宅地建物取引士の過去問
令和4年度(2022年)
宅建業法 問7

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問題

宅建試験 令和4年度(2022年) 宅建業法 問7 (訂正依頼・報告はこちら)

宅地建物取引業法第37条の規定により交付すべき書面(以下この問において「37条書面」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  • 宅地建物取引業者である売主Aは、宅地建物取引業者であるBの媒介により、宅地建物取引業者ではないCと宅地の売買契約を令和4年4月1日に締結した。AとBが共同で作成した37条書面にBの宅地建物取引士の記名押印がなされていれば、Aは37条書面にAの宅地建物取引士をして記名押印をさせる必要はない。
  • 宅地建物取引士は、37条書面を交付する際、買主から請求があったときは、宅地建物取引士証を提示しなければならない。
  • 宅地建物取引業者である売主Dと宅地建物取引業者ではないEとの建物の売買契約においで、手付金の保全措置を講ずる場合、Dはその保全措置の概要を、重要事項説明書に記載し説明する必要があるが、37条書面には記載する必要はない。
  • 宅地建物取引業者である売主と宅地建物取引業者ではない個人との建物の売買において、建物の品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任について特約を定めたときは、37条書面にその内容を記載しなければならない。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題で覚えておくべきポイントは37条書面に記載すべき内容を正確に理解することです。

選択肢1. 宅地建物取引業者である売主Aは、宅地建物取引業者であるBの媒介により、宅地建物取引業者ではないCと宅地の売買契約を令和4年4月1日に締結した。AとBが共同で作成した37条書面にBの宅地建物取引士の記名押印がなされていれば、Aは37条書面にAの宅地建物取引士をして記名押印をさせる必要はない。

AとBが共同で作成した37条書面にBの宅地建物取引士の記名押印がなされている場合でも、Aは37条書面にAの宅地建物取引士をして記名押印をさせる必要があります。

従って、誤りです。

選択肢2. 宅地建物取引士は、37条書面を交付する際、買主から請求があったときは、宅地建物取引士証を提示しなければならない。

問題文の通りです。

買主から請求があったときには宅地建物取引士証を掲示しなければなりません。

従って、正しいです。

選択肢3. 宅地建物取引業者である売主Dと宅地建物取引業者ではないEとの建物の売買契約においで、手付金の保全措置を講ずる場合、Dはその保全措置の概要を、重要事項説明書に記載し説明する必要があるが、37条書面には記載する必要はない。

手付金の保全措置について問題文の通りです。

従って、正しいです。

選択肢4. 宅地建物取引業者である売主と宅地建物取引業者ではない個人との建物の売買において、建物の品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任について特約を定めたときは、37条書面にその内容を記載しなければならない。

問題文の通り、37条書面に記載しなければなりません。

従って、正しいです。

まとめ

重要事項説明と37条書面の違いなどのひっかけ問題もよく問われるので、正確に理解することが大切です。

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02

35条書面と37条書面の記載事項は暗記する必要があります。

お持ちのテキストでは図表等わかりやすく整理されていると思いますので、時間が空いているときに反復しておきましょう。

第三十七条 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買又は交換に関し、自ら当事者として契約を締結したときはその相手方に、

当事者を代理して契約を締結したときはその相手方及び代理を依頼した者に、その媒介により契約が成立したときは当該契約の各当事者に、

遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。

選択肢1. 宅地建物取引業者である売主Aは、宅地建物取引業者であるBの媒介により、宅地建物取引業者ではないCと宅地の売買契約を令和4年4月1日に締結した。AとBが共同で作成した37条書面にBの宅地建物取引士の記名押印がなされていれば、Aは37条書面にAの宅地建物取引士をして記名押印をさせる必要はない。

誤り

3 宅地建物取引業者は、前二項の規定(売買及び賃貸)により交付すべき書面を作成したときは、宅地建物取引士をして、当該書面に記名させなければならない。

37条書面は対象者に遅滞なく交付する必要があります。設問の場合、書面自体は共同で作成してもいいですが、業務上の責任は各業者がそれぞれ負いますので宅建士の記名も各業者ごと必要となります。

選択肢2. 宅地建物取引士は、37条書面を交付する際、買主から請求があったときは、宅地建物取引士証を提示しなければならない。

正しい

当事者から見せてくれと言われたら提示する義務があります。

(宅地建物取引士証の提示)

第二十二条の四 宅地建物取引士は、取引の関係者から請求があつたときは、宅地建物取引士証を提示しなければならない。

ついでですが、35条書面の説明時には請求がなくても有資格者だという証明のために提示しなければなりません

法35条4項

宅地建物取引士は、前三項(35条所定)の説明をするときは、説明の相手方に対し、宅地建物取引士証を提示しなければならない。

選択肢3. 宅地建物取引業者である売主Dと宅地建物取引業者ではないEとの建物の売買契約においで、手付金の保全措置を講ずる場合、Dはその保全措置の概要を、重要事項説明書に記載し説明する必要があるが、37条書面には記載する必要はない。

正しい

宅建業者が自ら売主となり買主が素人な場合、手付金等の保全措置が必要になり重要事項として説明する義務があります(法35条1項10号)

しかし、手付金等の保全は取引内容とは直接の関係はありませんので37条書面には記載する必要はありません。

選択肢4. 宅地建物取引業者である売主と宅地建物取引業者ではない個人との建物の売買において、建物の品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任について特約を定めたときは、37条書面にその内容を記載しなければならない。

正しい

契約不適合担保責任に関する定めがあれば、その内容を記載する義務があります。

例えば中古住宅の売買で、担保責任を引き渡しから2年にする旨の特約を設けた場合、単に期間の変更をしただけなので35条の説明義務は生じませんが、37条書面には「その内容」を記載しておく義務があります。

十一 当該宅地若しくは建物が種類若しくは品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置についての定めがあるときは、その内容

この定めは35条の重要事項にはなっていませんので注意が必要です。

※重要事項になっているのは担保責任の「履行に関して」の事柄です。そしてその履行に関しての定めもあれば、そのまま37条書面の記載事項となります。

まとめ

宅建業法の頻出論点は同じところを様々な角度から問われます。

つらい部分ですが繰り返すことで暗記していけるので頑張りましょう。

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03

37条書面の問題です。

覚えなければならない事項も多く、また引っかけ問題も出やすいので注意しましょう。

選択肢1. 宅地建物取引業者である売主Aは、宅地建物取引業者であるBの媒介により、宅地建物取引業者ではないCと宅地の売買契約を令和4年4月1日に締結した。AとBが共同で作成した37条書面にBの宅地建物取引士の記名押印がなされていれば、Aは37条書面にAの宅地建物取引士をして記名押印をさせる必要はない。

A(売主:宅建業者)とB(媒介業者)は、それぞれ37条書面を交付する義務があります。

共同で作成した37条書面であれば、ABの記名が必要となります。

 

よって、この選択肢は誤りです。

※尚、法改正により押印は必要なくなりましたので、その点注意してください。

選択肢2. 宅地建物取引士は、37条書面を交付する際、買主から請求があったときは、宅地建物取引士証を提示しなければならない。

取引関係者から請求があったときは、提示しなければなりません。

重要事項説明をするときは、請求がなくても提示しなればなりません。

 

よって、この選択肢は正しいです。

選択肢3. 宅地建物取引業者である売主Dと宅地建物取引業者ではないEとの建物の売買契約においで、手付金の保全措置を講ずる場合、Dはその保全措置の概要を、重要事項説明書に記載し説明する必要があるが、37条書面には記載する必要はない。

書いている通りです。

35条書面と、37条書面の違いに注意しましょう。

 

よって、この選択肢は正しいです。 

選択肢4. 宅地建物取引業者である売主と宅地建物取引業者ではない個人との建物の売買において、建物の品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任について特約を定めたときは、37条書面にその内容を記載しなければならない。

契約不適合担保責任ついて特約を定めた場合は、37条書面に内容を記載しなければなりません。

 

よって、この選択肢は正しいです。

まとめ

37条書面と35条書面、それぞれに必要な記載事項や、定めがあれば記載する事項をしっかり覚えましょう。

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