技術士の過去問
令和5年度(2023年)
基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問2

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問題

技術士 第一次試験 令和5年度(2023年) 基礎科目「材料・化学・バイオに関するもの」 問2 (訂正依頼・報告はこちら)

コロイドに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  • コロイド溶液に少量の電解質を加えると、疎水コロイドの粒子が集合して沈殿する現象を凝析という。
  • 半透膜を用いてコロイド粒子と小さい分子を分離する操作を透析という。
  • コロイド溶液に強い光線をあてたとき、光の通路が明るく見える現象をチンダル現象という。
  • コロイド溶液に直流電圧をかけたとき、電荷をもったコロイド粒子が移動する現象を電気泳動という。
  • 流動性のない固体状態のコロイドをゾルという。

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この過去問の解説 (3件)

01

コロイドに関する出題です。コロイドはが微小な液滴あるいは微粒子が気体・液体・固体に分散している状態を指します。目に一粒一粒は見えないが濁っているのは分かるぐらいのものを想像するのがいいと思います。

選択肢1. コロイド溶液に少量の電解質を加えると、疎水コロイドの粒子が集合して沈殿する現象を凝析という。

コロイド溶液に少量の電解質を加えると、疎水コロイドの粒子が集合して沈殿する現象を凝析という。

正しい記述です。コロイド粒子は正か負に帯電しています。電解質を少量加えることで電解質のイオンがコロイドと結びつき、コロイドが固まって沈殿します。これは疎水コロイドでおこり凝析といいます。よく似た現象に親水コロイドが多量の電解質によって親和水が失われ、沈殿をおこす現象を塩析といいます。

選択肢2. 半透膜を用いてコロイド粒子と小さい分子を分離する操作を透析という。

半透膜を用いてコロイド粒子と小さい分子を分離する操作を透析という

正しい記述です。透析はコロイドのような相対的に大きい粒子が通過できない半透膜によって糖分やイオンなど比較的小さいものとわけることをいいます。

選択肢3. コロイド溶液に強い光線をあてたとき、光の通路が明るく見える現象をチンダル現象という。

コロイド溶液に強い光線をあてたとき、光の通路が明るく見える現象をチンダル現象という。

正しい記述です。チンダル現象は微小な粒子によって光が散乱され、光の通路が光って見える現象です。レイリー散乱によって引き起こされていると説明できます。

選択肢4. コロイド溶液に直流電圧をかけたとき、電荷をもったコロイド粒子が移動する現象を電気泳動という。

コロイド溶液に直流電圧をかけたとき、電荷をもったコロイド粒子が移動する現象を電気泳動という。

正しい記述です。コロイドは正または負の電荷をもっているので電圧をかけたときに移動します。

選択肢5. 流動性のない固体状態のコロイドをゾルという。

流動性のない固体状態のコロイドをゾルという。

流動性のないコロイドはゲルといいますので本選択肢は×です。この選択肢が正解です。

乾燥材として用いられているシリカゲルなどを例に考えるとわかるでしょうか。ゾルの例としてはコロナで話題になったエアロゾルなどがあります。

まとめ

コロイドに関する出題でした。仮に知らなかったとしても諦めずに身近な例も考えながらなんとか回答しましょう。

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02

コロイドに関する問題です。

選択肢5. 流動性のない固体状態のコロイドをゾルという。

不適切です。

流動性のあるコロイドがゾルであり、流動性のないコロイドはゲルです。

まとめ

コロイドに関する問題でした。

参考になった数6

03

元素の問題より、やや高度ですが、基本的なコロイド現象や電気泳動への理解があれば容易な問題です。

選択肢5. 流動性のない固体状態のコロイドをゾルという。

本選択肢が正解です。

まとめ

コロイド現象や電気泳動についても知識を整理しておく必要があります。

参考になった数2