宅地建物取引士の過去問
令和4年度(2022年)
法令制限 問4

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問題

宅建試験 令和4年度(2022年) 法令制限 問4 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、建築基準法(以下この問において「法」という。)の規定によれば、正しいものはどれか。
  • 第一種低層住居専用地域内においては、神社、寺院、教会を建築することはできない。
  • その敷地内に一定の空地を有し、かつ、その敷地面積が一定規模以上である建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、その建蔽率、容積率及び各部分の高さについて総合的な配慮がなされていることにより市街地の環境の整備改善に資すると認めて許可したものの建蔽率、容積率又は各部分の高さは、その許可の範囲内において、関係規定による限度を超えるものとすることができる。
  • 法第3章の規定が適用されるに至った際、現に建築物が立ち並んでいる幅員1.8m未満の道で、あらかじめ、建築審査会の同意を得て特定行政庁が指定したものは、同章の規定における道路とみなされる。
  • 第一種住居地域内においては、建築物の高さは、10m又は12mのうち当該地域に関する都市計画において定められた建築物の高さの限度を超えてはならない。

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この過去問の解説 (3件)

01

様々な個所から出題される問いです。

初出も多く答えにくいのは仕方がありません。

選択肢1. 第一種低層住居専用地域内においては、神社、寺院、教会を建築することはできない。

誤り

用途規制は覚えるしかありません。

神社仏閣、派出所保育園診療所はどこでも建てられます。

選択肢2. その敷地内に一定の空地を有し、かつ、その敷地面積が一定規模以上である建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、その建蔽率、容積率及び各部分の高さについて総合的な配慮がなされていることにより市街地の環境の整備改善に資すると認めて許可したものの建蔽率、容積率又は各部分の高さは、その許可の範囲内において、関係規定による限度を超えるものとすることができる。

誤り

設問は総合設計制度と呼称される制度です(法59条の2)

概要

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/seido/kisei/59-2sogo.html

「容積率及び各部分の高さ」は緩和できますが、「建蔽率」は含まれていません。

選択肢3. 法第3章の規定が適用されるに至った際、現に建築物が立ち並んでいる幅員1.8m未満の道で、あらかじめ、建築審査会の同意を得て特定行政庁が指定したものは、同章の規定における道路とみなされる。

正しい

道路の定義は法によって異なります。

幅員4メートル未満の道も、特定行政庁が指定したものは建築基準法上の道路となります(建築基準法42条2項)

いわゆるみなし道路、2項道路と呼称されるものです。

その道が幅員1.8メートル未満の場合、特定行政庁は、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならなりません。

建築基準法42条

6 特定行政庁は、第二項の規定により幅員一・八メートル未満の道を指定する場合又は第三項の規定により別に水平距離を指定する場合においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない。

選択肢4. 第一種住居地域内においては、建築物の高さは、10m又は12mのうち当該地域に関する都市計画において定められた建築物の高さの限度を超えてはならない。

誤り

設問は絶対高さ制限と呼称される制限のことです。

この高さ制限は第1種低層住居専用地域と第2種低層住居専用地域、田園住居地域内に指定されます。

第一種住居地域内は、斜線制限などの高さ制限がある場合もありますが、この55条の高さ制限は受けません。

(第一種低層住居専用地域等内における建築物の高さの限度)

第五十五条 第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域又は田園住居地域内においては、建築物の高さは、十メートル又は十二メートルのうち当該地域に関する都市計画において定められた建築物の高さの限度を超えてはならない。

まとめ

悩む選択肢と基本選択肢が入り混じっています。

こういう問題は増えると思いますので絶対に基本は押さえておきたいです。

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02

建築基準法の問題です。比較的短時間で覚えられる内容なので得点源にしましょう。

選択肢1. 第一種低層住居専用地域内においては、神社、寺院、教会を建築することはできない。

神社、寺院、教会はすべての用途地域内において建築することが可能です。

従って、誤りです。

選択肢2. その敷地内に一定の空地を有し、かつ、その敷地面積が一定規模以上である建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、その建蔽率、容積率及び各部分の高さについて総合的な配慮がなされていることにより市街地の環境の整備改善に資すると認めて許可したものの建蔽率、容積率又は各部分の高さは、その許可の範囲内において、関係規定による限度を超えるものとすることができる。

建蔽率は法定の限度を超えるものとすることができません。

従って、誤りです。

選択肢3. 法第3章の規定が適用されるに至った際、現に建築物が立ち並んでいる幅員1.8m未満の道で、あらかじめ、建築審査会の同意を得て特定行政庁が指定したものは、同章の規定における道路とみなされる。

幅員4m未満の道路で、特定行政庁が指定したものは道路とみなされます。

また、幅員1.8m未満の道では建築審査会の同意が必要です。

従って、正しいです。

選択肢4. 第一種住居地域内においては、建築物の高さは、10m又は12mのうち当該地域に関する都市計画において定められた建築物の高さの限度を超えてはならない。

第一種住居地域内において高さ制限の規定はありません。

高さ制限の規定が適用されるのは第一種低層住居専用地域・第二種低層住居専用地域、田園住居地域になります。

従って、誤りです。

まとめ

それぞれの地域における制限は必ず覚えておき、得点源にしましょう。

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03

建築基準法に関する問題です。

用途制限や道路、建築物の高さなど、とても重要なところになります。

 

選択肢1. 第一種低層住居専用地域内においては、神社、寺院、教会を建築することはできない。

「神社」「寺院」「教会」は、どの用途地域でも建築できます。

 

よって、この選択肢は誤りです。

選択肢2. その敷地内に一定の空地を有し、かつ、その敷地面積が一定規模以上である建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつ、その建蔽率、容積率及び各部分の高さについて総合的な配慮がなされていることにより市街地の環境の整備改善に資すると認めて許可したものの建蔽率、容積率又は各部分の高さは、その許可の範囲内において、関係規定による限度を超えるものとすることができる。

「容積率」「斜線制限」「絶対高さ制限」の緩和はありますが、建蔽率の緩和はありません。

 

よって、この選択肢は誤りです。

選択肢3. 法第3章の規定が適用されるに至った際、現に建築物が立ち並んでいる幅員1.8m未満の道で、あらかじめ、建築審査会の同意を得て特定行政庁が指定したものは、同章の規定における道路とみなされる。

原則は、幅員4m以上の道路に2m以上接道していないと家は建てられません。

しかし建物が既に建っていた場合、幅員が4m未満でも建築基準法の道路となります。

これを「42条2項道路」といいます。

 

42条2項道路のうち、幅員1.8m未満の道路は、建築審査会の同意が必要となります。

 

よって、この選択肢は正しいです。

選択肢4. 第一種住居地域内においては、建築物の高さは、10m又は12mのうち当該地域に関する都市計画において定められた建築物の高さの限度を超えてはならない。

建築物の高さの上限(絶対高さ制限)は、第一種低層住居専用地域、第一種低層住居専用地域、田園住居地域です。

 

第一種住居地域は、適用されません。

 

よって、この選択肢は誤りです。

まとめ

どのテキストにも、おそらく用途地域ごとに建築できる建物の表があると思います。

全部を覚えるのは難しいと思いますので、過去問を周回してよく出るところは最低でも覚えましょう。

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