調理師の過去問 令和2年度12月実施分 食品衛生学 問26
この過去問の解説 (3件)
正解は4です。
1:サルモネラ属菌は感染型です。感染源は保菌動物の肉や卵、鶏卵加工品を加熱不十分のまま摂取することで起こることが多いです。
2:カンピロバクターは感染型です。家畜の肉、特に鶏肉から多く感染します。
また、カンピロバクターに汚染された生水が原因となることもあります。
3:ウェルシュ菌は感染毒素型です。
肉、魚介類の缶詰などから発生します。空気のないところで増殖して毒素を出す偏性嫌気性菌で、芽胞は熱に強く、加熱しても完全に死滅しません。
4:黄色ブドウ球菌は毒素型です。毒素型食中毒は、鼻粘膜や化膿した傷の中に特に多く存在し、汚染源となる人の手指を介して折詰弁当、おにぎり、あん類、クリームなどの食品に広がります。
⇒よって正解です。
正解は4です。
食品に付着した黄色ブドウ球菌が産生した毒素エンテロトキシンを体内に取り込まれると、「毒素型食中毒」が起こります。
食中毒には
・細菌性食中毒…細菌に感染することで起こる
・ウイルス性食中毒…ウイルスに感染することで起こる
・自然毒食中毒…きのこ、青梅、ふぐ、イシナギなどを食べることで起こる
・化学性食中毒…化学物質が混入した食品を摂取することで起こる
などがあります。
細菌性食中毒には
・感染型…食事を介して細菌が体内に入ることで起こる
(カンピロバクター、腸炎ビブリオ、サルモネラ)
・食品内毒素型…食品に付着した菌が毒素を産生し、その毒素を食品と一緒に体内に取り込むことで食中毒が起こる
(黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌)
・生体内毒素型…腸管内で増殖した細菌が毒素を産生し手食中毒が起こる
(ウェルシュ菌、腸管出血性大腸菌)
があります。
その他の回答選択肢は以下の通りです。
1 .サルモネラ属菌、2 .カンピロバクターは感染型食中毒を起こすので誤りです。
3.ウエルシュ菌は生体内食中毒を起こすので誤りです。
4 .黄色ブドウ球菌は、食品内毒素型食中毒を起こすので、正解です。
細菌性食中毒菌とその分類の組み合わせとして正しいものは「黄色ブドウ球菌と毒素型」になります。
サルモネラ属菌は感染型で畜産品やそれらの加工品が原因になるので誤りです。
カンピロバクターは感染型で生や加熱不十分な鶏肉などが原因になるので誤りです。
ウエルシュ菌は毒素型で調理後の再加熱不十分な状態で食することが原因になるので誤りです。
黄色ブドウ球菌の毒素はエンテロトキシンで加熱しても破壊されず、この毒素により食中毒が起こります。発病まで3時間前後と短く、吐き気や嘔吐が激しいのが特徴です。
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