宅地建物取引士の過去問
平成27年度(2015年)
権利関係 問1

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この過去問の解説 (2件)

01

1.規定されていない
本肢の記述は、次回の民法改正における改正点であり、現行法では規定されていません。
現行法の規定では、生命又は身体の侵害による損害賠償請求権について、一般的な不法行為とは時効期間を別にするという規定は存在しないため、改正により新設される条文となります(724条の2)。
なお、現行法での不法行為に対する損害賠償請求権の消滅時効期間は、損害及び加害者を知ったときから3年、債務不履行に基づく場合は5年(又は10年)とされています。

2.規定されていない
本肢の記述も、次回の民法改正における改正点です。
現行法では、保証契約については「書面」で行うこととされてるのですが、「公正証書」でなければならないとされているわけではありません。
※「事業用定期借地権については公正証書で契約しなければならない」ということと混同しないように注意しましょう。

3.規定されていない
本肢の記述も、次回の民法改正における改正点です。
現行民法では、債務引受(債務者が交代すること)についての明文規定はありません。
なお、「併存的債務引受」とは、今までの債務者に加えて第三者を新たに債務者として追加する(連帯債務者とほぼ同じ存在とする)ものです。
この「併存的債務引受」については、債務者と新たな債務者の間での合意により成立するものとする判例があります。

4.規定されている
本肢の記述は、民法418条に規定されており、「過失相殺」と呼ばれるものです。
損害賠償を請求する側の債権者にも過失があった場合には、損害賠償額が減額される、というようなものです。
なお、今後の民法改正において、この民法418条は
「債務の不履行又はこれによる損害の発生若しくは拡大に関して」
と改められる予定ですが、これは現行法の一般的に浸透している解釈を明文化したものにすぎません。

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02

正解は【4】になります。

1:規定はありません
→ 民法の167条1項より、債権の時効期間については10年になっており、債務の不履行に基づく人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権の場合であっても同様になるため、選択肢の20年ではなく規定に明示されていないことになります。

2:規定はありません
→ 民法第446条の2項より、書面でなければ効力を生じないことになっていますが、その内容に関して、事業のために負担した貸金債務を主たる債務とする保証契約の場合でも公正証書でなければならないことはありません。

3:規定はありません
→ まず併存的債務引受というのは、債務を引受人が引き継ぐ契約のことであり、最初から存在する債務も引き続ぐことになります。またこの規定に関しては、民法の中で確立された条文がそもそも存在しないため、判例を基にしたものになります。

4:規定されている
→ 民法の第418条より、債務の不履行に関して債権者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の責任及びその額を定めるとあり、過失相殺の説明になります。そのためこの選択肢は規定が存在するため、本問の正解となります。

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