技術士 過去問
令和4年度(2022年)
問28 (基礎科目「環境・エネルギー・技術に関するもの」 問4)

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問題

技術士 第一次試験 令和4年度(2022年) 問28(基礎科目「環境・エネルギー・技術に関するもの」 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

水素に関する次の記述の、(   )に入る数値及び語句の組合せとして、適切なものはどれか。

水素は燃焼後に水になるため、クリーンな二次エネルギーとして注目されている。水素の性質として、常温では気体であるが、1気圧の下で、( ア )℃まで冷やすと液体になる。液体水素になると、常温の水素ガスに比べてその体積は約( イ )になる。また、水素と酸素が反応すると熱が発生するが、その発熱量は( ウ )当たりの発熱量でみるとガソリンの発熱量よりも大きい。そして、水素を利用することで、鉄鉱石を還元して鉄に変えることもできる。コークスを使って鉄鉱石を還元する場合は二酸化炭素(CO2)が発生するが、水素を使って鉄鉱石を還元する場合は、コークスを使う場合と比較してCO2発生量の削減が可能である。なお、水素と鉄鉱石の反応は( エ )反応となる。
  • ア:−162  イ:1/600  ウ:重量  エ:吸熱
  • ア:−162  イ:1/800  ウ:重量  エ:発熱
  • ア:−253  イ:1/600  ウ:体積  エ:発熱
  • ア:−253  イ:1/800  ウ:体積  エ:発熱
  • ア:−253  イ:1/800  ウ:重量  エ:吸熱

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この過去問の解説 (3件)

01

今後重要となる、水素エネルギーに関する基本的な問題となります。

水素は、−253℃まで冷却すると液体となり、1/800の体積となります(液体水素専用の運搬船などに活用)。また発熱時は、ガソリンより発熱量で有利です。

なお水素と鉄鉱石の反応は吸熱反応となります。

選択肢5. ア:−253  イ:1/800  ウ:重量  エ:吸熱

本選択肢が正解です。

まとめ

水素運搬船や水素還元製鉄などは、今後の展開が期待されており、本問題のような基礎出題が今後増えるものと予想されます。

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02

水素に関する問題です。

(-253℃)まで冷やすと液体になる。

液体水素の体積は(1/800)になる。

(重量)あたりの発熱量はガソリンよりも大きい。

水素と鉄鉱石の反応は(吸熱)反応となる。

選択肢5. ア:−253  イ:1/800  ウ:重量  エ:吸熱

以上より、本選択肢が正解です。

まとめ

水素に関する問題は、頻出です。

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03

ア:水素が液体になる温度(−253℃)

水素は常温・常圧で気体ですが、液体になるには非常に低温が必要です。

1気圧下では、水素は約 −253℃ で液体になります。

−162℃ は液化天然ガス(LNG)が液体になる温度であり、水素には該当しません。

 

イ:液体水素の体積の縮小率(1/800)

液体水素は常温の水素ガスに比べて 約1/800 に体積が縮小します。

1/600 は他の気体(例: LNGなど)に近い数値ですが、水素の場合は 1/800 です。

 

ウ:発熱量の比較単位(重量)

水素の発熱量は、ガソリンと比べると重量当たりでは非常に大きいですが、体積当たりでは小さくなります。

この問題では重量当たりの発熱量が問われているため、適切な単位は 重量 です。

 

エ:水素を使った鉄鉱石還元反応の種類(吸熱反応)

水素を利用して鉄鉱石を還元する反応は、エネルギーを吸収する 吸熱反応 です。

コークスを使用した場合の還元反応は発熱反応ですが、水素の場合は吸熱反応となる点が異なります。

選択肢5. ア:−253  イ:1/800  ウ:重量  エ:吸熱

適切です。

水素による鉄鉱石の還元が吸熱反応であることと、コークスを使う場合との違いを理解しておくと、エネルギー問題に強くなります。

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