技術士の過去問
令和3年度(2021年)
適性科目 問34

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問題

技術士 第一次試験 令和3年度(2021年) 適性科目 問34 (訂正依頼・報告はこちら)

安全保障貿易管理(輸出管理)は、先進国が保有する高度な貨物や技術が、大量破壊兵器等の開発や製造等に関与している懸念国やテロリスト等の懸念組織に渡ることを未然に防ぐため、国際的な枠組みの下、各国が協調して実施している。近年、安全保障環境は一層深刻になるとともに、人的交流の拡大や事業の国際化の進展等により、従来にも増して安全保障貿易管理の重要性が高まっている。大企業や大学、研究機関のみならず、中小企業も例外ではなく、業として輸出等を行う者は、法令を遵守し適切に輸出管理を行わなければならない。輸出管理を適切に実施することにより、法令違反の未然防止はもとより、懸念取引等に巻き込まれるリスクも低減する。
輸出管理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  • α大学の大学院生は、ドローンの輸出に関して学内手続をせずに、発送した。
  • α大学の大学院生は、ロボットのデモンストレーションを実施するためにA国β大学に輸出しようとするロボットに、リスト規制に該当する角速度・加速度センサーが内蔵されているため、学内手続の申請を行いセンサーが主要な要素になっていないことを確認した。その結果、規制に該当しないものと判断されたので、輸出を行った。
  • α大学の大学院生は、学会発表及びB国γ研究所と共同研究の可能性を探るための非公開の情報を用いた情報交換を実施することを目的とした外国出張の申請書を作成した。申請書の業務内容欄には「学会発表及び研究概要打合せ」と記載した。研究概要打合せは、輸出管理上の判定欄に「公知」と記載した。
  • α大学の大学院生は、C国において地質調査を実施する計画を立てており、「赤外線カメラ」をハンドキャリーする予定としていた。この大学院生は、過去に学会発表でC国に渡航した経験があるので、直前に海外渡航申請の提出をした。
  • α大学の大学院生は、自作した測定装置は大学の輸出管理の対象にならないと考え、輸出管理手続をせずに海外に持ち出すことにした。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は2です。

この問題は少しだけ引っ掛け問題です。

α大学の大学院生は、ロボットのデモンストレーションを実施するためにA国B大学に輸出しようとするロボットに、リスト規制に該当する角速度・加速度センサーが内蔵されているため、学内手続の申請を行いセンサーが主要な要素になっていないことを確認した。その結果、規制に該当しないものと判断されたので、輸出を行った。

のとおり規制に該当しないと判断しているので2はOKとなります。

1:ドローンは輸出規制の対象なので不適切です。

3:「非公開の情報を用いた情報交換を実施することを目的」は「公知」でないので不適切です。

4:直前では間に合わないので不適切です。

5:自作した測定装置は大学の輸出管理の対象にならない…ということはないので不適切です

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02

輸出管理に関する問題です。順当に考えればわかるかと思います。

選択肢1. α大学の大学院生は、ドローンの輸出に関して学内手続をせずに、発送した。

学内手続きをしなくてよいということは決してありません。不適切です。

選択肢2. α大学の大学院生は、ロボットのデモンストレーションを実施するためにA国β大学に輸出しようとするロボットに、リスト規制に該当する角速度・加速度センサーが内蔵されているため、学内手続の申請を行いセンサーが主要な要素になっていないことを確認した。その結果、規制に該当しないものと判断されたので、輸出を行った。

確認をしたので、適切です。

選択肢3. α大学の大学院生は、学会発表及びB国γ研究所と共同研究の可能性を探るための非公開の情報を用いた情報交換を実施することを目的とした外国出張の申請書を作成した。申請書の業務内容欄には「学会発表及び研究概要打合せ」と記載した。研究概要打合せは、輸出管理上の判定欄に「公知」と記載した。

公知ではないので、不適切です。

選択肢4. α大学の大学院生は、C国において地質調査を実施する計画を立てており、「赤外線カメラ」をハンドキャリーする予定としていた。この大学院生は、過去に学会発表でC国に渡航した経験があるので、直前に海外渡航申請の提出をした。

経験に頼るのは危険です。不適切です。

選択肢5. α大学の大学院生は、自作した測定装置は大学の輸出管理の対象にならないと考え、輸出管理手続をせずに海外に持ち出すことにした。

勝手に対象外だと考えず、必要な管理手続きを行うべきです。不適切です。

まとめ

倫理的に正しい判断を持っていればわかるかと思います。

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