正解は 2 です。
小麦粉が出題される際に問われやすい問題が二つあります。一つは「でんぷん」について、もう一つは「グルテン」についてです。
小麦粉やその加工食品、同時に片栗粉、または直接でんぷんなどが問題文にあり、解答欄の多くが加水や加熱についてですと、間違いなくでんぷんについて問うています。
また、今回の設問のように食塩や砂糖、油脂やビタミンⅭの添加などが解答欄にある場合は「グルテン」の特性について問うていると見て間違いないでしょう。
また、小麦の特性といった形ででんぷんとグルテンが両方問われる問題もあります。
グルテンとは、小麦粉に含まれるたんぱく質のうち、主な成分であるグルテニンと、グリアジンが、加水加圧されることで生成される、粘りと弾力のある成分です。なお、小麦粉の主成分は70%程を占める炭水化物です。
このグルテンは添加物により大きく特性を変えます。以下に代表的な添加物の種類とその変化について列挙します。
砂糖=グルテンの形成には水が必要ですが、砂糖は水分とより強く結びつこうとするため、生地の中の水分が奪われてしまいグルテンの結合が弱まり、粘弾性を弱めます。
油脂=こちらは結合前のたんぱく質を油脂が覆ってしまうとやはり結合がうまくいきませんので、粘弾性を弱めます。
牛乳=牛乳に含まれる塩分やカルシウムは、たんぱく質を固める働きがありますので、粘弾性がよくなります。
食塩=たんぱく質の分解を抑制し、グルテンが強固になり粘弾性がよくなります。
アスコルビン酸(ビタミンⅭ)=酸化させられることでグルテン内のアミノ酸同士の結合を促進。粘弾性がよくなります。
安定性の定義がいまいちわからなかったので特にかたらなかったのですが、すくなくとも油脂の場合はたんぱく質表面を油脂が覆うことで変化し辛くなっています。牛乳についてはカルシウムがたんぱく質の熱凝固を促進する程度しか関係性が調べきれず、安定性との関連が調べきれませんでした。