技術士の過去問
令和2年度(2020年)
基礎科目「設計・計画に関するもの」 問4
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問題
技術士 第一次試験 令和2年度(2020年) 基礎科目「設計・計画に関するもの」 問4 (訂正依頼・報告はこちら)
ある工場で原料A、Bを用いて、製品1、2を生産し販売している。下表に示すように製品1を1[kg]生産するために原料A、Bはそれぞれ3[kg]、1[kg]必要で、製品2を1[kg]生産するためには原料A、Bをそれぞれ2[kg]、3[kg]必要とする。原料A、Bの使用量については、1日当たりの上限があり、それぞれ24[kg]、15[kg]である。
(1)製品1、2の1[kg]当たりの販売利益が、各々2[百万円/kg]、3[百万円/kg]の時、1日当たりの全体の利益z[百万円]が最大となるように製品1並びに製品2の1日当たりの生産量x1[kg]、x2[kg]を決定する。なお、x1≧0、x2≧0とする。
(2)次に、製品1の販売利益がΔc[百万円/kg]だけ変化する、すなわち(2+Δc)[百万円/kg]となる場合を想定し、zを最大にする製品1、2の生産量が、(1)で決定した製品1、2の生産量と同一であるΔc[百万円/kg]の範囲を求める。
1日当たりの生産量x1[kg]及びx2[kg]の値と、Δc[百万円/kg]の範囲の組合せとして、最も適切なものはどれか。
(1)製品1、2の1[kg]当たりの販売利益が、各々2[百万円/kg]、3[百万円/kg]の時、1日当たりの全体の利益z[百万円]が最大となるように製品1並びに製品2の1日当たりの生産量x1[kg]、x2[kg]を決定する。なお、x1≧0、x2≧0とする。
(2)次に、製品1の販売利益がΔc[百万円/kg]だけ変化する、すなわち(2+Δc)[百万円/kg]となる場合を想定し、zを最大にする製品1、2の生産量が、(1)で決定した製品1、2の生産量と同一であるΔc[百万円/kg]の範囲を求める。
1日当たりの生産量x1[kg]及びx2[kg]の値と、Δc[百万円/kg]の範囲の組合せとして、最も適切なものはどれか。
- x1=0, x2=5, −1≦Δc≦5/2
- x1=6, x2=3, Δc≦−1, 5/2≦Δc
- x1=6, x2=3, −1≦Δc≦1
- x1=0, x2=5, Δc≦−1, 5/2≦Δc
- x1=6, x2=3, −1≦Δc≦5/2
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この過去問の解説 (3件)
01
生産計画に関する問題も、技術士試験ではよく問われます。問題文とそこに記された条件が複雑になることが多いので、一つずつ丁寧に読み解いていきましょう。
まず、原料Aと原料Bは使用上限が決まっています。また、製品1と製品2を1kg作る場合の原料の使用量も決まっています。ここで、x1とx2により
x1 x 3 + x2 x 2 =24・・・①
x1 x 1 + x2 x 3 =15・・・②が成り立ちます。
これを、x1, x2についての連立方程式と考えて解くと、
x1=6, x2=3となります。
つまり、1日の生産量x1=6, x2=3となります。
この時の利益は、2x6+3x3=12+9=21[百万円]と表わせます。
続いて、製品1の販売利益がΔC[百万円/kg]変化する際の利益は、
(2+ΔC)x x1 + 3 x x2と表せます。
ここで、上記の①②式より、
製品2の個数(x2)が0個の場合、製品1の製造個数(x1)の上限は8個となり、
製品1の個数(x1)が0個の場合、製品2の製造個数(x2)の上限は5個となります。
上で決定した、製品1と製品2の数が6個と3個として、
販売利益が変化するのは製品1だけですので、
まず、x2が0個の場合、上で決定した利益と同じになるときの製品1の利益は
8x(2+ΔC)=6x(2+ΔC)+3×3 よりΔC=5/2
x1が0個の場合、上で決定した利益と同じになる時の製品1の利益は
5x3=6x(2+ΔC)+3×3 よりΔC=-1
以上より、上で決定した組み合わせの方が、利益が最も高くなる場合のΔCの範囲は、
-1≦ΔC≦5/2となります。
以上を正しく並べると、正解選択肢は5となります。
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02
製品1の個数をX、製品2の個数をYとした場合
原料Aの使用上限は24個ですから、
3X+2Y≦24・・・①が成り立ちます
一方原料Bの使用上限は15個ですから
X+3Y≦15・・・②になります。
①を3X+2Y=24・・・①’
②をX+3Y=15・・・②'
の一次関数とすると
①'と②'の連立方程式から
X=6、Y=3になります。
すなわち、製品1を6個、製品2を3個作ると1日当たりの
利益zは2X+3Y・・・③で表せますので
X=6、Y=3を代入して
z=2×6+3×3=21(百万円)になります。
(2)
製品1の販売利益がΔC変化する場合の利益zは
(2+ΔC)X+3Y・・・④で表します。
①'式と②'式を変形すると
①:Y=-3/2X+12・・・⑤
②:Y=-1/3X+5・・・⑥
式⑤より、製品2(Y)が0個の場合は、製品1(X)は上限8個まで製造できます。(⑦)
式⑥より、製品1(X)が0個の場合は、製品2(Y)は上限5個まで製造できます。(⑧)
製品1と製品2はそれぞれ(1)で決定した6個と3個のままで(⑨)
販売利益が変化するのは製品1だけですので、
⑦と⑨の利益が同じになるときの製品1の利益は
8×(2+ΔC)=6×(2+ΔC)+3×3 よりΔC=5/2
⑧と⑨の利益が同じになるときの製品2の利益は
5×3=6×(2+ΔC)+3×3 よりΔC=-1
製品1が6個、製品2が3個の組み合わせのほうが
利益が最も高くなるときのΔCの範囲は-1≦ΔC≦5/2となります。
したがって、x1=6, x2=3, −1≦Δc≦5/2
5が正解です。
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03
<正解>5
[解説]
生産計画に関する計算問題です。
(1)より
まず、製品1の1日当たりの生産量をX1kg、
製品2の1日当たりの生産個数をX2kgとした場合、
原料Aの1日の使用量の上限は、
24kgであることから、
3kg×X1kg+2kg×X2kg≦24kg
3X1+2X2≦24
となります。
また、原料Bの1日の使用量の上限は、
15kgであることから、
1kg×X1+3kg×X2≦15kg
X1+3X2≦15
となります。
いずれの原料も使用量上限まで使用することで
生産量を最大することができるため、
3X1+2X2=24・・・①
X1+3X2=15・・・②
として、X1とX2を求めると
X1=6
X2=3
となります。
なお、製品1と製品2の1日当たりの全体の利益は、
z = 2× X1 + 3 × X2
と表すことができます。
(2)より
製品1の販売利益がΔC[百万円/kg]変化する際の利益は、
z = (2+ΔC)× X1 + 3 × X2
と表すことができます。
ここで、(1)の①②式より、
製品2の生産量(X2)が0kgの場合、
製品1の生産量(X1)の上限は8kgとなり、
また、製品1の生産量(X1)が0kgの場合、
製品2の生産量(X2)の上限は5kgとなります。
ここで、製品1と製品2の生産量が6kgと3kgとした場合、
販売利益が変化するのは製品1のみであるため、
まず、X2が0kgの場合、
(1)で決定した利益と同じになるときの製品1の利益は、
8× (2+ΔC) =6×(2+ΔC)+3×3 より
ΔC=5/2
となります。
次にX1が0kgの場合、
(1)で決定した利益と同じになる時の製品1の利益は、
5×3≦6×(2+ΔC)+3×3 より
ΔC=-1
となります。
以上より、
上で決定した組み合わせの方が、
利益が最も高くなる場合のΔCの範囲は、
-1≦ΔC≦5/2となります。
よって、正解は、5となります。
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