調理師 過去問
令和6年度
問6 (公衆衛生学 問6)
問題文
近年の国民健康・栄養調査の結果による平均的な栄養素等摂取量の状況に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
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問題
調理師試験 令和6年度 問6(公衆衛生学 問6) (訂正依頼・報告はこちら)
近年の国民健康・栄養調査の結果による平均的な栄養素等摂取量の状況に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
- エネルギー摂取量は、1人1日当たり2,500~3,000kcalである。
- 脂質のエネルギー比率は、25~30%である。
- 食塩摂取量は、20~30gである。
- 食物繊維摂取量は、250~300gである。
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題は、衛生統計における国民健康・栄養調査の結果に基づく栄養素等の摂取量の状況について、正しいものを選ぶものです。
実際の平均エネルギー摂取量は、成人男性で約2,000~2,300kcal、成人女性で約1,600~2,000kcalです。摂取量が多すぎるので誤りです。
国民健康・栄養調査によると、脂質のエネルギー比率は約25~30%とされており、この解答は正しいです。
1日あたりの食塩摂取量(日本人の平均)は、男性で約10g、女性で約9gです。この問題は誤りです。
食物繊維の実際の摂取量は、成人で1日約15~20g程度です。そのため誤りです。
国民健康・栄養調査を理解することでこの問題は解答することができます。摂取量の数字を理解することが大事です。
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02
「脂質のエネルギー比率は、25~30%である。」 が正解です。
厚生労働省が実施・公開している国民健康・栄養調査結果のデータによると、最新の調査(令和5年)では脂質のエネルギー比率は約29%でした。ですから25~30%の範囲におさまっています。
なお、残り3つの選択肢はよく読むと記述が適切ではないことがわかるので、感覚的に解くこともできるかと思います。
では各選択肢をみていきましょう。
誤りです。 二つの解き方ができます。
(1)エネルギー摂取量は、成人男性で約2,100kcal、成人女性で1700kcal、1~6歳で1260kcalとなっていました。(令和5年)ですから、1人1日当たり2,500~3,000kcalは正しくありません。
(2)「1人1日当たり2,500~3,000kcalである。」と言い切っていますが、性別や年齢によっても差があるので、この記述は正しくありません。男性と女性、子どもと成人では、体の大きさ、体に必要なエネルギー量、実際にとる食事の量には差がありますね。
なお、「2,500から3,000kcal」というのは日本人の食事摂取基準(2025年版)で推奨されている、成人男性の1日の一般的なエネルギー摂取量の数値の引用です。
成人女性は1,600~2,000kcal3~1歳の男性は1300kcalとなっています。また、身体活動レベルによってこの数値も増減します。
そのとおり、調査結果では脂質のエネルギー比率が約29%と、25~30%の範囲におさまっていました。
なお、「25~30%」という数値は、食事摂取基準(2025年版)の1日の脂質の目標摂取量の引用と思われます。調理理試験で出る事があるので、以下も見ておいてください。
日本人の食事摂取基準(2025年版)では、食事からとりこむ総エネルギーに対し、以下の割合で炭水化物、脂質、たんぱく質を摂取することを推奨しています。
炭水化物50~65%
脂質 25~30%
たんぱく質 13~20%
誤りです。 約10gとなっていたので(令和5年)、食塩摂取量20~30gというのは多すぎです。
20~30gは小さじ4~5杯分です。感覚的に、1日に摂取する量としては多すぎだなと気付けると良いと思います。
なお、減塩対策によって食塩摂取量は昔よりも減ってきていますが、摂取量が多い時でも約14gとされていたので、20~30gという量は明らかに多すぎなのです。
ちなみに、日本人の食事摂取基準(2025年版)では、食塩平均摂取目標量を
男性 7.5g/日未満
女性6.5g/日未満
と推奨していて、実際の食塩摂取量はまだ少しオーバーしているのが現状です。
誤りです。 250~300gは多すぎです。
二つの解き方ができます。
(1)食物繊維の平均的な摂取量は約18gとなっていました。(令和5年)
なお、日本人の食事摂取基準(2025年版)では、食物繊維の食事摂取基準を
成人男性で20~22g以上
成人女性で17~18g以上
としています。
(2)250~300gはレタスに含まれる食物繊維に換算すると80~100個分くらいとなります。実際に摂取が可能なボリュームではないと判断するのが良いと思います。
各選択肢をよく読めば感覚的に正解が導き出せるかと思います。厚生労働省の国民健康・栄養調査の結果を把握し、国民の食生活をざっと把握しておくこともおすすめします。
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