中小企業診断士の過去問
平成27年度(2015年)
経営法務 問14
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 経営法務 平成27年度(2015年) 問14 (訂正依頼・報告はこちら)
中小企業診断士のあなたと顧客の経営者X氏との以下の会話を読んで、下記の設問に答えよ。なお、実在するキャラクターや特産品を考慮する必要はない。
X氏:「当社の本社はC県のAB市にあり、私は地元の経済団体の役職にも就いているのですが、最近、AB市で盛り上がっているのが、AB市内の漁港で水揚げされた海老のすり身を煎餅の生地に練り込んで焼いた特産品の『ABせんべい』をもっと全国的に売り出そうという企画なんです。確か、地域の特産品の名称を保護するような商標がありましたよね。」
あなた:「地域団体商標のことですか。正確なことは専門家に聞いた方がいいと思いますが、地域団体商標が認められるには、結構要件が厳しかったはずですよ。権利の主体は、事業協同組合等のほか、平成26年に施行された法改正で新たにNPO法人や[ ① ]等にも広げられました。しかし、『ABせんべい』という名称を使用しているだけでは難しくて、例えば『ああ、あのAB市特産の、海老を原材料にした煎餅だなと消費者や事業者が広く認識する程度の周知性が必要です。」
X氏:「地域的にどの程度まで周知ならいいのですか。」
あなた:「一般的には、[ ② ]に及ぶ程度の周知性が必要とされています。」
X氏:「なるほど、そう簡単なわけでもなさそうですね。実は、AB市の公募で採用された『ABせん兵衛くん』という、いわゆるゆるキャラが『ABせんべい』の知名度向上に一役買っているのですが、最近、地元のイベントで『ABせん兵衛くん』の偽物が現れましてね。よく似た着ぐるみを着て、『海老みそブシューッ!』と叫びながらエビ反りになってのたうち回るなんてギャグをやったりして、子供にはうけますが、下品だと言って嫌う人もいます。こういったゆるキャラの権利を知的財産で守るような法的手段はないのでしょうか。」
あなた:「キャラクターのデザインや絵柄の創作を保護するなら、やはり[ ③ ]で守るというのが最も素直でしょう。広告宣伝用であれば、平面だけでなく立体的な構成も[ ④ ]、あるいは[ ⑤ ]で保護が可能ですが、広告宣伝の対象となる商品やサービスを特定する必要がありますし、[ ④ ]は登録の手続が、[ ⑤ ]は権利行使のために周知性の立証が必要です。また、ぬいぐるみの量産品であれば[ ⑥ ]で保護される可能性も出てきますが、一方でそのような物品が[ ③ ]による保護の対象になるか、という問題も出てきます。結局、場面に応じた個別的な法的保護の組み合わせでキャラクターの利益を守るしかないのが現状です。」
会話の中の空欄①と②に入る語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
X氏:「当社の本社はC県のAB市にあり、私は地元の経済団体の役職にも就いているのですが、最近、AB市で盛り上がっているのが、AB市内の漁港で水揚げされた海老のすり身を煎餅の生地に練り込んで焼いた特産品の『ABせんべい』をもっと全国的に売り出そうという企画なんです。確か、地域の特産品の名称を保護するような商標がありましたよね。」
あなた:「地域団体商標のことですか。正確なことは専門家に聞いた方がいいと思いますが、地域団体商標が認められるには、結構要件が厳しかったはずですよ。権利の主体は、事業協同組合等のほか、平成26年に施行された法改正で新たにNPO法人や[ ① ]等にも広げられました。しかし、『ABせんべい』という名称を使用しているだけでは難しくて、例えば『ああ、あのAB市特産の、海老を原材料にした煎餅だなと消費者や事業者が広く認識する程度の周知性が必要です。」
X氏:「地域的にどの程度まで周知ならいいのですか。」
あなた:「一般的には、[ ② ]に及ぶ程度の周知性が必要とされています。」
X氏:「なるほど、そう簡単なわけでもなさそうですね。実は、AB市の公募で採用された『ABせん兵衛くん』という、いわゆるゆるキャラが『ABせんべい』の知名度向上に一役買っているのですが、最近、地元のイベントで『ABせん兵衛くん』の偽物が現れましてね。よく似た着ぐるみを着て、『海老みそブシューッ!』と叫びながらエビ反りになってのたうち回るなんてギャグをやったりして、子供にはうけますが、下品だと言って嫌う人もいます。こういったゆるキャラの権利を知的財産で守るような法的手段はないのでしょうか。」
あなた:「キャラクターのデザインや絵柄の創作を保護するなら、やはり[ ③ ]で守るというのが最も素直でしょう。広告宣伝用であれば、平面だけでなく立体的な構成も[ ④ ]、あるいは[ ⑤ ]で保護が可能ですが、広告宣伝の対象となる商品やサービスを特定する必要がありますし、[ ④ ]は登録の手続が、[ ⑤ ]は権利行使のために周知性の立証が必要です。また、ぬいぐるみの量産品であれば[ ⑥ ]で保護される可能性も出てきますが、一方でそのような物品が[ ③ ]による保護の対象になるか、という問題も出てきます。結局、場面に応じた個別的な法的保護の組み合わせでキャラクターの利益を守るしかないのが現状です。」
会話の中の空欄①と②に入る語句の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
- ①:一般社団法人 ②:全国
- ①:商工会議所 ②:隣接都道府県
- ①:中小企業団体中央会 ②:近隣市町村
- ①:公益社団法人 ②:全国8地方区分の同一区分
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この過去問の解説 (3件)
01
周知性の要件は、一般的に隣接都道府県に及ぶ程度に広く認識されている必要があります。
そのため、項番2が正解となります。
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02
正解は、「①:商工会議所 ②:隣接都道府県」です。
【基礎知識】
地域団体商標制度についてです。
・地域団体商標制度とは・・・
地域名と商品(サービス)名からなる地域の名物の名称を商標登録できる制度
・登録のための、以下の4つのポイントを押さえましょう。
① (出願可能団体)地域に根差した団体の出願であること
・事業協同組合法等の特別の法律により設立された組合(法人)
(例:農協など)
・商工会、商工会議所
・NPO法人
・これらに相当する外国法人
② (対象商標)地域名 + 商品(サービス)名等の組み合わせからなること
(例:大阪たこ焼きなど)
③ 団体の構成員に使用させる商標であること
譲渡不可、専用使用権設定不可となります。
④ 一定の地理的範囲である程度有名であること:
※複数都道府県に及ぶ程度の周知性
誤り。一般社団法人は一定の条件を満たす必要があります。具体的には地域経済牽引事業計画の承認を受けた事業者に一般社団法人が含まれる場合となります。
正しい。商工会議所は含まれます。一定の地理的範囲については、全国までを求めていませんので、隣接都道府県でも問題ありません。
誤り。中小企業団体中央会は含まれません。
誤り。公益社団法人は含まれていません。
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03
地域団体商標についての問題です。空欄①と②を比較すると、②の方が選択肢を絞り込みやすいのではないかと思われます(②の方には、明らかに違うと判断できる選択肢が含まれているため)。
不適切な選択肢となります。
正解の選択肢となります。
不適切な選択肢となります。
不適切な選択肢となります。
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