調理師の過去問
令和元年度
調理理論 問45

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問題

調理師試験 令和元年度 調理理論 問45 (訂正依頼・報告はこちら)

牛乳に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
  • 加熱して 40 ℃にすると表面にたんぱく質の皮膜を張る。
  • 有機酸の多い野菜類の煮込みに適する。
  • 牛乳中のカルシウムイオンは、卵のたんぱく質の熱凝固を阻害する。
  • ムニエルでは、牛乳に浸しておくと焼き色がよくなる。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は4です。

1:牛乳を静かに加熱すると、表面に皮膜ができます。ラムスデン現象と言います。たんぱく質が熱凝固し、乳脂肪分が吸着されて、表面に集まるからです。
40℃以上にすると、皮膜を張ります。

2:牛乳のカゼインはPH4.6付近で固まるため、酸の多いものを煮込むと、牛乳中のカゼインが固まってしまいます。酸を多く含む有機酸の野菜の煮込みには適しません。

3:牛乳のカルシウムイオンは、卵のたんぱく質の熱凝固を促進します。牛乳のカルシウムイオンが、牛乳と卵のたんぱく質同士をつなぐためです。
卵焼きに牛乳を混ぜると、ふっくら仕上がるのはこのためです。

4:牛乳に含まれる乳糖とたんぱく質の影響で、熱を加えると焼き色がよくなります。
⇒よって正解です。

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02

正解は4です。

牛乳に関する問題は出やすいです。調理上の特性をチェックしておきましょう。

【牛乳の調理上の特性】

・40℃以上で脂肪球がたんぱく質を包んで表面に浮き上がり、60~65℃で被膜が形成される

・加熱すると風味が変わる

・なめらかさ、風味、焼き目などを付ける効果がある

・野菜や肉などと調理すると、野菜などに含まれる酸によってたんぱく質のカゼインが凝固する

・下処理に使うと、食材のくさみを消す効果がある

・カルシウムイオンが、卵の凝固やペクチンのゲル化を促進する

乳は、子の成長に必要なあらゆる栄養素が、吸収されやすいかたちで含まれているものです。そのため牛乳もからだを作るための脂質、たんぱく質、カルシウム、ビタミンをはじめとする栄養が豊富です。

脂質については細かくなった乳脂肪がエマルジョンの形で分散し、たんぱく質は「カゼイン」と「乳清たんぱく質(ホエイ)」の形で含まれているのが特徴です。

カゼインが酸によって凝固するので、その性質を利用してチーズが作られています。


各選択肢については、以下のとおりです。

1 .加熱すると 40 ℃以上で、表面にたんぱく質と脂肪を取り込んだ皮膜ができます。設問も間違いではないのですが、厳密にはたんぱく質と脂肪が主成分なので正解には選択しません。

2 .誤りです。酸は牛乳のたんぱく質を凝固させるため、有機酸の多い野菜と一緒に調理すると、ざらざらした舌触りの良くない食感に仕上がってしまいます。

3 .誤りです。逆に牛乳中のカルシウムイオンは、卵のたんぱく質の熱凝固を促進させます。

4 .正解です。乳タンパク質と乳糖がアミノカルボニル反応(メイラード反応)を起こし、褐色の焼き色を付けます。

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03

正解は4です。

1.牛乳は40℃以上に加熱すると表面に皮膜ができます。
加熱により表面の水分が蒸発し、乳成分のたんぱく質が凝固し、脂肪分などを包み込む形で膜となるため、主成分はたんぱく質と脂肪です。
この現象をラムスデン現象といいます。

2.牛乳中のたんぱく質であるカゼインは、酸により凝固します。そのため、有機酸の多い野菜類の煮込みには適しません。

3.牛乳中のカルシウムイオンは、たんぱく質をつなぐ役割をするため、卵のたんぱく質の熱凝固を促進します。

4.ムニエルでは、牛乳に浸しておくと焼き色がよくなります。
その他、臭み抜きの効果もあります。

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