技術士の過去問
令和5年度(2023年)
適性科目 問3
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問題
技術士 第一次試験 令和5年度(2023年) 適性科目 問3 (訂正依頼・報告はこちら)
国民生活の安全・安心を損なう不祥事は、事業者内部からの通報をきっかけに明らかになることも少なくない。
こうした不祥事による国民への被害拡大を防止するために通報する行為は、正当な行為として事業者による解雇等の不利益な取扱いから保護されるべきものである。
公益通報者保護法は、このような観点から、通報者がどこへどのような内容の通報を行えば保護されるのかという制度的なルールを明確にしたものである。
2022年に改正された公益通報者保護法では、事業者に対し通報の受付や調査などを担当する従業員を指定する義務、事業者内部の公益通報に適切に対応する体制を整備する義務等が新たに規定されている公益通報者保護法に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。
こうした不祥事による国民への被害拡大を防止するために通報する行為は、正当な行為として事業者による解雇等の不利益な取扱いから保護されるべきものである。
公益通報者保護法は、このような観点から、通報者がどこへどのような内容の通報を行えば保護されるのかという制度的なルールを明確にしたものである。
2022年に改正された公益通報者保護法では、事業者に対し通報の受付や調査などを担当する従業員を指定する義務、事業者内部の公益通報に適切に対応する体制を整備する義務等が新たに規定されている公益通報者保護法に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。
- 通報の対象となる法律は、すべての法律が対象ではなく、「国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法律」として公益通報者保護法や政令で定められている。
- 公務員は、国家公務員法、地方公務員法が適用されるため、通報の主体の適用範囲からは除外されている。
- 公益通報者が労働者の場合、公益通報をしたことを理由として事業者が公益通報者に対して行った解雇は無効となり、不利益な取り扱いをすることも禁止されている。
- 不利益な取扱いとは、降格、減給、自宅待機命令、給与上の差別、退職の強要、専ら雑務に従事させること、退職金の減額没収等が該当する。
- 事業者は、公益通報によって損害を受けたことを理由として、公益通報者に対して賠償を請求することはできない。
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この過去問の解説 (2件)
01
内部通報制度に関する出題です。2022年に改正されしばらく出題が増加することが予想されます。
通報の対象となる法律は、すべての法律が対象ではなく、「国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法律」として公益通報者保護法や政令で定められている。
正しい記述です。刑法や食品衛生法、建築基準法、労働基準法など、「国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる」およそ500本の法律の違反のうち、刑事罰の対象となる行為です。これに加えて、改正後は行政罰につながる違反行為も対象になりました。
公務員は、国家公務員法、地方公務員法が適用されるため、通報の主体の適用範囲からは除外されている。
誤った記述であり、本選択肢が正解です。公益通報の主体となるのは、労働者・退職者・役員です。労働者とは、労働基準法(昭和22年法律第49号)第9条に規定する労働者のことをいいます。正社員、派遣労働者、アルバイト、パートタイマーなどのほか、公務員も含まれます。
公益通報者が労働者の場合、公益通報をしたことを理由として事業者が公益通報者に対して行った解雇は無効となり、不利益な取り扱いをすることも禁止されている。
正しい記述です。公益通報をしたことを理由として、事業者が公益通報者に対して行った解雇、および公益通報をしたことを理由として、事業者が公益通報者に対して行った解雇以外の不利益な取扱いをすることも禁止されます。
なお、公益通報者が役員の場合、公益通報をしたことを理由とした解任は無効とはなりませんが、公益通報者は解任によって生じた損害の賠償を請求することができます。
不利益な取扱いとは、降格、減給、自宅待機命令、給与上の差別、退職の強要、専ら雑務に従事させること、退職金の減額没収等が該当する。
正しい記述です。不利益な取り扱いにはこれらが含まれます。
事業者は、公益通報によって損害を受けたことを理由として、公益通報者に対して賠償を請求することはできない。
正しい記述です。損害賠償請求の制限(法第7条)に記載されています。
内部通報制度に関する出題でした。本事項もキーワードと出題場所は決まっておりますので経験が大事です。
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02
内部通報制度に関する問題で、こちらも身に付けおくべき知識となります。
公務員も適用されますので、不適切です。従って、本選択肢が正解です。
社会人としても身に付けおくべき知識といえるでしょう。
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