調理師の過去問
令和3年度10月実施分
調理理論 問47

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問題

調理師試験 令和3年度10月実施分 調理理論 問47 (訂正依頼・報告はこちら)

食肉類の調理による変化に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
  • 肉質は、筋繊維を切らないようにしてから加熱すると軟化する。
  • 肉質は、しょうが汁の利用で硬化する。
  • 加熱肉の褐色物質は、メトミオクロモーゲンである。
  • ひき肉の結着性を高めるためには、砂糖を加える。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は3です。

1.肉質は、筋繊維を切るようにしてから加熱すると軟化します。

 肉に含まれる筋繊維は、長く一定方向に伸びており、加熱によって縮まり食感が固くなります。これを切って短く分断することで、加熱しても柔らかい食感になります。

2 .肉質は、しょうが汁の利用で軟化します。これは、しょうが汁の中に含まれるプロテアーゼというたんぱく質分解酵素が、肉のたんぱく質を分解し柔らかくするからです。

3 .加熱肉の褐色物質は、メトミオクロモーゲンのため、正解です。

 肉の赤色を呈するミオグロビンという色素たんぱく質は、酸化するとメトミオグロビンになり、さらに加熱によってメトミオクロモーゲンとなります。

 

4 .ひき肉の結着性を高めるためには、食塩を加えます。

 肉に含まれるアクチンとミオシンというたんぱく質は、食塩水に良く溶けます。食塩を加えるとひき肉の水分と混ざり食塩水となり、アクチンとミオシンが溶解し、粘りが出ます。

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02

正解は(3)加熱肉の褐色物質は、メトミオクロモーゲンです。

生の肉が赤く見えるのは、筋肉に赤い色の色素たんぱく質「ミオグロビン」が含まれているからです。ミオグロビンは酸化すると暗紅色のメトミオグロビンになり、加熱すると褐色のメトミオクロモーゲンに変化します。

各選択肢については、以下のとおりです。

1 .× 肉は、線維に対して直角方向に切ると加熱しても肉質が硬くならず、食べやすくなります。

2 .× しょうがにはたんぱく質を分解する酵素プロテアーゼが含まれています。そのため、しょうが汁に浸漬するとプロテアーゼによって肉質が軟化し、加熱しても肉が硬くなりません。

3 .○ 加熱肉の褐色物質は、メトミオクロモーゲンです。

4 .× ひき肉の結着性を高めるためには、砂糖ではなく食塩を加えます。食塩を加えるとたんぱく質が溶け出して、ひき肉の決着性が高まります。

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03

正解は、3です。

1.肉質は、筋繊維を切って加熱すると軟化する。

  加熱することで、筋繊維は収縮し肉質は硬くなります。

  筋繊維を切って短くすることで、肉質の硬化を抑制できます。

2.肉質は、しょうが汁の利用で軟化する。

  しょうがには、プロテアーゼというたんぱく質分解酵素

  が含まれています。

  このため、しょうがのしぼり汁に浸漬すると

  たんぱく質の繊維が分解され、肉質は軟化します。

3.加熱肉の褐色物質は、メトミオクロモーゲンである。

  肉の色は、ヘモグロビンとミオグロビンに起因しています。

  鮮やかな赤色に見えるのは、ミオグロビンが空気に触れて

  オキシミオグロビンに変化しているからです。

  

  加熱すると、灰褐色になるのは、タンパク質が熱変性を起こし、

  色素の保護作用を失って、メトミオグロモーゲンになるためです。

4.ひき肉の結着性を高めるためには、塩を加える。

  肉に塩を加えることで、ひき肉の中に含まれる

  筋繊維タンパク質であるアクチンとミオシンが溶け出てきます。

  これを練ると、アクチンとミオシンが絡み合い、結着性が高まります。

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