技術士の過去問
令和3年度(2021年)
適性科目 問40

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問題

技術士 第一次試験 令和3年度(2021年) 適性科目 問40 (訂正依頼・報告はこちら)

多くの国際安全規格は、ISO/IEC Guide51(JIS Z8051)に示された「規格に安全側面(安全に関する規定)を導入するためのガイドライン」に基づいて作成されている。このGuide51には「設計段階で取られるリスク低減の方策」として以下が提示されている。
・「ステップ1」: 本質的安全設計
・「ステップ2」: ガード及び保護装置
・「ステップ3」: 使用上の情報(警告、取扱説明書など)
次の(ア)〜(カ)の記述のうち、このガイドラインが推奨する行動として、あきらかに誤っているものの数を選べ。

(ア)ある商業ビルのメインエントランスに設置する回転ドアを設計する際に、施工主の要求仕様である「重厚感のある意匠」を優先して、リスク低減に有効な「軽量設計」は採用せずに、インターロックによる制御安全機能、及び警告表示でリスク軽減を達成させた。
(イ)建設作業用重機の本質的安全設計案が、リスクアセスメントの検討結果、リスク低減策として的確と評価された。しかし、僅かに計画予算を超えたことから、ALARPの考え方を導入し、その設計案の一部を採用しないで、代わりに保護装置の追加、及び警告表示と取扱説明書を充実させた。
(ウ)ある海外工場から充電式掃除機を他国へ輸出したが、「警告」の表示は、明白で、読みやすく、容易で消えなく、かつ、理解しやすいものとした。また、その表記は、製造国の公用語だけでなく、輸出であることから国際的にも判るように、英語も併記した。
(エ)介護ロボットを製造販売したが、「警告」には、警告を無視した場合の、製品のハザード、そのハザードによってもたらされる危害、及びその結果について判りやすく記載した。
(オ)ドラム式洗濯乾燥機を製造販売したが、「取扱説明書」には、使用者が適切な意思決定ができるように、必要な情報をわかり易く記載した。また、万一の製品の誤使用を回避する方法も記載した。
(カ)エレベータを製造販売したが「取扱説明書」に推奨されるメンテナンス方法について記載した。ここで、メンテナンスの実施は納入先の顧客(使用者)が主体で行う場合もあるため、その作業者の訓練又は個人用保護具の必要性についても記載した。
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この過去問の解説 (2件)

01

順番に見ていきます。

 

ア:誤り

意匠(見た目)を優先して安全を犠牲にしているので誤りです

イ:誤り

コストを優先して安全を犠牲にしているので誤りです。

ウ:誤り

ある国に輸出しているので、公用語だけでなく輸出国の母国語の表記が必要です。

エ:正しい

人命にかかわる場合「警告」を記載します。

オ:正しい

とくに責められる記述は見受けられません

カ:正しい

同じく、とくに責められる記述は見受けられません。

 

従って、誤っているものは3つとなります。

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02

技術士としては必ず身に着けておくべき問題となります

(設計の基本的な考え方について)。

また国際安全規格の内容も、

他のISO規格と同様に技術上重要なガイドラインです。

ア~カの記述の正誤については、以下のとおりです。

ア:本質的安全設計としては、この場合は軽量設計採用の方が大切です(間違い)

イ:公共環境の場で使用される建設作業用重機は該当しません(間違い)

ウ:輸出国での公用語で記載される必要があります(間違い)

エ:警告について一般的に記載します(正しい)

オ:取扱説明書の記載として問題ありません(正しい)

カ:オと同様です(正しい)

選択肢3. 3

不正解の個数は3ですから、本選択肢が正解です。

まとめ

基本的な問題となりますので、一度整理して覚えておく必要があります。

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