調理師の過去問
令和3年度10月実施分
調理理論 問43

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問題

調理師試験 令和3年度10月実施分 調理理論 問43 (訂正依頼・報告はこちら)

でん粉に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
  • 水を加えて加熱すると、吸水膨潤して糊化(こか)する。
  • 砂糖を加えると、老化しやすい。
  • 低温で放置すると、粘度上昇する。
  • 脂質を加えると、粘度上昇する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は1です。

1.水を加えて加熱すると、吸水膨潤して糊化(こか)します。

  でんぷんに水を加えて加熱することで、糊状にし、消化しやすく

  食に適した状態に変化させることを、でんぷんのα(アルファ)化と

  いいます。

  そのまま放置すると、冷却、水分の減少とともに、硬く消化の悪い状態

  となります。これを、β化(老化)といいます。

2.砂糖を加えると、老化を抑制します。

  糖は親水性があるため、水分保持の効果があります。

  糖濃度を増加させることで老化を防ぐことができます。

 

3.低温で放置すると、粘度は低下します。

  温度が低いと老化は進行します。

  ただし、.急速に凍結させることで、老化を抑制できます。

4.脂質を加えても、粘度は上昇しません。

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02

正解は(1)  でんぷんは、水を加えて加熱すると、吸水膨潤して糊化(こか)します。

生のでんぷん(βでんぷん)は、水を加えて加熱するとでんぷんが給水して膨潤(ぼうじゅん)し、粒子が崩壊を起こして粘りが出ます。これを糊化、またはでんぷんのαといい、α化したでんぷんをαでんぷんといいます。

αでんぷんを冷却して放置すると、乾燥してβでんぷんに戻ります。この現象をβ、またはでんぷんの老化といいます

β(ベータ)でんぷん糊化(アルファ化)α(アルファ)でんぷん

β(ベータ)でんぷん←老化(ベータ化)α(アルファ)でんぷん

各選択肢については、以下のとおりです。

1 .○ でんぷんは水を加えて加熱すると、吸水膨潤して糊化(こか)します。

2 .× 砂糖は保水性があり、食品の乾燥を防ぐ効果があります。でんぷんに砂糖を加えると乾燥を防ぐので老化が抑えられます。その結果、でんぷんの粘りが失われず、しっとりと柔らかい状態が保てるようになります。

3 .× でんぷんは低温で放置すると乾燥し、老化が起こるので粘度が低下して硬くなります。

4 .× 脂質はでんぷんの膨潤を抑制したり、でんぷんの老化を促進させたりする作用があり、でんぷんの粘度を上昇させる作用は持っていません。

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03

正解は1です。

1 .でん粉は、水を加えて加熱すると、吸水膨潤して糊化します。かたい米を炊飯するとやわらかく食に適した形態になるのはこのためです。糊化はα化とも呼ばれます。

 反対に、糊化したでん粉を放置すると、冷却に伴い、水分が失われ硬くなります。これをでん粉の老化(またはβ化)と呼びます。

 

2 .砂糖を加えると、老化にくくなります。砂糖は親水性のため、糊化したでん粉中の水分と結合し、水分が失われるのを防ぐ効果があります。酢飯や餅菓子等が柔らかい食感を保てるのはこのためです。

3 .低温で放置すると、でん粉は老化し、水分が失われ硬くなるため、粘度は低下します。

4 .脂質を加えると、粘度は低下します。脂質は疎水性のため、でん粉内に水分子が入りづらくなり、糊化が抑制されるためです。

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