中小企業診断士の過去問
平成28年度(2016年)
企業経営理論 問31
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 企業経営理論 平成28年度(2016年) 問31 (訂正依頼・報告はこちら)
売り手とその顧客との関係性に関する記述として、最も適切なものはどれか。
- 航空会社やホテル、スーパーやドラッグストアなどにおけるCRMプログラム導入事例に触発された大規模飲料メーカーA社は、一般的に低コストでできる仕組みであるため、最終消費者を対象とした顧客関係管理システムを導入した。
- 地域スーパーの経営者B氏は、ロイヤルティ・カードを通じて収集した顧客の購買データを見て驚いた。既存顧客の下位1割は、特売商品ばかり購入しており、損失をもたらしているのだ。この種の顧客はとくに、ミルクスキマーと呼ばれる。
- ファストフードチェーンのC社は、ID - POSの導入にあたって、「リレーションシップ・マーケティングは、顧客との関係性を深め、継続・拡大する考え方だから、個々の顧客を特定するための有用なデータを集めていく必要がある」という発想を持っていた。
- 訪問販売による小売業者D社は、ここ数年、既存顧客の高齢化とともに顧客数の減少に悩まされている。そこで、一般的に既存顧客の維持よりも費用がかからないことから、新規顧客の獲得にシフトしていく意思決定を行った。
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この過去問の解説 (2件)
01
顧客関係管理システムは、一般的に低コストでできる仕組みではありません。顧客管理のコストが多分に発生します。
項番2:不適切です。
特定商品ばかりを購入する顧客はチェリー・ピッカーと呼ばれます。
項番3:適切です。
記述の通りです。ID-POSとはPOSデータに個々の顧客情報が紐づいているものを指します。
項番4:不適切です。
一般的に、既存顧客維持よりも新規顧客獲得の方が費用がかかります。
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02
正解は、「ファストフードチェーンのC社は、ID - POSの導入にあたって、「リレーションシップ・マーケティングは、顧客との関係性を深め、継続・拡大する考え方だから、個々の顧客を特定するための有用なデータを集めていく必要がある」という発想を持っていた。」です。
【基礎知識】
市場の成熟化などに伴い、新規顧客の獲得コストは既存顧客維持コストと比較して5倍かかるとも言われています。そこで、既存顧客との関係性を維持、向上させ、継続的に商品を購入してもらう取り組みを関係性マーティングと言います。
更に既存顧客の中でも、売上の80%を20%の顧客が占めている状況(パレートの法則)があり、特に優良顧客を囲い込んでいく必要があります。
〇CRM(Customer Relationship Management)
顧客との関係性を管理し、長期的に継続していこうとする取り組み。
顧客との取引をデータベース化し、顧客の好みや購入時期などから顧客の嗜好・行動を読み取り、対応を行うことで顧客のロイヤリティを高めます。
・優良顧客の発見、管理
RFM管理:POSシステムの顧客の購買実績データをもとに、Recency(最終購入日)、Frequency(購買頻度)、Monetary(購買金額)の観点から分析し、リピーターとなる優良顧客を見極める手法
FSP(Freqent Shoppers Program):購入金額などに応じてポイントを付与し、サービスを強化していく仕組み。
・ワントゥワンマーケティング
あたかも個別顧客に対応しているように顧客を管理し、顧客生涯価値(LTV:Life Time Value)を最大化させます。
誤り。CRMは顧客の購買行動を追いかける必要があるため、一定の投資額が必要となります。
誤り。
特売品や安売りばかりを購入する顧客をチェリーピッカーと言います。チェリーピッカーはバーゲンなどを頻繁に行うと、購入頻度も高くなるため、優良顧客と勘違いするケースもあり、注意が必要です。
ミルクスキマーとは事業者がおいしい部分(高付加価値の顧客)だけを囲い込むことです。
正しい。ID-POSでは顧客IDにより管理をすることができ、より緻密な顧客管理が可能です。
誤り。新規顧客獲得コストは既存顧客の維持コストの5倍ともいわれます。
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