技術士の過去問
令和3年度(2021年)
基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問20

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問題

技術士 第一次試験 令和3年度(2021年) 基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問20 (訂正依頼・報告はこちら)

次の化学反応のうち、酸化還元反応でないものはどれか。
  • 2Na +2H2O → 2NaOH + H2
  • NaClO +2HCl → NaCl + H2O + Cl2
  • 3H2+ N2 → 2NH3
  • 2NaCl + CaCO3 → Na2CO3+ CaCl2
  • NH3+202 → HNO3+ H2O

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

酸化還元反応の定義や見分け方はいくつかありますが、そのうちの一つに以下のようなものがあります。

「反応式に単体が含まれていれば酸化還元反応」

反応式上で単体は何らかの反応をしているから、ということですね。

これをもとに考えてみると

1 Naが反応しています。

2 Cl2が反応後に表れています

3 N2が反応しています。

4 単体がありません

5 O2が反応しています。

よって正解は4です。このほか酸化数を計算する方法などがあります。

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02

酸化還元反応に関する問題です。

選択肢1. 2Na +2H2O → 2NaOH + H2

主要な元素の酸化数に着目します。

 

Na:0→+1

選択肢2. NaClO +2HCl → NaCl + H2O + Cl2

Cl: +1と-1→-1と0

選択肢3. 3H2+ N2 → 2NH3

N:0→-3

選択肢4. 2NaCl + CaCO3 → Na2CO3+ CaCl2

どれも変化していません。

選択肢5. NH3+202 → HNO3+ H2O

O:0→−2

まとめ

酸化数に着目します。

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03

酸化還元反応に関する出題です。色々な方法があるかもしれませんが、高校化学で習う酸化数の変化をそれぞれ計算する方法がオーソドックスでしょう。

 

酸化数の求め方は以下のルールを満たすようにすることです。

①単体中の原子については、酸化数を 0 
例えば、水素H2のHやナトリウムNaは、 0 になります。

 

化合物中のHは+1、Oは-2
例えば、水H2OのHは +1 、Oは -2 になります。

 

③電荷をもたない化合物全体での酸化数の総和は0
例えば、塩化水素HClの場合、Hは +1 、HCl全体は 0 です。

 

化学反応式において右、左のいずれかの物質の酸化数が変化していれば酸化還元反応です。

選択肢1. 2Na +2H2O → 2NaOH + H2

たとえばNaは0⇒+1となっているので変化しており、酸化還元反応であることがわかります。

選択肢2. NaClO +2HCl → NaCl + H2O + Cl2

HClのCl: +1と-1→-1と0に変化しているので酸化還元反応です。

ちなみにNaClOのClも+1です。

4つ目のルールとして、電荷をもつ場合は酸化数と電荷は一致します。次亜塩素酸イオンClOは電荷が-1であり、Clの酸化数は-1です。


 

選択肢3. 3H2+ N2 → 2NH3

N:0→-3に変化しているので酸化還元反応です。

選択肢4. 2NaCl + CaCO3 → Na2CO3+ CaCl2

Naは+1,Clは-1,Caは+2,Oは-2,Cは+5でどれも変化していません。

選択肢5. NH3+202 → HNO3+ H2O

O:0→−2に変化しているので酸化還元反応です。HNO3のOも酸化数は-2です。

まとめ

酸化数の計算方法をよく練習するようにしましょう。

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