宅地建物取引士の過去問
令和5年度(2023年)
権利関係 問2
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問題
宅建試験 令和5年度(2023年) 権利関係 問2 (訂正依頼・報告はこちら)
相隣関係に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 土地の所有者は、境界標の調査又は境界に関する測量等の一定の目的のために必要な範囲内で隣地を使用することができる場合であっても、住家については、その家の居住者の承諾がなければ、当該住家に立ち入ることはできない。
- 土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越える場合、その竹木の所有者にその枝を切除させることができるが、その枝を切除するよう催告したにもかかわらず相当の期間内に切除しなかったときであっても、自らその枝を切り取ることはできない。
- 相隣者の一人は、相隣者間で共有する障壁の高さを増すときは、他方の相隣者の承諾を得なければならない。
- 他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に出るためにその土地を囲んでいる他の土地を自由に選んで通行することができる。
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この過去問の解説 (2件)
01
相隣関係の問題です。
法改正があったところですので、しっかり暗記しましょう。
書いている通りです。
境界標の調査又は境界に関する測量等の一定の目的のために必要な範囲内で隣地を使用することはできますが、住家については承諾がなければ入ることはできません。
よって、この選択肢は正しいです。
隣地の木の枝が境界線を越える場合は、その木の所有者にその枝を切除させることができます。
しかし催告したのにもかかわらず、相当期間内に切除しなかった場合は、自らその枝を切り取ることができます。
よって、この選択肢は誤りです。
共有する障壁の高さを増すときは、相隣者の承諾は必要ありません。
よって、この選択肢は誤りです。
他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に出るためにその土地を囲んでいる他の土地を通行することができますが、自由に選ぶことはできません。
他の土地に損害が最も少ないものを選ぶ必要があります。
よって、この選択肢は誤りです。
近年法改正があった問題ですので、今後出る可能性があります。
民法の中では得点源ですので、正解できるようにしましょう。
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02
相隣関係とは、所有する土地のお隣さん同士の関係のことを指しています。境界は実際にトラブルが生じやすいものです。越境の定義等、詳細に確認していきましょう。
「境界標の調査又は協会に関する測量等」を行う場合は、必要な範囲内で隣地を使用することができます。ただし、必ず居住者の承諾が必要です。
他にも、
①「境界又はその付近における障壁、建物その他の工作物の築造、収去又は修繕」
②「枝の切取り」
の際は、同様に隣地を使用することができます。
① 土地の所有者は、隣地の竹木の枝が境界線を越える場合であっても、それを自身で切除することはできません。その竹木の所有者に、その枝を切除させることならできます。
ただし、枝を切除するように催告したにもかかわらず、竹木の所有者が相当の期間内に切除しないとき等の条件を満たせば、自身で切除することも可能です。
障壁の高さを増すことは、相隣者一人であっても他方の承諾を得ることなく、行うことができます。障壁の高さを増すことはプライバシー保護に関わることであり、障壁を高くするのであれば、相手方のプライバシーを侵害することはないからです。
逆に障壁の高さを低くする場合は、相隣者善人の承諾が必要です。
公道に接していない土地の場合、「囲繞地通行権」という権利があります。公道に行き来するために他の土地を通行することができるという権利です。しかし、どこでも自由に選べるわけではなく、他の土地にとって損害が最も少ない土地を選ばなければなりません。
隣地への立ち入りや越境時の対応は、例外的な細かい条件がありますので、それぞれ確認が必要です。
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