技術士の過去問
令和2年度(2020年)
基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問19

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問題

技術士 第一次試験 令和2年度(2020年) 基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問19 (訂正依頼・報告はこちら)

次の有機化合物のうち、同じ質量の化合物を完全燃焼させたとき、二酸化炭素の生成量が最大となるものはどれか。ただし、分子式右側の(   )内の数値は、その化合物の分子量である。
  • メタン CH4(16)
  • エチレン C2H4(28)
  • エタン C2H6(30)
  • メタノール CH4O(32)
  • エタノール C2H6O(46)

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この過去問の解説 (3件)

01

完全燃焼の場合、必ず酸素O2と反応し、生成する物質は二酸化炭素CO2と水H2Oになります。

生成する二酸化炭素のモル数を比較します。

化合物①~⑤それぞれの質量を合わせるため、それぞれ1gと仮定すると、二酸化炭素の生成量は(1÷モル数)×二酸化炭素の係数 で算出できます。

①メタンCH4の場合は、Cがひとつ、Hが4つで構成されています。

CにO2がひとつでCO2が1つ、H4個につきO2が1つでH2Oが2つ生成します。

燃焼の反応式はCH4+2O2 → 2H2O+CO2になります。

生成される二酸化炭素の係数は1になりますので

二酸化炭素の生成量は 1÷16×1 = 1/16 になります。

同様に②~⑤を計算すると

②C2H4+3O2 → 2H2O+2CO2

二酸化炭素の生成量は 1÷28×2 = 1/14

③C2H6+7/2×O2 → 3H2O+2CO2

二酸化炭素の生成量は 1÷30×2 = 1/15

④CH4O+3/2×O2 → 2H2O+CO2

二酸化炭素の生成量は 1÷32×1 = 1/32

⑤C2H6O+3O2 → 3H2O+2CO2

二酸化炭素の生成量は 1÷46×2 = 1/23

②が最も生成量の数値が高いため、②が正解となります。

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02

有機化合物に関する基礎を問う問題です。技術士試験では頻出です。

まず、一つずつの化合物について、完全燃焼した際の反応式を書いてみましょう。

1. CH4+2O2→CO2+2H2O

2. C2H4+3O2→2CO2+2H2O

3. 2C2H6+7O2→4CO2+6H2O

4. 2CH4O+3O2→2CO2+4H2O

5. C2H6O+3O2→2CO2+3H2O

この各式を変形して、1分子あたり何分子の二酸化炭素が生成されるかを表すと

1. CH4+2O2→CO2+2H2O (そのまま)

2. C2H4+3O2→2CO2+2H2O (そのまま)

3. C2H6+7/2O2→2CO2+3H2O

4. CH4O+3/2O2→CO2+2H2O

5. C2H6O+3O2→2CO2+3H2O (そのまま)

有機化合物が1gずつあるとすると、それぞれのモル数は、

メタン 1/16 エチレン 1/28 エタン 1/30 メタノール 1/32 エタノール 1/46

となりますから、上の変形した各式のCO2の係数にそれぞれのモル数をかけると、生成するCO2のモル数が求まります。

1. 1/16x1=1/16

2. 1/28x2=1/14

3. 1/30x2=1/15

4. 1/32x1=1/32

5. 1/46x2=1/23

で、最大のモル数を持つのは2. のエチレンの場合ですので、

正解は2.となります。

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03

完全燃焼とは酸素O2を加えて水と二酸化炭素を生成することです。

従ってすべて

m(有機化合物)+nO2 → p CO2 + q H2O

という式にします。(左辺と右辺で分子が一緒になるよう、mnpqを揃えます)

その後、m=1になるようにnpqをmで割ります。

化合物のモル数×二酸化炭素の係数で「二酸化炭素の生成量」を求めます。

CH4+2O2→2H2O+CO2

よって1/16

C2H4+3O2→2H2O+2CO2

よって2/28=1/14

C3H6+2/7O2→3H2O+2CO2

よって2/30=1/15

CH4O+3/2O2→2H2O+CO2

よって1/32

⑤C2H6O+3O2→3H2O+2CO2

よって2/46=1/23

1/14が最大となるので2が正解となります

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