中小企業診断士の過去問
平成28年度(2016年)
企業経営理論 問8

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 平成28年度(2016年) 問8 (訂正依頼・報告はこちら)

業界での競争地位によって、企業はリーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーに分類できる。そのなかで、チャレンジャーとニッチャーに関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • チャレンジャーは、業界で生き残ることを目標に、購買の動機として価格を重視するセグメントをターゲットにし、徹底的なコストダウンを行い、代替品を低価格で提供していく戦略を採る。
  • チャレンジャーは、市場全体をターゲットとするフル・カバレッジにより、リーダーの製品を模倣していく戦略を採る。
  • チャレンジャーは、リーダーに対する価格・製品・プレイス・プロモーションという4Pの差別化よりも、ドメインの差別化を行う。
  • ニッチャーは、狭いターゲットに対して、業界の価格競争には巻き込まれないように閉鎖型の販売チャネルを採用して、媒体を絞り込んだプロモーションを展開する。
  • ニッチャーは、自社が属する業界のライフサイクルの導入期に活動が活発になり、他社の行動を追随する同質化を推進し、市場全体の規模を広げる役割を担っている。

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この過去問の解説 (2件)

01

1は、フォロワーの説明です。
2は、チャレンジャーは、リーダーの製品との差別化を図っていきます。
3は、フォロワーの説明です。
4は、正しいです。
5は、同質化を推進し、市場全体の規模を広げるのはリーダーの役割です。

よって、4.が正解です。

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02

正解は、「ニッチャーは、狭いターゲットに対して、業界の価格競争には巻き込まれないように閉鎖型の販売チャネルを採用して、媒体を絞り込んだプロモーションを展開する。」です。

【基礎知識】

コッターは競争環境における企業の置かれた地位を以下の4つに分類しました。

立場とそれぞれの戦略について確認しておく必要があります。

①リーダー    :業界トップ。経営資源も豊富で、市場の製品をフルラインでそろえる全方位戦略

          競争企業がいい製品を出すと模倣し、取り込んでしまう。

②チャレンジャー :二番手企業。トップを差別化戦略で追いかける立場。

③ニッチャー   :技術や製品の独自性で特定市場(ニッチ市場)で地位を獲得する。差別化集中化戦略

④フォロワー   :経営資源も持たず、ニッチャーのような独自性も持たない。上位企業の製品の

類似するものを安く提供する模倣追随戦略

選択肢1. チャレンジャーは、業界で生き残ることを目標に、購買の動機として価格を重視するセグメントをターゲットにし、徹底的なコストダウンを行い、代替品を低価格で提供していく戦略を採る。

誤り。フォロワーの戦略。チャレンジャーは差別化戦略でトップを狙う。

選択肢2. チャレンジャーは、市場全体をターゲットとするフル・カバレッジにより、リーダーの製品を模倣していく戦略を採る。

誤り。リーダーの戦略。全方位と模倣で他の企業がシェアを奪取する余地をなくしていきます。

選択肢3. チャレンジャーは、リーダーに対する価格・製品・プレイス・プロモーションという4Pの差別化よりも、ドメインの差別化を行う。

誤り。ニッチャーの戦略。ドメインをずらしたりして、独自の地位を築きます。

選択肢4. ニッチャーは、狭いターゲットに対して、業界の価格競争には巻き込まれないように閉鎖型の販売チャネルを採用して、媒体を絞り込んだプロモーションを展開する。

正しい。差別化集中戦略です。

選択肢5. ニッチャーは、自社が属する業界のライフサイクルの導入期に活動が活発になり、他社の行動を追随する同質化を推進し、市場全体の規模を広げる役割を担っている。

誤り。リーダーの記載です。リーダーは経営資源量からも経営資源の質からも市場が拡大すれば獲得する能力があるため、市場を拡大させようとします。

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