,000 tとなります。

炭素の原子量は12、CO2の分子量は44、と示されていますので、炭素量をCO2量に換算するには、44/12を掛けて、

305,189,000 x 44 / 12 = 1,119,026,330となります。

選択肢では、CO2換算トンはMt(10の6乗)で示されていますので、これを100,000で割って、約1119Mt-CO2、よって、最も近い値は4. の1100Mt-CO2となりますので、正解選択肢は4.となります。

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03

<正解>4

[解説]

総合エネルギー統計を用いた二酸化炭素排出量の計算問題です。

問題文を整理すると

一次エネルギー国内供給  20,095PJ

├石炭   5,044PJ 24t-C/TJ

├石油   7,831PJ※ 19t-C/TJ

│     ※1,600PJは非エネルギー使用分を含む。

├ガス   4,696PJ 14t-C/TJ

├原子力   279PJ

├水力    710PJ

├再生可能  938PJ

└未活用   596PJ

となっています。

これらを基に二酸化炭素排出量を求めます。

ただし、原子力、水力、再生可能、未活用は含めません。

まず、炭素の排出量は、

5,044 × 24 × 1,000 + (7,831 – 1,600) × 19 × 1,000 + 4,696 × 14 × 1,000

= 305,189,000 t-C

これを二酸化炭素に換算すると

305,189,000 t-C × 44 / 12

= 1,119,026,333 t-CO₂

= 1,119 Mt-CO₂

よって、この値と最も近い値は、1,100Mt-CO2となり、

4が正解となります。

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