技術士の過去問
令和3年度(2021年)
適性科目 問42

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

技術士 第一次試験 令和3年度(2021年) 適性科目 問42 (訂正依頼・報告はこちら)

技術者にとって労働者の安全衛生を確保することは重要な使命の1つである。労働安全衛生法は「職場における労働者の安全と健康を確保」するとともに、「快適な職場環境を形成」する目的で制定されたものである。次に示す安全と衛生に関する(ア)〜(キ)の記述のうち、適切なものの数を選べ。

(ア)総合的かつ計画的な安全衛生対策を推進するためには、目的達成の手段方法として「労働災害防止のための危害防止基準の確立」「責任体制の明確化」「自主的活動の促進の措置」などがある。
(イ)労働災害の原因は、設備、原材料、環境などの「不安全な状態」と、労働者の「不安全な行動」に分けることができ、災害防止には不安全な状態・不安全な行動を無くす対策を講じることが重要である。
(ウ)ハインリッヒの法則では、「人間が起こした330件の災害のうち、1件の重い災害があったとすると、29回の軽傷、傷害のない事故を300回起こしている」とされる。29の軽傷の要因を無くすことで重い災害を無くすことができる。
(エ)ヒヤリハット活動は、作業中に「ヒヤっとした」「ハッとした」危険有害情報を活用する災害防止活動である。情報は、朝礼などの機会に報告するようにし、「情報提供内を責めない」職場ルールでの実施が基本となる。
(オ)安全の4S活動は、職場の安全と労働者の健康を守り、そして生産性の向上を目指す活動として、整理(Seiri)、整頓(Seiton)、清掃(Seisou)、しつけ(Shituke)がある。
(カ)安全データシート(SDS:Safety Data Sheet)は、化学物質の危険有害性情報を記載した文書のことであり、化学物質及び化学物質を含む製品の使用者は、危険有害性を把握し、リスクアセスメントを実施し、労働者へ周知しなければならない。
(キ)労働衛生の健康管理とは、労働者の健康状態を把握し管理することで、事業者には健康診断の実施が義務づけられている。一定規模以上の事業者は、健康診断の結果を行政機関へ提出しなければならない。
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

正解は3の「正しいものは5つ」です

ぱっと常識でも判断できそうですが、ここでは文献にのっとってみていきます。

ア:正しい

労働安全衛生法第一条 この法律は、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)と相まつて、労働災害の防止のための危害防止基準の確立責任体制の明確化及び自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的計画的な対策を推進することにより職場における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的とする。

そのまま書いてありますね。

イ:正しい

厚生労働省の労働災害をなくすために資料に記載があります。

https://jsite.mhlw.go.jp/fukui-roudoukyoku/content/contents/000813670.pdf

ウ:誤り

ハインリッヒの法則の誤解としてよく言われることです。重傷者をへらすのではなく、無傷も含めてそもそも事故が起きてしまっているので、事故そのものをなくす、へらす努力をしましょう。

エ:正しい

厚生労働省の資料にあります。まさに「君の不注意だ」と怒ってはいけないというイラストが記載されていますね。

https://jsite.mhlw.go.jp/hyogo-roudoukyoku/var/rev0/0045/8117/hiyarihat.pdf

オ:誤り

4Sとした場合は整理、整頓、清潔、清掃です。5Sとした場合、これにしつけが加わります。

https://anzeninfo.mhlw.go.jp/yougo/yougo61_1.html

したがって、そんなに的外れでもないのですが、ここでは誤りとなります。

カ:正しい

NITEの資料に労働者の周知に関する言及があります。

https://www.nite.go.jp/chem/ghs/pdf/ghs_training_content3.pdf

キ:正しい

労働安全衛生法66乗に基づき、健康診断を実施する必要があります。

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000103900.pdf

参考になった数43