技術士の過去問
令和2年度(2020年)
基礎科目「解析に関するもの」 問16
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問題
技術士 第一次試験 令和2年度(2020年) 基礎科目「解析に関するもの」 問16 (訂正依頼・報告はこちら)
有限要素法において三角形要素の剛性マトリクスを求める際、面積座標がしばしば用いられる。下図に示す△ABCの内部(辺上も含む)の任意の点Pの面積座標は、下記で表されるものとする。ここで、S、SA、SB、SCはそれぞれ、△ABC、△PBC、△PCA、△PABの面積である。△ABCの三辺の長さの比が、AB:BC:CA=3:4:5であるとき、△ABCの内心と外心の面積座標の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。
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この過去問の解説 (3件)
01
外心:三角形の三辺の垂直二等分線が交わる点を外心すなわち外心円の中心としたもので外心円は円の外周が三角形の三つの頂点と接します。
△ABCの三辺の長さの比が3:4:5で与えられているので、△ABCは直角三角形になります。
辺ABの長さを3、辺BCの長さを4、辺ACの長さを5とした場合∠ABCが直角になります。
△ABCの面積は、3×4÷2=6になります。
[内心の面積座標]
内心座標Pから△ABCの各辺に引いた垂直な線をr1とし、r1で区分したSA、SB、SCの面積は
SA=4×r1÷2
SB=5×r1÷2
SC=3×r1÷2
になります。
SA+SB+SC=△ABCの面積すなわちSになるため、
SA+SB+SC=6になり、r1は1になります。
改めてSA、SB、SCを計算すると
SA=4×1÷2=2
SB=5×1÷2=5/2
SC=3×1÷2=3/2
よって、内心の面積座標(SA/S、SB/S、SC/S)は
(1/3、5/12、1/4)になります。
[外心の面積座標]
直角三角形△ABCから形成する外接円の直径は△ABCの斜辺と等しい性質があることから外心は辺ACの中点に位置することになります。
したがって、SB=0になります。
SAとSCは三角形ABCの辺ACの中心から∠ABCに引いた線で分かれていますので、
底辺の長さが同じ(辺AC÷2)で、高さが同じなので、SA、SCそれぞれ面積は同じです。
△ABCの面積は6なので、SAとSCはそれぞれ3になります。
以上より、外心の面積座標(SA/S、SB/S、SC/S)は(1/2、0、1/2)になります。
したがって4が正解です。
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02
有限要素法の基本的な考え方を問う問題です。前提条件をよく読んで、丁寧に取り組んでいきましょう。
まず、内心とは、内心円の中心のことです。内心円とは、三角形のそれぞれの内角の二等分線が交わる点を中心とした円のことで、内心円はその外周が三角形の三辺と接することになります。
△ABCの三辺の長さの比は3:4:5とされていますので、△ABCは直角三角形であることがわかります。たとえば、辺ABの長さを3cm、辺BCの長さを4cm、辺ACの長さを5cmと仮定すると、角ABCが直角となり、△ABCの面積つまりSは3x4/2=6cm2となります。
[内心の面積座標]
内心Pから△ABCの各辺に引いた垂直な線の長さ(=内心円の直径)をrとすると、この線で分けたSA、SB、SCの面積は
SA=4xr /2 =2r
SB=5 x r /2=5/2r
SC=3 x r /2=3/2r
になります。
SA+SB+SC=△ABCの面積すなわちSになるため、
SA+SB+SC=2r+5/2r+3/2r=6rcm2になり、rの長さは1cmになります。
改めてSA、SB、SCを計算すると
SA=4x1/2 =2
SB=5 x 1/2=5/2
SC=3 x 1/2=3/2 となりますので、これをそれぞれ6で割って、
内心の面積座標(SA/S、SB/S、SC/S)は
(1/3、5/12、1/4)となります。
続いて、外心とは外心円の中心のことであり、外心円とは三角形の三辺の垂直二等分線が交わる点を中心とした円のことです。外心円は円の外周が三角形の三つの頂点と接することになります。
[外心の面積座標]
直角三角形△ABCの外接円の直径は△ABCの斜辺と等しい、という法則があることから、外心は辺ACの中点に位置することになります。
よって、△PCAは存在しないことになり、その面積SBは0cm2になります。
△PBCと△PABは△ABCの辺ACの中心から角ABCに引いた線で分かれています。
底辺の長さが同じ(辺AC/2)で、高さが同じなので、それぞれの面積であるSAとSCの値は等しくなります。
△ABCの面積は6cm2なので、SAとSCはそれぞれ3cm2になります。
よって、外心の面積座標(SA/S、SB/S、SC/S)は(1/2、0、1/2)となります。
以上より、選択肢4.が正しい組み合わせとなります。
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03
正解は4です。
まず、この三角形は各辺が3,4,5なので直角三角形です。そして面積はS=3×4÷2=6です。
すると角Bが直角になるはずですが、問題の図は明らかにそうなっておらず、長さ4の辺のほうが5よりも長く見えます。
従って、以下を考えるためには作図をし直してから解いたほうが良いです。
内心Pは内接円の中心であって、この半径をrとすると
(3r+4r+5r)/2=6
となり、r=1であることがわかります。
SA=△PBC=4×1÷2=2
SB=△PCA=5×1÷2=5/2
SC=△PAB=3×1÷2=3/2
それぞれS(=6)で割ると
(SA/S,SB/S,SC/S)=(1/3,5/12,1/4)
外心Pは外接円の中心に当たります。これは長さ5の辺の中心にあることがわかります。(直角三角形の長辺は直径であり中心が円の中心だから)
するとSBは存在しない(面積0)、SAとSCは等しく二等分線で区切られた三角形であるといえます。面積はもちろんそれぞれ2/6=3です。
従ってそれぞれSで割ると
(SA/S,SB/S,SC/S)=(3/6,0,3/6)=(1/2,0,1/2)
よって4が答えとなります。
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