技術士の過去問
令和2年度(2020年)
適性科目 問43
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問題
技術士 第一次試験 令和2年度(2020年) 適性科目 問43 (訂正依頼・報告はこちら)
労働者が情報通信技術を利用して行うテレワーク(事業場外勤務)は、業務を行う場所に応じて、労働者の自宅で業務を行う在宅勤務、労働者の属するメインのオフィス以外に設けられたオフィスを利用するサテライトオフィス勤務、ノートパソコンや携帯電話等を活用して臨機応変に選択した場所で業務を行うモバイル勤務に分類がされる。
いずれも、労働者が所属する事業場での勤務に比べて、働く時間や場所を柔軟に活用することが可能であり、通勤時間の短縮及びこれに伴う精神的・身体的負担の軽減等のメリットが有る。使用者にとっても、業務効率化による生産性の向上、育児・介護等を理由とした労働者の離職の防止や、遠隔地の優秀な人材の確保、オフィスコストの削減等のメリットが有る。
しかし、労働者にとっては、「仕事と仕事以外の切り分けが難しい」や「長時間労働になり易い」などが言われている。使用者にとっては、「情報セキュリテイの確保」や「労務管理の方法」など、検討すべき問題・課題も多い。
テレワークを行う場合、労働基準法の適用に関する留意点について(ア)~(エ)の記述のうち、正しいものは○、誤っているものは×として、最も適切な組合せはどれか。
(ア) 労働者がテレワークを行うことを予定している場合、使用者は、テレワークを行うことが可能な勤務場所を明示することが望ましい。
(イ) 労働時間は自己管理となるため、使用者は、テレワークを行う労働者の労働時間について、把握する責務はない。
(ウ) テレワーク中、労働者が労働から離れるいわゆる中抜け時間については、自由利用が保証されている場合、休憩時間や時間単位の有給休暇として扱うことが可能である。
(エ) 通勤や出張時の移動時間中のテレワークでは、使用者の明示又は黙示の指揮命令下で行われるものは労働時間に該当する。
いずれも、労働者が所属する事業場での勤務に比べて、働く時間や場所を柔軟に活用することが可能であり、通勤時間の短縮及びこれに伴う精神的・身体的負担の軽減等のメリットが有る。使用者にとっても、業務効率化による生産性の向上、育児・介護等を理由とした労働者の離職の防止や、遠隔地の優秀な人材の確保、オフィスコストの削減等のメリットが有る。
しかし、労働者にとっては、「仕事と仕事以外の切り分けが難しい」や「長時間労働になり易い」などが言われている。使用者にとっては、「情報セキュリテイの確保」や「労務管理の方法」など、検討すべき問題・課題も多い。
テレワークを行う場合、労働基準法の適用に関する留意点について(ア)~(エ)の記述のうち、正しいものは○、誤っているものは×として、最も適切な組合せはどれか。
(ア) 労働者がテレワークを行うことを予定している場合、使用者は、テレワークを行うことが可能な勤務場所を明示することが望ましい。
(イ) 労働時間は自己管理となるため、使用者は、テレワークを行う労働者の労働時間について、把握する責務はない。
(ウ) テレワーク中、労働者が労働から離れるいわゆる中抜け時間については、自由利用が保証されている場合、休憩時間や時間単位の有給休暇として扱うことが可能である。
(エ) 通勤や出張時の移動時間中のテレワークでは、使用者の明示又は黙示の指揮命令下で行われるものは労働時間に該当する。
- ア:○ イ:○ ウ:○ エ:○
- ア:○ イ:○ ウ:○ エ:×
- ア:○ イ:○ ウ:× エ:○
- ア:○ イ:× ウ:○ エ:○
- ア:× イ:○ ウ:○ エ:○
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この過去問の解説 (3件)
01
「働き方改革」の一つの手段として、また、昨今は新型コロナウイルス感染症に関連する話題でも特に頻繁に耳にするようになった「テレワーク」に関する問題ですね。今後も技術士試験では出題頻度が増えていくものと思われます。今回は、テレワークにおける労働基準法の適用に関する問題です。詳しくは、厚生労働省の発出した「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」(https://www.mhlw.go.jp/content/11911500/000683359.pdf)を一読されることをおすすめします。
このような、単なる正誤選択ではなく、「(ア)〜(エ)の正誤の組み合わせ」について、正しいものを一つ選ぶ、という問題形式は頻出です。このような場合は、まず、(ア)〜(エ)の項目を一つずつ丁寧に読み、正しいかどうか判断し、その後に組み合わせをきちんと書き出した上でその組み合わせと一致する選択肢を選ぶようにします。項目ごとの正誤判断ももちろん重要ですが、選択肢を選ぶ過程でもミスによる失点を起こしやすいので、慎重に解答していきましょう。
(ア)正しい項目となります。詳しくは、資料の6ページに記載があります。
(イ)誤りです。通常の労働時間制度に基づきテレワークを行う場合でも、使用者はその労働者の労働時間を適正に把握する責務を有します。詳しくは、資料の7ページに記載があります。
(ウ)正しいです。(イ)の労働時間の把握、とも関係してきますが、詳しくは、資料の8ページに記載があります。
(エ)正しいです。詳しくは、資料の9ページに記載があります。
以上より、正しく正誤を組み合わせて、正解選択肢は4.となります。
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02
<正解>4
[解説]
テレワークに関する労働基準法の適用に関する留意点の記述内容についての正誤の組み合わせ問題です。
厚生労働省の「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」が参考になります。(https://www.mhlw.go.jp/content/11911500/000683359.pdf)
(ア)から(エ)の記述内容の正誤は以下のとおりです。
(ア)正しい記述内容です。
ガイドラインでは、「自宅やサテライトオフィス等、
テレワークを行うことが可能である就業の場所を
明示することが望ましい。」
とされています。
よって、正しい記述内容です。
(イ)誤った記述内容です。
使用者は、テレワークを行う場合についても、
その労働者の労働時間について適正に把握する責務を有しています。
よって、誤った記述内容です。
(ウ)正しい記述内容です。
ガイドラインでは、
テレワーク中に、
労働者が労働から離れるいわゆる中抜け時間については、
使用者が業務の指示をしないこととし、
労働者が労働から離れ、
自由に利用することが保障されている場合、
休憩時間や時間単位の年次有給休暇として扱うことが可能
とされています。
よって、正しい記述内容です。
(エ)正しい記述内容です。
ガイドラインでは、
通勤時間や出張時の移動時間中に行うテレワークで、
使用者の明示又は黙示の指揮命令下で行われるものは、
労働時間に該当するとされています。
よって、正しい記述内容です。
これらを踏まえて、各選択肢を検討すると以下のとおりとなります。
1 (イ)が〇となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
2 (イ)が〇、(エ)が×、となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
3 (イ)が〇、(ウ)が×となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
4 (ア)から(エ)の全てが合致しているため、
適切な組み合わせとなります。
5 (ア)が×(イ)が〇となっているため、
不適切な組み合わせとなります。
よって、4が正解となります。
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03
テレワークに関する労働基準法の留意点に関する正誤問題です。
留意点については厚生労働省が発行した「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」に記されています。
(ア)記述の通り、正解(○)です。
(イ)労働者の健康確保の観点から、勤務状況を把握し、適切な労働時間管理を行う責務を有する必要があるため、誤り(×)です。
(ウ)記述の通り、正解(○)です。
(エ)記述の通り、正解(○)です。
したがって、4が正解となります。
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