技術士の過去問
令和2年度(2020年)
基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問21
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問題
技術士 第一次試験 令和2年度(2020年) 基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問21 (訂正依頼・報告はこちら)
鉄、銅、アルミニウムの密度、電気抵抗率、融点について、次の(ア)~(オ)の大小関係の組合せとして、最も適切なものはどれか。ただし、密度及び電気抵抗率は20[℃]での値、融点は1気圧での値で比較するものとする。
(ア):鉄 > 銅 > アルミニウム
(イ):鉄 > アルミニウム > 銅
(ウ):銅 > 鉄 > アルミニウム
(エ):銅 > アルミニウム > 鉄
(オ):アルミニウム > 鉄 > 銅
(ア):鉄 > 銅 > アルミニウム
(イ):鉄 > アルミニウム > 銅
(ウ):銅 > 鉄 > アルミニウム
(エ):銅 > アルミニウム > 鉄
(オ):アルミニウム > 鉄 > 銅
- 密度:(ア) 電気抵抗率:(ウ) 融点:(オ)
- 密度:(ア) 電気抵抗率:(エ) 融点:(オ)
- 密度:(イ) 電気抵抗率:(エ) 融点:(ア)
- 密度:(ウ) 電気抵抗率:(イ) 融点:(ア)
- 密度:(ウ) 電気抵抗率:(イ) 融点:(オ)
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この過去問の解説 (3件)
01
金属材料の考え方の基盤となる、密度・電気抵抗率・融点に関する問題ですね。技術士試験ではよく取り扱われますので、解法をきちんと押さえておきましょう。
この問題では、まず、密度・電気抵抗率・融点それぞれについて、正しく並んでいるものを選択した上で、今度は、それぞれの正しいものを選択肢の順番どおりに並べる、という複雑な過程で正解を出していきますので、途中で間違えないよう、慎重に取り組みましょう。
20℃、1気圧下でのそれぞれの金属の密度、電気抵抗率、融点は次のようになります。
鉄 :7.87g/cm3、96.1 nΩ·m、1538℃
銅 :8.94g/cm3、16.8 nΩ·m、1085℃
アルミニウム:2.70g/cm3、28.2 nΩ·m、 660℃
ですから、
密度は 銅>鉄>アルミニウム の(ウ)
電気抵抗率は 鉄>アルミニウム>銅 の(イ)
融点は 鉄>銅>アルミニウム の(ア)
となり、これらを正しく並べて、正解選択肢は4. となります。
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02
正解は4です。
鉄、銅、アルミニウムの密度、電気抵抗率、融点は頻出ですが、日常生活でわかる範囲の以下の内容だけ理解しておけばだいたいどのパターンでも解けると思います。具体的な数値は覚えなくてよいと思います。
・銅は電気を通しやすい(アルミは結構通しやすい)
・アルミニウムはすぐ溶ける(鉄はなかなか溶けない)
・アルミニウムは軽い
この知識だけで考えると以下のようになります。
密度:アルミニウムが最小なアかウ →3ではない
抵抗:銅が最小なイかオ →1,2ではない
融点:アルミニウムが最小なアかウ →5ではないので4で確定
意外なのは以下だと思います。
・鉄より銅のほうが密度が大きい
・アルミより鉄のほうが抵抗率が高い(電気を通さない)
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03
密度は
銅:8.92g/cm3
鉄:7.87g/cm3
アルミニウム:2.7g/cm3
になりますので、銅>鉄>アルミニウムの順番に密度が高くなります。
電気抵抗率は
鉄:10×10^-8Ωm
アルミニウム:2.62×10^-8Ωm
銅:1.69×10^-8Ωm
になりますので、鉄>アルミニウム>銅の順番で電気抵抗率が高くなります。
融点は
鉄:1535℃
銅:1083.4℃
アルミニウム:660.4℃
になりますので、鉄>銅>アルミニウムの順番で融点が高くなります。
したがって、(ウ)(イ)(ア)の組み合わせが正しく、4が正解になります。
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