調理師 過去問
令和6年度
問36 (食品衛生学 問11)
問題文
ハサップ(HACCP)に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
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問題
調理師試験 令和6年度 問36(食品衛生学 問11) (訂正依頼・報告はこちら)
ハサップ(HACCP)に関する記述について、正しいものを一つ選びなさい。
- 完成した製品の検査を一つ一つ行うことで、その製品の安全性を確保するシステムである。
- 実施すれば、従来から行われている一般衛生管理プログラムは必要なくなる。
- 飲食店や食品販売店、小規模事業者は、この考え方を取り入れることで、より効果的な衛生管理を行うことができる。
- 導入することで、作業記録の作成及びその保管を省略することができる。
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この過去問の解説 (3件)
01
この問題は 「HACCPに関する記述のうち、正しいものを選ぶ」 ものです。HACCPのシステムと衛生管理マニュアルの関係が重要になる問題です。それぞれの問題文を解説します。
HACCPは「製品の最終検査」ではなく、「工程の管理」に重点を置いた食品安全管理システムです。危害を未然に防ぐため、製造工程の監視が中心 です。
HACCPは 「一般衛生管理(GMP)」と組み合わせて運用される ものであり、HACCPのみで全てのリスクを管理するわけではないです。従来の衛生管理もHACCPと併用することが必要です。
HACCPは大規模事業者だけでなく、小規模事業者や飲食店にも有効な衛生管理手法です。 日本ではHACCPに基づく衛生管理が2021年6月からすべての食品事業者に義務化されてます。
HACCPの導入により、作業記録の作成と保管はむしろ必須になります。 記録を残し、問題が発生した際に原因究明や改善措置を行うための根拠とします。
近年HACCPの内容が重要視されています。内容の理解をすると共に、特に記録、衛生管理等を理解することが大切です。
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02
正解は、「飲食店や食品販売店、小規模事業者は、この考え方を取り入れることで、より効果的な衛生管理を行うことができる。」です。
各選択肢については、以下のとおりです。
誤りです。
食品の製造・加工過程における危害要因の発生を予防することを目的とした衛生管理方法です。
誤りです。
実施中でも、従来から行われている一般衛生管理プログラムは必要です。
正解です。
誤りです。
導入しても、省略することはできないです。
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03
正解は 「飲食店や食品販売店、小規模事業者は、この考え方を取り入れることで、より効果的な衛生管理を行うことができる。」 です。
この問題は、ほかの3つの選択肢の記述が正しくないと気付けば、自動的に残ったこちらが正解だと判断することができます。
また、こちらの選択肢が正しいと判断するポイントは、以下の点を説明しているところだと考えます。
・すべての事業者を対してHACCAPが完全義務化されたので、飲食店、食品販売店、小規模事業者も対象となった(2021年から)
・飲食店や食品販売店、小規模事業者向けに「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」が用意された
・(HACCP導入にはコストや手間がかかるイメージもあるが)むしろ衛生管理が見える化され、より効果的な衛生管理を行えるというメリットが大きい
では、各選択肢をみていきましょう。
誤りです。完成した製品を検査するのではなく、
原料の入荷から製品の出荷まで各工程で監視・記録を行います。
記述のように完成した製品を検査するやり方は従来の方式です。
HACCPはそうではなく、原料の入荷~製造~出荷まで継続的に監視と記録を行うことで、従来の方式よりも安全で品質の安定した製品が製造できるというメリットが得られます。
誤りです。HACCPを導入した後も一般衛生管理プログラムは必要です。
まず、食品の製造・加工を行うすべての食品事業者が、一般衛生プログラム(PRP)を導入・実施しなければ営業できません。
事業者がHACCPを導入するには、一般衛生プログラムを実践していることが前提となります。また、HACCPを導入すれば不要になるわけではなく、HACCP実施後も一般衛生プログラムは必要です。
そのとおり、飲食店や食品販売店、小規模事業者は、この考え方を取り入れることで、より効果的な衛生管理を行うことができます。
以前は「HACCPに基づく衛生管理」を導入する必要がありましたが、負担が大きく、飲食店や食品販売店、小規模事業者の導入が困難となっていました。
2021年6月からは全ての事業者がHACCP実践を義務付けられましたが、「HACCPに基づく衛生管理」は大規模事業者向けで、飲食店や食品販売店、小規模事業者は、簡易化された「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を実施すれば良いことになりました。
「HACCPの考え方を取り入れた衛生管理」を実践することで、現場の状況が把握しやすくなり、効果的な衛生管理を行うことができるようになります。
誤りです。HACAAPは作業記録とその保管をする必要があります。
HACCAPは「コーデックスのHACCP7原則」に基づいて計画の作成、衛生管理を行います。その7原則のひとつに「記録の作成」があり、作業記録を作成・保管する必要があります。
記録は、事業者がHACCPを実施していることの証明につながりますし、何か問題が生じた時の原因を追及するために役立ちます。
ハサップ(HACCP)の問題は必ず出題されるので、しっかりおさえておきましょう。
また、法律や制度は改革によって変わるものなので、最新の情報もチェックすることをおすすめします。
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