中小企業診断士の過去問
平成28年度(2016年)
企業経営理論 問27

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問題

中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 平成28年度(2016年) 問27 (訂正依頼・報告はこちら)

労働安全衛生、労災保険に関する記述として、最も適切なものはどれか。
  • 事業場の常時使用労働者数にかかわらず、事業者は、常時使用する労働者を雇い入れた際に健康診断を実施しなければならない。ただし、雇い入れ日以前3カ月以内に医師による健康診断を受けた労働者が、その診断結果の証明書類を提出した場合には実施を省略できる。
  • 事業場の常時使用労働者数にかかわらず、事業者は、毎月1回以上衛生委員会を開催しなければならない。
  • 社員食堂のランチタイム時に1日3時間、調理業務に従事するパートタイマーが、調理中に火傷を負った。この場合において、事業主が労災保険の保険関係成立届の提出を怠っていたときは、このパートタイマーは、労災保険の保険給付を受けることができない。
  • 労働者が通常の通勤経路上での出勤途上、駅の階段を下りているときに足首をひねって捻挫した。このケガは、自らの不注意によるものであるため、通勤災害とはならない。

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この過去問の解説 (2件)

01

項番1:適切です。
記述の通りです。

項番2:不適切です。
衛生委員会を実施しなければいけないのは常時50人以上の労働者を使用する事業場です。そのため「使用労働者数にかかわらず」という部分が誤りとなります。

項番3:不適切です。
事業者が労災保険の保険関係成立届の提出を怠っていたとしても、労災保険の保険給付は受けることが可能です。

項番4:不適切です。
自らの不注意によるものであっても、通勤経路上での出勤途上の捻挫は通勤災害となります。

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02

正解は、「事業場の常時使用労働者数にかかわらず、事業者は、常時使用する労働者を雇い入れた際に健康診断を実施しなければならない。ただし、雇い入れ日以前3カ月以内に医師による健康診断を受けた労働者が、その診断結果の証明書類を提出した場合には実施を省略できる。」です。

【基礎知識】

労働安全衛生法、労災保険法に関する問いです。

診断士の試験では、特に違反の多い項目を中心に労働法関連の問題がよく出ます。

基本的な論点を踏まえ、例外扱いの出題が多いのですが、例外でも基本的な論点が多いのが特徴です。

選択肢1. 事業場の常時使用労働者数にかかわらず、事業者は、常時使用する労働者を雇い入れた際に健康診断を実施しなければならない。ただし、雇い入れ日以前3カ月以内に医師による健康診断を受けた労働者が、その診断結果の証明書類を提出した場合には実施を省略できる。

正しい。

企業は労働者に健康診断を受けさせる義務があります。

① 雇入れ時(ただし、3か月以内に医師による健康診断を受けた場合は書類提出で省略可)

② 定期健康診断(1年1回、常時使用するもの、ただし、雇入れ時健康診断、特殊健康診断等を受けたものは1年間に限り項目の省略可)

③ 特定業務従事者の健康診断(6か月以内に1回、坑内勤務、深夜勤務など)

④ 海外派遣労働者の健康診断

⑤ 給食従業員の検便。

また、有害な業務に従事する場合は特殊健康診断を行う必要があります。

選択肢2. 事業場の常時使用労働者数にかかわらず、事業者は、毎月1回以上衛生委員会を開催しなければならない。

誤り。衛生委員会は常時50人以上の場合に設置義務があります。

選択肢3. 社員食堂のランチタイム時に1日3時間、調理業務に従事するパートタイマーが、調理中に火傷を負った。この場合において、事業主が労災保険の保険関係成立届の提出を怠っていたときは、このパートタイマーは、労災保険の保険給付を受けることができない。

誤り。

労災は従業員を雇用するものには必ず加入する義務があります。

よって失念していた場合も加入していたとみなして労災は適用されます(ただし、加入手続き忘れは、過失の状況に応じて企業にペナルティがあります)。

選択肢4. 労働者が通常の通勤経路上での出勤途上、駅の階段を下りているときに足首をひねって捻挫した。このケガは、自らの不注意によるものであるため、通勤災害とはならない。

誤り。

基本通勤時に発生した負傷、疾病、傷害、死亡に関しては労災が適用されます。

ただし、通勤経路を外れていたり、労働者の故意による災害(自殺など)や怨恨を持ったケンカによる負傷等は適用されません。

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