技術士の過去問
令和3年度(2021年)
基礎科目「環境・エネルギー・技術に関するもの」 問26

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

技術士 第一次試験 令和3年度(2021年) 基礎科目「環境・エネルギー・技術に関するもの」 問26 (訂正依頼・報告はこちら)

環境保全のための対策技術に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • ごみ焼却施設におけるダイオキシン類対策においては、炉内の温度管理や滞留時間確保等による完全燃焼、及びダイオキシン類の再合成を防ぐために排ガスを200°C以下に急冷するなどが有効である。
  • 屋上緑化や壁面緑化は、建物表面温度の上昇を抑えることで気温上昇を抑制するとともに、居室内への熱の侵入を低減し、空調エネルギー消費を削減することができる。
  • 産業廃棄物の管理型処分場では、環境保全対策として遮水工や浸出水処理設備を設けることなどが義務付けられている。
  • 掘削せずに土壌の汚染物質を除去する「原位置浄化」技術には化学的作用や生物学的作用等を用いた様々な技術があるが、実際に土壌汚染対策法に基づいて実施された対策措置においては掘削除去の実績が多い状況である。
  • 下水処理の工程は一次処理から三次処理に分類できるが、活性汚泥法などによる生物処理は一般的に一次処理に分類される。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

正解は5です。

こちらも環境に関する知識問題になっています。

1:正しい

「800℃、燃焼滞留時間2秒以上」といった条件で燃焼し、燃焼後は「200℃以下に急冷すること」となっています(ダイオキシン類特別対策措置法)

2:正しい

東京都では一定以上の敷地面積をもつ施設を対象に新設ビルに対し屋上緑化を義務付けています

3:正しい

廃棄物処理法によって文中のとおり、管理型処分場に進出水処理施設を設けることを義務付けています。

4:正しい

原位置浄化とは掘削除去せずに、土壌ガスや薬剤などを利用して有害物質を原位置で浄化する方法ですが、施工期間が長くかかるなどのデメリットがあるため、現在は掘削除去の実績のほうが多いということです。

5.誤り

下水処理の工程は以下です

一次処理…沈殿分離、浮上分離など、固形物の物理的除去

二次処理…取り除けなかった汚水中の有機物を微生物の働きによって除去

三次処理…さらに残った窒素、リン、難分解性物質を薬剤などで除去

従って、文中の説明は二次処理のものなため誤りです。

参考になった数47

02

環境保全対策に関する問題です。

選択肢1. ごみ焼却施設におけるダイオキシン類対策においては、炉内の温度管理や滞留時間確保等による完全燃焼、及びダイオキシン類の再合成を防ぐために排ガスを200°C以下に急冷するなどが有効である。

ダイオキシン類特別対策措置法の焼却施設の維持管理基準では、

・燃焼ガスを800℃以上に保つことなどによる完全燃焼の確保
・燃焼ガスを200℃以下に急速に冷却することなどによる適正な排ガス処理

などが規定されています。

選択肢2. 屋上緑化や壁面緑化は、建物表面温度の上昇を抑えることで気温上昇を抑制するとともに、居室内への熱の侵入を低減し、空調エネルギー消費を削減することができる。

選択肢の通りです。

選択肢3. 産業廃棄物の管理型処分場では、環境保全対策として遮水工や浸出水処理設備を設けることなどが義務付けられている。

選択肢の通りです。浸出水が地下水汚染することを防止し、浸出水を処理して無害化の上、放出することが義務付けられています。

選択肢4. 掘削せずに土壌の汚染物質を除去する「原位置浄化」技術には化学的作用や生物学的作用等を用いた様々な技術があるが、実際に土壌汚染対策法に基づいて実施された対策措置においては掘削除去の実績が多い状況である。

位置浄化は、土壌汚染が発生した位置で浄化を行うもので、要措置区域などで区域外への搬出が規制されている場合に使用しますが、時間もお金もかかりますので、掘削除去が多いです。

選択肢5. 下水処理の工程は一次処理から三次処理に分類できるが、活性汚泥法などによる生物処理は一般的に一次処理に分類される。

一次処理は沈殿などの物理的除去であり、生物処理は二次処理です。不適切です。

まとめ

環境対策技術は、環境アセスメントなどで重要な項目です。

参考になった数4