技術士の過去問
令和2年度(2020年)
適性科目 問42

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問題

技術士 第一次試験 令和2年度(2020年) 適性科目 問42 (訂正依頼・報告はこちら)

「製品安全に関する事業者の社会的責任」は、IS0 26000(社会的責任に関する手引き)2.18にて、以下のとおり、企業を含む組織の社会的責任が定義されている。

組織の決定および活動が社会および環境に及ぼす影響に対して次のような透明かつ倫理的な行動を通じて組織が担う責任として、
 ―健康および社会の繁栄を含む持続可能な発展に貢献する
 ―ステークホルダー(利害関係者)の期待に配慮する
 ―関連法令を遵守し、国際行動規範と整合している
 ―その組織全体に統合され、その組織の関係の中で実践される

製品安全に関する社会的責任とは、製品の安全・安心を確保するための取組を実施し、さまざまなステークホルダー(利害関係者)の期待に応えることを指す。
以下に示す(ア)~(キ)の取組のうち、不適切なものの数はどれか。

(ア) 法令等を遵守した上でさらにリスクの低減を図ること
(イ) 消費者の期待を踏まえて製品安全基準を設定すること
(ウ) 製造物責任を負わないことに終始するのみならず製品事故の防止に努めること
(エ) 消費者を含むステークホルダー(利害関係者)とのコミュニケーションを強化して信頼関係を構築すること
(オ) 将来的な社会の安全性や社会的弱者にも配慮すること
(カ) 有事の際に迅速かつ適切に行動することにより被害拡大防止を図ること
(キ) 消費者の苦情や紛争解決のために、適切かつ容易な手段を提供すること
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この過去問の解説 (3件)

01

<正解>1

[解説]

製品安全に関する社会的責任としての

製品の安全・安心を確保するための取組に関して、

不適切なものの数を解答する問題です。

経済産業省の「製品安全に関する事業者ハンドブック」

が参考になります。

このハンドブックでは、製品安全に関する事業者の社会的責任として、

次の7つの項目が掲げられています。

1)法令等を遵守した上でさらにリスクの低減を図ること

2)消費者の期待を踏まえて製品安全基準を設定すること

3)製造物責任を負わないことに終始するのみならず製品事故の防止に努めること

4)消費者を含むステークホルダー(利害関係者)とのコミュニケーションを

  強化して信頼関係を構築すること

5)将来的な社会の安全性や社会的弱者にも配慮すること

6)有事の際に迅速かつ適切に行動することにより被害拡大防止を図ること

7)消費者の苦情や紛争解決のために、適切かつ容易な手段を提供すること

これらを踏まえると、

(ア)から(キ)は、すべて製品安全に関する事業者の社会的責任に係る取組に合致します。

よって、(ア)から(キ)のうち不適切なものの数は、0となり、

正解は、1となります。

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02

ISOのうち、社会的責任について定められたISO26000をもとに、製品安全に関して出題された問題ですね。各種技術に伴う社会的責任を正しく理解しておくことも、技術士としての大切な責務です。本出題内容は、経済産業省が発出している「製品安全に関する事業者ハンドブック」(https://www.meti.go.jp/product_safety/producer/jigyouhandbook.pdf)に記載の内容に基づいていますので、ご一読をおすすめします。
「適切なものの数」を問われているので、(ア)〜(キ)を丁寧に読んだ上で、適切かどうかを判断します。数文字の違いで意味が全く異なる文を用いた「引っ掛け問題」は、技術士試験に限らずあらゆる試験で多く出題されます。試験は時間との戦いでもありますが、スピードと同時に、正確さも重視して取り組みましょう。

(ア)〜(キ)の7つの項目は、実は、前述の資料の28ページ表1-1 「製品安全に関する事業者の社会的責任」の内容と完全に一致しています。
これらは、同資料27ページに記載された
-健康および社会の繁栄を含む持続可能な発展に貢献する
-ステークホルダーの期待に配慮する
-関連法令を順守し、国際行動規範と整合している
-その組織全体に統合され、その組織の関係の中で実践される
という責任を実践するための一例として紹介されています。

したがって、(ア)〜(キ)の7つの項目は全て適切、ということになりますので、不適切な項目はない、「0」、ということで正解選択肢は1.の「0」となります。
全ての項目を適切かそうでないか判断した上で、最終的に数を数えるのを誤らないようにも気をつけましょう。また、「不適切ものの数」という問いにも要注意です。

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03

製品安全に関する事業者の社会的責任に関する問題です。

(ア)~(キ)の記述は全て、経済産業省が発行した「製品安全に関する事業者ハンドブック」の第1章 表1-1「製品安全に関する事業者の社会的責任」に記載された内容で、全て正しいです。

したがって、不適切な記述は0になるため、1が正解になります。

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