宅地建物取引士の過去問
令和4年度(2022年)
宅建業法 問13
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問題
宅建試験 令和4年度(2022年) 宅建業法 問13 (訂正依頼・報告はこちら)
宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地の売買契約について、買受けの申込みを喫茶店で行った場合における宅地建物取引業法第37条の2の規定に基づくいわゆるクーリング・オフに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- 買受けの申込みをした者が、売買契約締結後、当該宅地の引渡しを受けた場合、クーリング・オフによる当該売買契約の解除を行うことができない。
- 買受けの申込みをした者が宅地建物取引業者であった場合、クーリング・オフについて告げられていなくても、申込みを行った日から起算して8日を経過するまでは、書面により買受けの申込みの撤回をすることができる。
- 売主業者の申出により、買受けの申込みをした者の勤務先で売買契約を行った場合、クーリング・オフによる当該売買契約の解除を行うことはできない。
- クーリング・オフによる売買契約の解除がなされた場合において、宅地建物取引業者は、買受けの申込みをした者に対し、速やかに、当該売買契約の締結に際し受領した手付金その他の金銭を返還しなければならない。
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この過去問の解説 (3件)
01
クーリング・オフができない場合などのポイントをしっかり覚えておきましょう。
引渡しを受けて、さらに代金のすべてを支払った場合は、クーリング・オフによる売買契約の解除を行うことができません。
この場合、引渡しを受けているだけなので、クーリング・オフによる解除は可能です。
従って、誤りです。
宅地建物取引業者間の取引であった場合は、クーリング・オフによる解除ができません。8種制限は適用されないからです。
従って、誤りです。
売主業者の申出により、買受けの申込みをした者の勤務先での契約の場合はクーリング・オフによる解除ができます。
従って、誤りです。
正しいです。
クーリング・オフによる解除がされたときは速やかに全額返還する必要があります。
クーリング・オフに関する問題は得点源にできるので出題されたら必ず正解できるようにしましょう。
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02
クーリングオフは一方的に契約を解除できる消費者に有利な制度です。そのため業者側にも不測の事態が起こらないよう配慮がされています。
例えば、業者の事務所で申し込みを行った者まで使用させる理由はありません。契約まで考慮の機会は十分に確保されているからです。
(事務所等以外の場所においてした買受けの申込みの撤回等)
第三十七条の二
宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地又は建物の売買契約について、
当該宅地建物取引業者の事務所その他国土交通省令・内閣府令で定める場所(以下この条において「事務所等」という。)以外の場所において、当該宅地又は建物の買受けの申込みをした者又は売買契約を締結した買主(事務所等において買受けの申込みをし、事務所等以外の場所において売買契約を締結した買主を除く。)は、
次に掲げる場合を除き、書面により、当該買受けの申込みの撤回又は当該売買契約の解除(以下この条において「申込みの撤回等」という。)を行うことができる。この場合において、宅地建物取引業者は、申込みの撤回等に伴う損害賠償又は違約金の支払を請求することができない。
一 買受けの申込みをした者又は買主(以下この条において「申込者等」という。)が、国土交通省令・内閣府令の定めるところにより、申込みの撤回等を行うことができる旨及びその申込みの撤回等を行う場合の方法について告げられた場合において、その告げられた日から起算して八日を経過したとき。
二 申込者等が、当該宅地又は建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部を支払つたとき。
2 申込みの撤回等は、申込者等が前項前段の書面を発した時に、その効力を生ずる。
3 申込みの撤回等が行われた場合においては、宅地建物取引業者は、申込者等に対し、速やかに、買受けの申込み又は売買契約の締結に際し受領した手付金その他の金銭を返還しなければならない。
4 前三項の規定に反する特約で申込者等に不利なものは、無効とする。
※「事務所等」については宅建業施行規則第十六条の五参照(テキストに詳しい解説があると思います)
誤り
二 申込者等が、当該宅地又は建物の引渡しを受け、かつ、その代金の全部を支払つたとき。
引き渡しを受けただけでは、まだクーリングオフの対象です。
誤り
宅地建物取引業者相互間の取引については、クーリングオフも含めいわゆる8種規制の対象外になっています。
プロ同士なので特別な保護までは不要でしょう。
(適用の除外)
第七十八条 この法律の規定は、国及び地方公共団体には、適用しない。
2 第三十三条の二及び第三十七条の二から第四十三条までの規定は、宅地建物取引業者相互間の取引については、適用しない。
誤り
買い受けの申し込みをした場所が「事務所等」に該当しなければ、契約締結を事務所で行おうとクーリングオフはできるという結論になります。
設問の喫茶店は事務所とは言えませんのでクーリングオフの対象です。
※問題とは関係ないですが、条文の例外の()書きには注意してください。
(事務所等において買受けの申込みをし、事務所等以外の場所において売買契約を締結した買主を除く。)
事務所等で申し込み、喫茶店で契約したときはクーリングオフの対象外となります。
正しい
クーリングオフは解除ですから遡及効があります。宅建業者はクーリングオフによる原状回復を速やかに行えと強調した規定です。
3 申込みの撤回等が行われた場合においては、宅地建物取引業者は、申込者等に対し、速やかに、買受けの申込み又は売買契約の締結に際し受領した手付金その他の金銭を返還しなければならない。
クーリングオフに関する論点は少ないので是非とも1点取りたいです。
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03
宅地建物取引業者が自ら売り主となる場合、買受けの申込みを喫茶店で行った場合のクーリング・オフに関する問題です。
クーリング・オフが出来なくなる要件は、①書面による告知を受けてから起算して8日が経過したとき ②物件の引渡しかつ代金を全部支払ったときです。
今回は、引渡しのみで代金を全部支払っていませんので、クーリング・オフは可能です。
よって、この選択肢は誤りです。
買受けた者が宅地建物取引業者であった場合、クーリング・オフ制度が適用されません。
よって、この選択肢は誤りです。
売主業者の申出により、事務所以外で買受けの申込みをした場合、クーリング・オフはできます。最初の申込みをどこで行ったか、どちらの申出なのかが重要です。
よって、この選択肢は誤りです。
書いている通りです。
遅滞なく返還する必要があります。
よって、この選択肢は正しいです。
買主も宅地建物取引業者なのかなど、関係性や取引の状況を把握し、得点できるようにしていきましょう。
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