宅地建物取引士の過去問
平成21年度(2009年)
権利関係 問10
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問題
宅建試験 平成21年度(2009年) 権利関係 問10 (訂正依頼・報告はこちら)
Aを売主、Bを買主として甲土地の売買契約を締結した場合における次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
- A所有の甲土地にAが気付かなかった瑕疵 (かし) があり、その瑕疵については、Bも瑕疵であることに気づいておらず、かつ、気付かなかったことにつき過失がないような場合には、Aは瑕疵担保責任を負う必要はない。
- BがAに解約手付を交付している場合、Aが契約の履行に着手していない場合であっても、Bが自ら履行に着手していれば、Bは手付を放棄して売買契約を解除することができない。
- 甲土地がAの所有地ではなく、他人の所有地であった場合には、AB間の売買契約は無効である。
- A所有の甲土地に抵当権の登記があり、Bが当該土地の抵当権消滅請求をした場合には、Bは当該請求の手続が終わるまで、Aに対して売買代金の支払を拒むことができる。
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この過去問の解説 (3件)
01
1:民法第570条に売り主の瑕疵担保責任が記載されており、条文には、「売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、買主がこれを知らず、かつそのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる」とあります。今回のケースでは、無過失責任であり、売主Aは瑕疵について知らなかった場合でも、責任を負う必要があります。
2:民法の第557条の第一項には、「買主が売主に手付を交付したときは、当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる」とあります。自分が履行に着手したとしても、手付の解除が不可能になるということではありません。
3:民法の第560条では、他人の権利の売買における売主の義務について述べており、そこには「他人の権利を売買の目的としたとき、売主はその権利を取得して買主に移転する義務を負う」とあります。売主は買主に対して、権利を取得して買主に移転する義務があるため、契約は有効になります。
4:抵当権の消滅請求は民法の第379条にあり、抵当不動産の第三取得者は、抵当権消滅請求をすることができるとあります。そして、その手続きが完了するまでは代金の支払を拒否することができます。
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02
2.✖解約手付の放棄による解除は、自分が契約の履行に着手していても、相手方がその履行に着手していなければ、可能です。
3.✖他人所有物を売買の対象としても、契約は有効です。
4.〇瑕疵担保責任についても同時履行の抗弁権が認められます。したがって、Bは、抵当権消滅請求手続きが終わるまで、Aに対して土地代金の支払いを拒むことができます。
したがって、正解は4です。
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03
2.手付による解除ができなくなるのは、契約相手が契約の履行に着手した後です。
3.他人の所有地でも売買契約は有効です。
4.文章の通りです。Bは、抵当権消滅請求の手続が終わるまで、代金の支払を拒むことができます。
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