調理師の過去問
平成26年度
調理理論 問47
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この過去問の解説 (3件)
01
(1)正解です。砂糖溶液は170〜180℃以上で反応して、カラメル化します。
(2)誤りです。砂糖溶液に食酢などの酸を加えて加熱すると、分解が起こり、転化糖になります。転化糖となることで結晶化をしにくくなります。
(3)誤りです。砂糖溶液は濃度40%以上では防腐効果を持ちます。濃度が40%以下になると、反対に細菌が繁殖しやすい環境となります。問題は濃度30%とあるので防腐効果はなく誤りです。
(4)誤りです。砂糖は肉に含まれるたんぱく質であるコラーゲンと水分を結びつけるため、肉は柔らかくなります。加熱変性が増加すると肉質は硬くなります。
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02
砂糖溶液は加熱温度によって様々な状態に変化し、その状態で様々な使われ方をします。
・103~105℃ーシラップ(シロップ):無色透明のサラッとした液体。コーヒーなどのシロップに使われる形態です。
・107~115℃ーフォンダン:軽く泡立ち少し冷めると糸を引きます。クリーム状になるのでケーキの仕上げなどに使われます。
・115~121℃ーキャラメル:粘りのある立体的な泡が立ちます。冷めると柔らかい飴のようになります。
・140℃ータフィー:大きな泡が立ち、薄く黄色の色が付きます。冷めると硬い結晶になるのでキャンディーに使われます。
・145℃ードロップ:やや粘りのある泡が立ちタフィーより少し濃い黄色になります。固まるにつれてもろくなりガラス状になります。
・165℃ーべっこう飴:粘りのある細かい泡が出て、はっきり黄色になります。冷めると硬い飴になります。
・165~180℃ーカラメルソース:茶褐色の香ばしい香りがするソースになります。主にプリンのソースとして使用されます。
・190℃ーカラメル:褐色になり、香ばしい香りと粘度が出ます。ソース、醤油、コーラなどの着色にも使用されます。
②砂糖溶液に食酢を加えるとブドウ糖と果糖に分解(転化)されます。これを転化糖と言います。転化糖は飴のようにカチカチに固まらず、ねっとりとした状態を維持するため、様々な料理や製菓に使用されています。
③砂糖濃度が40%以上あると防腐効果を発揮します。
発育を抑える砂糖濃度は以下の通りです。
・40~60%ー細菌類
・60~70%-糸状菌・酵母菌
この効果を利用した物がジャム、シロップ漬け(缶詰やドライフルーツ)です。
④砂糖はたんぱく質に含まれる水分と結合し、細胞の隙間に入り込みます。そしてたんぱく質を束ねる役目をするコラーゲンを引き付けるので、加熱してもコラーゲンが鎖にならず、肉質が柔らかくなります。
卵焼きに砂糖を加えるとフワッと柔らかく仕上がったり、すき焼きの肉を焼くとき最初に砂糖を加えるのはこの効果を利用した調理法です。
逆に塩を先に加えると肉は固くなります。
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03
2: 砂糖に食酢を加えて加熱すると、加水分解をおこして転化糖になります。転化糖となることで結晶化を抑えます。これは大学芋を作るときやジャムを作るときの現象です。
3: 砂糖は親水性が大変たかく、食品と混ぜると食品中の水分を取り込み、自由水を減らします。砂糖の含有量の多い羊羹などが腐りにくいのはこのためです。しかし、砂糖の濃度が40%以下では逆に微生物の栄養となりやすくくさりやすくなります。
4: 加熱変性を抑える作用があります。たとえば肉料理に砂糖を加えると肉が固くなりにくくなります。
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