調理師の過去問 令和3年度10月実施分 栄養学 問25
この過去問の解説 (3件)
正解は(1) 副甲状腺ホルモンは、血中カルシウム濃度を上げる。
副甲状腺から分泌される副甲状腺ホルモンは、カルシウム・リンの代謝に関与しているホルモンです。血中のカルシウム濃度が低下すると骨に含まれるカルシウムを血中に放出させ、血中カルシウム濃度を上げます。
ほかの3問の答えが確実にわかっていれば、消去法で導き出すこともできます。ほかのホルモンの名前と特徴の組み合わせも覚えておくとよいでしょう。
各選択肢については、以下のとおりです。
1 .○ 副甲状腺ホルモンは、血中カルシウム濃度を上げます。
2 .× アドレナリンは副腎髄質から分泌され、血圧を上昇させます。
3 .× インスリンは血糖値を下げます。血糖値が上昇したとき、すい臓のランゲルハンス島から分泌されます。
4 .×甲状腺ホルモンに多く含まれるミネラルはヨウ素です。甲状腺ホルモンは新陳代謝を促進させます。(「甲状腺ホルモン」と「副甲状腺ホルモン」は同じものではありません。)
正解は1です。
1..副甲状腺ホルモンは、血中カルシウム濃度を上昇させます。
血中カルシウム濃度が低下すると、骨の代謝を亢進させて、骨のカルシウム
を血中に放出し、腎臓でのカルシウムの再吸収を促進することで、血中カル
シウム濃度を高めます。
2.アドレナリンは、副腎髄質から分泌されます。
アドレナリンは、交感神経が興奮した時に生じます。
ストレス反応の中心的な役割を担い、心拍数の増加、血糖上昇などに
作用します。
3.インスリンは、膵臓のランゲルハンス島β細胞より分泌されます。
血糖を下げるホルモンです。
4.甲状腺ホルモンは、ヨウ素を含んでいます。
甲状腺の中に、ヨウ素が取り込まれ、甲状腺ホルモンを合成します。
甲状腺ホルモンは、体全体の代謝を活発にさせ、体の熱産生、成長に
関わります。
甲状腺機能亢進症:基礎代謝の増加、頻脈、発汗促進など
甲状腺機能低下症:精神活動の低下、徐脈、便秘、皮膚乾燥など
正解は「副甲状腺ホルモンは、血中カルシウム濃度を上げる。」です。
副甲状腺ホルモンは、カルシウムの量を調整する役割を担っています。
カルシウムが過剰になると尿などへカルシウムの排出を促し、カルシウムが不足すると骨中のカルシウムを放出させ血中カルシウム濃度を上げます。そのため正解です。
アドレナリンは、副腎髄質から分泌されます。
すい臓から分泌されるのはインスリンで、膵臓のランゲルハンス島β細胞より分泌されます。
インスリンは、血液中のグルコースを取り込むよう働きかけ、血糖値を下げる役割を担っています。
グルコースを血液中へ放出させるよう働きかけ、血糖値を上げる役割を担っているのはグルカゴンです。
甲状腺ホルモンは、亜鉛ではなくヨウ素を含んでいます。ヨウ素は甲状腺ホルモンの材料となり、とりすぎると甲状腺機能低下症、亢進症を起こすなどの弊害があります。
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