宅地建物取引士の過去問
平成23年度(2011年)
法令制限 問22
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問題
宅建試験 平成23年度(2011年) 法令制限 問22 (訂正依頼・報告はこちら)
農地法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 相続により農地を取得する場合は、法第3条第1項の許可を要しないが、遺産の分割により農地を取得する場合は、同項の許可を受ける必要がある。
- 競売により市街化調整区域内にある農地を取得する場合は、法第3条第1項又は法第5条第1項の許可を受ける必要はない。
- 農業者が、自らの養畜の事業のための畜舎を建設する目的で、市街化調整区域内にある150平方メートルの農地を購入する場合は、第5条第1項の許可を受ける必要がある。
- 市街化区域内にある農地を取得して住宅を建設する場合は、工事完了後遅滞なく農業委員会に届け出れば、法第5条第1項の許可を受ける必要はない。
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この過去問の解説 (4件)
01
相続や遺産分割により農地を取得する場合には法第3条第1項の許可を必要としません。
2.誤
競売により農地を取得する場合には法第3条第1項又は法第5条第1項の許可を受ける必要があります。
3.正
農業者が、自らの養畜の事業のための畜舎を建設する目的で農地を購入する場合は、第5条第1項の許可を受ける必要があります。なお農地法第4条では2アール未満の農地を農業用施設に転用する場合には許可を受ける必要がないという例外規定があります。
4.誤
工事完了後遅滞なく農業委員会に届け出れば、法第5条第1項の許可を受ける必要はないという規定はありません。あらかじめ農業委員会に届け出をすれば許可を受ける必要はありません。
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02
2.競売により市街化調整区域内にある農地を取得する場合は、法第3条第1項又は法第5条第1項の許可を受ける必要があります。
3.文章の通りです。農業者が、自らの養畜の事業のための畜舎を建設する目的で、市街化調整区域内にある150平方メートルの農地を購入する場合は、第5条第1項の許可を受ける必要があります。
4.届出は工事完了後ではなく、あらかじめしなくてはなりません。
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03
1. 誤
(農地法 第3条1項 十二号)
農地又は採草放牧地について所有権を移転し、又は地上権、永小作権、質権、使用貸借による権利、賃借権若しくはその他の使用及び収益を目的とする権利を設定し、若しくは移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が農業委員会の許可を受けなければならない。
ただし、次の各号のいずれかに該当する場合及び第5条第1項本文に規定する場合は、この限りでない。
十二 遺産の分割、民法 第768条第2項(同法 第749条及び第771条において準用する場合を含む。)の規定による財産の分与に関する裁判若しくは調停又は同法 第958条の3の規定による相続財産の分与に関する裁判によってこれらの権利が設定され、又は移転される場合
本肢では、遺産の分割により農地を取得する場合は、3条1項の許可を受ける必要はありません。
2. 誤
(農地法 第3条ただし書き、第5条ただし書き)
本肢では、3条でも5条でもただし書きの「次の各号のいずれか」に該当しないので、競売により市街化調整区域内にある農地を取得する場合は、第3条若しくは第5条の許可が必要です。
3. 正
(農地法 第5条1項)
農地を農地以外のものにするため又は採草放牧地を採草放牧地以外のもの(農地を除く。)にするため、これらの土地について第三条第一項本文に掲げる権利を設定し、又は移転する場合には、政令で定めるところにより、当事者が都道府県知事の許可(これらの権利を取得する者が同一の事業の目的に供するため四ヘクタールを超える農地又はその農地と併せて採草放牧地について権利を取得する場合(地域整備法の定めるところに従ってこれらの権利を取得する場合で政令で定める要件に該当するものを除く。)には、農林水産大臣の許可)を受けなければならない。
本肢では、条文通り、農地を農地以外に転用する場合は、第5条1項の許可を受ける必要があります。
4. 誤
(農地法 第5条1項 六号)
前条第1項第七号に規定する市街化区域内にある農地又は採草放牧地につき、政令で定めるところによりあらかじめ農業委員会に届け出て、農地及び採草放牧地以外のものにするためこれらの権利を取得する場合
本肢では、農業委員会への届出を出す時期が「工事完了後」となっているので、誤りです。
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04
農地法5条1項の許可に関しては、1号から5号までに許可が不要な場合を規定しています。これに、市街化調整区域内にある150㎡農地を購入する場合は含まれません。したがって、設問の場合は許可が必要です。
1.農地法第3条第1項13号で、遺産分割により農地を取得する場合には、農地法第3条第1項の許可が不要であることが規定されています。しかし、同法には、相続により農地を取得する場合には、農地法第3条第1項の許可を受けることが不要だとは規定されていません。
2.農地法第3条第1項、農地法第5条第1項の許可に関して、競売による農地の取得の場合には、それらの許可が不要であるとは規定されていません。したがって、競売によって農地を取得した場合には、それらの許可が必要です。
4.農地法第5条第1項6号参照。工事後遅滞なくではなくあらかじめ農業委員会に届ければ、農地法第5条第1項の許可を受ける必要はありません。
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