技術士の過去問
令和2年度(2020年)
適性科目 問41
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問題
技術士 第一次試験 令和2年度(2020年) 適性科目 問41 (訂正依頼・報告はこちら)
近年、我が国は急速な高齢化が進み、多くの高齢者が快適な社会生活を送るための対応が求められている。また、東京オリンピック・パラリンピックや大阪万博などの国際的なイベントが開催される予定があり、世界各国から多くの人々が日本を訪れることが予想される。これらの現状や今後の予定を考慮すると年齢、国籍、性別及び障害の有無などにとらわれず、快適に社会生活を送るための環境整備は重要である。その取組の一つとして、高齢者や障害者を対象としたバリアフリー化は活発に進められているが、バリアフリーは特別な対策であるため汎用性が低くなるので過剰な投資となることや、特別な対策を行うことで利用者に対する特別な意識が生まれる可能性があるなどの問題が指摘されている。バリアフリーの発想とは異なり、国籍、年齢、性別及び障害の有無などに関係なく全ての人が分け隔てなく使用できることを設計段階で考慮するユニバーサルデザインという考え方がある。ユニバーサルデザインは、1980年代に建築家でもあるノースカロライナ州立大学のロナルド・メイス教授により提唱され、我が国でも「ユニバーサルデザイン2020行動計画」をはじめ、交通設備をはじめとする社会インフラや、多くの生活用品にその考え方が取り入れられている。
以下の(ア)~(キ)に示す原則のうち、その主旨の異なるものの数はどれか。
(ア) 公平な利用(誰にでも公平に利用できること)
(イ) 利用における柔軟性(使う上での自由度が高いこと)
(ウ) 単純で直感に訴える利用法(簡単に直感的にわかる使用法となっていること)
(エ) 認知できる情報(必要な情報がすぐ理解できること)
(オ) エラーに対する寛大さ(うっかりミスや危険につながらないデザインであること)
(カ) 少ない身体的努力(無理な姿勢や強い力なしに楽に使用できること)
(キ) 接近や利用のためのサイズと空間(接近して使えるような寸法・空間となっている)
以下の(ア)~(キ)に示す原則のうち、その主旨の異なるものの数はどれか。
(ア) 公平な利用(誰にでも公平に利用できること)
(イ) 利用における柔軟性(使う上での自由度が高いこと)
(ウ) 単純で直感に訴える利用法(簡単に直感的にわかる使用法となっていること)
(エ) 認知できる情報(必要な情報がすぐ理解できること)
(オ) エラーに対する寛大さ(うっかりミスや危険につながらないデザインであること)
(カ) 少ない身体的努力(無理な姿勢や強い力なしに楽に使用できること)
(キ) 接近や利用のためのサイズと空間(接近して使えるような寸法・空間となっている)
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この過去問の解説 (3件)
01
「ユニバーサルデザイン」の主旨について問われている問題です。問題文中にもあるように、多様な人々が日本を訪れることを想定して、さまざまな製品・サービスにユニバーサルデザインを取り入れることが進められています。したがって、今後もこのような問題が出題されることは多くなるでしょう。
この問題では「主旨の異なるものの数」を問われているので、(ア)〜(キ)を丁寧に読んで判断します。ミスに気をつけて、まずは一つずつ判断していきましょう。
ユニバーサルデザインには、7つの原則があり、問題文中にもある、ユニバーサルデザインの提唱者ロナルド・メイス教授の設立した「ノースカロライナ州立大学ユニバーサルデザインセンター」のサイト内(https://projects.ncsu.edu/ncsu/design/cud/about_ud/udprinciplestext.htm)に記載されています。英語での記載ですが、一つずつ日本語に訳していきますと、
PRINCIPLE ONE: Equitable Use → 原則1. 公平な利用
PRINCIPLE TWO: Flexibility in Use → 原則2. 利用における柔軟性
PRINCIPLE THREE: Simple and Intuitive Use → 原則3. 単純で直感に訴える利用
PRINCIPLE FOUR: Perceptible Information → 原則4. 認知できる情報
PRINCIPLE FIVE: Tolerance for Error → 原則5. エラーに対する寛大さ
PRINCIPLE SIX: Low Physical Effort → 原則6. 少ない身体的努力
PRINCIPLE SEVEN: Size and Space for Approach and Use → 原則7. 接近や利用のためのサイズと空間
となります。これはそのまま、問題の項目(ア)〜(キ)に相当しますね。
したがって、(ア)〜(キ)の7つの項目は全て主旨に一致する、ということになりますので、不適切な項目はない、「0」、ということで正解選択肢は1.の「0」となります。
全ての項目が主旨と同じかどうか判断したら、最終的に数を数えるのを誤らないようにする点も注意です。また、「主旨の異なるものの数」という問いにも気をつけてください。
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02
[解説]
ユニバーサルデザインに関して、主旨が異なる原則の数を解答する問題です。
ユニバーサルデザインには、以下の7つの原則があります。
1)だれにでも公平に利用できること。
2)使う上で自由度が高いこと
3)使い方が簡単ですぐわかること。
4)必要な情報がすぐに理解できること。
5)うっかりミスや危険につながらないデザインであること。
6)無理な姿勢をとることがなく、少ない力でも楽に使用できること。
7)アクセスしやすいスペースと大きさを確保すること。
これらを踏まえると、
(ア)から(キ)は、すべてユニバーサルデザインの主旨に合致します。
よって、(ア)から(キ)の原則のうち主旨の異なるものの数は、0となり、
正解は、1となります。
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03
ユニバーサルデザインに関する問題です。
(ア)~(キ)に記載された内容はそれぞれ、ロナルド・メイスが提唱した「ユニバーサルデザイン」7原則によるものです。
全て正しい記載のため、不適切なものの数は0となり、選択肢1が正解になります。
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