宅地建物取引士の過去問
令和4年度(2022年)
法令制限 問3

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問題

宅建試験 令和4年度(2022年) 法令制限 問3 (訂正依頼・報告はこちら)

建築基準法(以下この問において「法」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  • 法の改正により、現に存する建築物が改正後の法の規定に適合しなくなった場合には、当該建築物は違反建築物となり、速やかに改正後の法の規定に適合させなければならない。
  • 延べ面積が500m2を超える建築物について、大規模な修繕をしようとする場合、都市計画区域外であれば建築確認を受ける必要はない。
  • 地方公共団体は、条例で、建築物の敷地、構造又は建築設備に関して安全上、防火上又は衛生上必要な制限を附加することができる。
  • 地方公共団体が、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定した場合には、災害危険区域内における住居の用に供する建築物の建築は一律に禁止されることとなる。

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この過去問の解説 (3件)

01

都市計画法、建築基準法は覚えなければならない点が多くて大変です。

毎日少しでも触れておくといいかもしれません。

選択肢1. 法の改正により、現に存する建築物が改正後の法の規定に適合しなくなった場合には、当該建築物は違反建築物となり、速やかに改正後の法の規定に適合させなければならない。

誤り

いわゆる既存不適格建築物です。さすがにこれを違法建築とするわけにはいかないので特別な配慮がされています。

(適用の除外)

第三条 

2 この法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用の際現に存する建築物若しくはその敷地又は現に建築、修繕若しくは模様替の工事中の建築物若しくはその敷地が

これらの規定に適合せず、又はこれらの規定に適合しない部分を有する場合においては、当該建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分に対しては、当該規定は、適用しない。

選択肢2. 延べ面積が500m2を超える建築物について、大規模な修繕をしようとする場合、都市計画区域外であれば建築確認を受ける必要はない。

誤り

延べ面積が500㎡を超える建築物は、そのまま大規模建築物です。

大規模な修繕をしようとする場合、区域がどこだろうと建築確認を受ける必要があります(法6条)

選択肢3. 地方公共団体は、条例で、建築物の敷地、構造又は建築設備に関して安全上、防火上又は衛生上必要な制限を附加することができる。

正しい

設問の通りです。これも地方自治の一環です。

※附加のみならず、国土交通大臣の承認を得て緩和もできますが、41条ただし書きに注意が必要です。

(地方公共団体の条例による制限の附加)

第四十条 地方公共団体は、その地方の気候若しくは風土の特殊性又は特殊建築物の用途若しくは規模に因り、この章の規定又はこれに基く命令の規定のみによつては建築物の安全、防火又は衛生の目的を充分に達し難いと認める場合においては、

条例で、建築物の敷地、構造又は建築設備に関して安全上、防火上又は衛生上必要な制限を附加することができる。

(市町村の条例による制限の緩和)

第四十一条 第六条第一項第四号の区域外においては、市町村は、土地の状況により必要と認める場合においては、国土交通大臣の承認を得て、

条例で、区域を限り、第十九条、第二十一条、第二十八条、第二十九条及び第三十六条の規定の全部若しくは一部を適用せず、又はこれらの規定による制限を緩和することができる。ただし、第六条第一項第一号及び第三号の建築物については、この限りでない。

選択肢4. 地方公共団体が、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定した場合には、災害危険区域内における住居の用に供する建築物の建築は一律に禁止されることとなる。

誤り

地方公共団体は、災害防止上必要なものは条例で制限をかけることができます。

しかし、災害区域に指定されたからと一律に何かが禁止されるものではありません。

(災害危険区域)

第三十九条 地方公共団体は、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定することができる。

2 災害危険区域内における住居の用に供する建築物の建築の禁止その他建築物の建築に関する制限で災害防止上必要なものは、前項の条例で定める。

まとめ

建築基準法も基本部分を確実に覚えることが必要です

未知の肢は仕方がないので切り替えましょう。

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02

建築基準法の問題です。

建築するための規則やルールは日常にも役立ちますので、是非覚えておきましょう。

選択肢1. 法の改正により、現に存する建築物が改正後の法の規定に適合しなくなった場合には、当該建築物は違反建築物となり、速やかに改正後の法の規定に適合させなければならない。

法の改正により、違反建築物となっても改正後の建築基準法の規定に適合する必要はなく、違法とはなりません。

法の改正前に法の規定に適合していたため、違法とはなりません。

従って、誤りです。

選択肢2. 延べ面積が500m2を超える建築物について、大規模な修繕をしようとする場合、都市計画区域外であれば建築確認を受ける必要はない。

延べ面積が500m2を超える建築物については、大規模建築物となります。

大規模建築物は建築確認が区域を問わず必要となります。

従って、誤りです。

選択肢3. 地方公共団体は、条例で、建築物の敷地、構造又は建築設備に関して安全上、防火上又は衛生上必要な制限を附加することができる。

正しいです。

地方公共団体は、条例で、制限を附加することにより、より厳しい制限にすることが可能です。

選択肢4. 地方公共団体が、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定した場合には、災害危険区域内における住居の用に供する建築物の建築は一律に禁止されることとなる。

一律に禁止されることとなるという箇所が誤っています。

必要に応じて、条例で禁止されます。

従って、誤りです。

まとめ

建築基準法の問題は毎年2問程、出題されます。細かい数字や覚えることが多いですが、正確に覚えて得点源にしましょう。

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03

建築基準法の問題です。

実務の重要事項説明書を作成するときにも重要なところです。

選択肢1. 法の改正により、現に存する建築物が改正後の法の規定に適合しなくなった場合には、当該建築物は違反建築物となり、速やかに改正後の法の規定に適合させなければならない。

建築基準法の適用が除外されるものに「既存不適格建築物」があります。

既に建っている建物に関しては、改正後に適合しなくなっても違反建築物となりません。

改正される度に建替えしてると、とんでもないです。

 

よって、この選択肢は誤りです。

選択肢2. 延べ面積が500m2を超える建築物について、大規模な修繕をしようとする場合、都市計画区域外であれば建築確認を受ける必要はない。

大規模な修繕で、建築確認を受ける必要があるのは、①特殊建築物(床面積200㎡超)②大規模建築物があります。

この選択肢の内容が、これに該当するのかどうかです。

 

特殊建築物かどうかは、書いていませんので不明です。

大規模建築物とは、面積要件だけでいうと「木造建築 延べ床500㎡超」「木造以外 延べ床200㎡超」となります。

 

この選択肢には500㎡超とありますので、大規模建築物となります。

 

よって、この選択肢は誤りです。

選択肢3. 地方公共団体は、条例で、建築物の敷地、構造又は建築設備に関して安全上、防火上又は衛生上必要な制限を附加することができる。

地方公共団体は、建築基準法必要な制限を附加することができます。

建築基準法は全国共通ですが、その地域によって特性があるため、必要なことはプラスで制限できます。

 

よって、この選択肢は正しいです。

選択肢4. 地方公共団体が、条例で、津波、高潮、出水等による危険の著しい区域を災害危険区域として指定した場合には、災害危険区域内における住居の用に供する建築物の建築は一律に禁止されることとなる。

災害危険区域における建築物の制限は、条例によって決められます。

一律に禁止していません。

 

よって、この選択肢は誤りです。

まとめ

暗記には、過去問題を周回するのはもちろんですが、語呂合わせなどを使って楽しく覚えていきましょう。

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