中小企業診断士の過去問 平成28年度(2016年) 経営法務 問9
この過去問の解説 (2件)
【正解2】
[1]不適切
ビデオディスクレコーダーの録画予約機能を発揮できる状態にするために行われる操作に用いられる画像は、物品に該当せず意匠登録の対象外でしたが、法改正により「機器の本来的な機能を発揮する際に必要となる使用される画像」も意匠登録の対象となりました。
[2]適切
意匠登録の対象は「物品の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」です。アイスクリームのように時間の経過によって形態が変化する場合でも、取引時に固定した形態を有している場合は意匠法上の物品に該当し、意匠登録は可能です。
[3]不適切
バラ自体は自然物なので新規性がなく意匠登録の対象にはなりませんが、バラの「造花」は自然物ではなく、工業上利用できる可能性もあるため、意匠登録の対象となることがあります。
[4]不適切
仏壇のデザインは意匠権により保護されます。また、著作権の保護対象は「思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」なので、量産されるものであっても著作権によって保護されます。
意匠権と、一部の選択肢で著作権が問われている複合的な問題です。
ビデオディスクレコーダーの操作画像でテレビ受像器に表示されたものは、画面デザインとして意匠登録を受けることができます。
正解の選択肢となります。
選択肢中の記述にあるように、「取引時には固定した形態を有している」ため意匠登録を受けることができます。
意匠法の要件の1つに「工業上利用可能性」というものがあり、バラの造花は大量生産することが可能です。したがって、意匠登録を受けることができます。
本選択肢中の仏壇は、意匠権によっても、著作権によっても保護されます。
「純粋美術」と「応用美術」という概念があります。芸術家等が1点1点手作業で作り上げる作品は純粋美術として著作権で保護されます(これは理解し易いと思います)。
一方で、本選択肢にあるような量産される仏壇(応用美術)は、他の選択肢にある「工業上利用可能性」の観点から意匠権で保護されますが、美術品としての価値もあり、著作権を認めたという判例があります。
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