宅地建物取引士の過去問
令和2年度12月実施分(2020年)
宅建業法 問42
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
宅建試験 令和2年度12月実施分(2020年) 宅建業法 問42 (訂正依頼・報告はこちら)
宅地建物取引業法第35条に規定する重要事項の説明に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、説明の相手方は宅地建物取引業者ではないものとする。
- 地域における歴史的風致の維持及び向上に関する法律第12条第1項により指定された歴史的風致形成建造物である建物の売買の媒介を行う場合、その増築をするときは市町村長への届出が必要である旨を説明しなくてもよい。
- 既存の建物の売買の媒介を行う場合、当該建物の建築確認済証がなくなっているときは、その旨を説明すればよい。
- 区分所有建物の売買の媒介を行う場合、一棟の建物の維持修繕の実施状況が記録されているときは、その内容を説明しなければならない。
- 建物の貸借の媒介を行う場合、台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況について、説明しなければならない。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (3件)
01
正解は1です。
宅建業法35条の重要事項説明とは早い話、契約締結の前に、宅建業者と取引をする相手方が知っておかないと困る情報を説明しておくものです。
本件のように建物の売買で、建物の増築に制限がかかっていることを相手方が知らないと、建物を購入しても自由に使えないわけですから、相手方が知っておかないと困る情報であることは察しがつくと思います。
従って、このような情報は重要事項説明の対象となることから(宅建業法35条1項二号)、説明しなくともよいとする選択肢1は誤りです。
2:正しいです。
既存建物について、「設計図書、点検記録その他の建物の建築及び維持保全の状況に関する書類・・・の保存の状況」(宅建業法35条1項六の二号ロ)は重要事項説明の対象となるとされていますが、これはたとえば建築確認済証や検査済証の存否などが当てはまります。
存否が問題となっているので、なくなっているときはその旨を説明すればいいのです。
3:区分所有建物の売買の媒介を行う場合、一棟の建物の維持修繕の実施状況が記録されているときは、その内容を説明しなければならないため、選択肢3は正しいです。
さらにいえば、この説明は区分所有建物の売買や交換の場合にのみ問題となり。貸借の場合には説明は不要です。
4:建物の貸借の媒介を行う場合、台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況について、説明しなければならないので、この選択肢も正しいです。
さらにいえば、この説明は建物の貸借の場合にのみ問題となり、売買・交換の場合には説明は不要です。
参考になった数19
この解説の修正を提案する
02
【問1.×】
「歴史的風致形成建造物」とは市町村長が指定する、歴史的に価値のある建物等のことです。
これらの建物については増築・移転・改築等一定の行為を行う場合には
一定の事項を市町村長への届出が必要です。(建物の売買の場合)
買主が購入した後に、一定の行為を行おうとした時に
そんなの知らなかった!!等となると困りますよね。
そうならない為にも法令上の制限として
重要事項にて説明しなければなりません。
2.〇
既存住宅の場合「建物の建築及び維持保全の状況に関する書類の保存の状況」については
重要事項について説明しなければなりません。(建物の売買の場合)
建築確認済証については有るのか、無いのか、無い場合については
「無」という記載と説明が必要です。
3.〇
「一棟の建物の維持修繕の実施状況が記録されているときは、その内容」については
区分所有建物の売買の場合は説明事項となっております。
4.〇
「台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況」については
建物の貸借の場合の重要事項説明義務となっております。
IHのキッチンがついている、追い炊き機能が付いた浴槽等
どんな設備がついているのか、については
重要事項にて説明しなければなりません。
参考になった数6
この解説の修正を提案する
03
正解は1です。
宅地建物取引業法第35条とは「物件の案内や説明の際に行う重要事項の説明」のことです。
これは契約前に消費者に取引内容を正しく理解させ、未然にトラブルを防止するために行われる説明です。
この説明は契約が成立する前に行う必要があり、行うのは宅建取引士(専任でなくてもOK)です。
相手が宅建業者の場合、説明は不要で書面の交付のみで大丈夫です。
歴史的風致形成建造物とは歴史的価値のある建築物のことで、重要無形文化財や重要無形民俗文化財のために使われている建造物などです。
歴史まちづくり法15条1項本文によると、歴史的風致形成建造物の増築、改築、移転又は除却をしようとする場合は原則として30日前までに市町村長に届け出る必要があります。
そのため歴史的風致形成建造物の指定を受けている建物を取引する場合は、そのことを説明する必要があります。
2正しい
「建築確認済証」とは対象物件の建築確認が済んでいることを証明する書類のことです。
既に立っている建物の売買をする場合、「設計図書、点検記録その他の建物の建築及び維持保全の状況に関する書類で国土交通省令で定めるものの保存の状況」が重要事項とされています。
書類の保存状況が重要事項であり、紛失してしまった場合は35条書面に「無」と記載すればOKです。
3正しい
区分所有建物とはマンションなど独立して住居、店舗、事務所などとして使う事の出来る複数の部分から構成された建物のことです。
部分一つ一つが独立し、壁などで完全に遮断されている必要があります。
区分所有建物を売買する場合、維持修繕の実施状況が記録されていれば、その内容は重要事項となります。
4正しい
建物の貸借契約を結ぶ場合、「台所、浴室、便所その他の当該建物の設備の整備の状況」を説明する必要があります。
参考になった数6
この解説の修正を提案する
前の問題(問41)へ
令和2年度12月実施分(2020年)問題一覧
次の問題(問43)へ