中小企業診断士の過去問
平成28年度(2016年)
経営法務 問16
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問題
中小企業診断士試験 第1次試験 経営法務 平成28年度(2016年) 問16 (訂正依頼・報告はこちら)
中小企業診断士であるあなたとX株式会社の代表取締役甲氏との間の以下の会話を読んで、下記の設問に答えよ。
甲氏:「当社で開発した遺伝子検査の新技術について、α国に本社のある会社に技術ライセンスを供与する交渉をしています。当社から英文契約書案を提示する予定で、担当者がひな形を準備したのですが、こういう条項についてはどのようなことに注意すればいいですか。」
Article XX Taxes
II.All taxes,duties or levies that may be imposed by the Governments of Japan and α on any payment made to the Licensor under this Agreement shall be borne by the Licensee. In the event that the Licensee is required to( A ) such tax from the amount paid to the Licensor hereunder, and to pay the tax for the account of the Licensor, the Licensee shall provide the Licensor with certificates of cash withholding and payment.
あなた:「使用料の支払にかかる税金の負担についての条項ですね。まず支払国における知的財産の使用料に対する源泉徴収制度、次に日本・α国間の租税条約の有無を確認して、それらとの整合性をチェックする必要があります。α国で源泉徴収税を免税してもらうか、源泉徴収分を日本で外国税額控除の対象としてもらえないと、二重課税になりかねませんから。」
甲氏:「当社は外国企業への技術ライセンスが多いので、知的財産の使用料に対する所得課税の税率が低いことで有名なβ国に現地法人を設立し、そこに知的財産を集約して使用料収入の税負担を抑えるというプランの提案も受けています。」
あなた:「そうですか。そういう事業スキームを構想する場合には、専門家のアドバイスだけをうのみにせず、経営の原点に立ち返って考えた方がいいですよ。国際的な租税回避策に利用される( B )に関して、β国は注視されている国ですし、その国での独立企業としての実体がなかったり、業態に応じた事業活動上の目的や必要性等の観点から、節税以外にその国に知的財産を集約する経済合理性を説明できなかったりすると、税務当局から租税回避行為と認定されるおそれもあります。」
会話の中の空欄Aには、特定の所得の支払者がその所得(源泉所得)を支払う際に支払金額から所得税額を差し引いて徴収し、その徴収額を国に納付するという税制上の仕組みを意味する英単語の動詞が入る。空欄Aに入る語句として、最も適切なものはどれか。
甲氏:「当社で開発した遺伝子検査の新技術について、α国に本社のある会社に技術ライセンスを供与する交渉をしています。当社から英文契約書案を提示する予定で、担当者がひな形を準備したのですが、こういう条項についてはどのようなことに注意すればいいですか。」
Article XX Taxes
II.All taxes,duties or levies that may be imposed by the Governments of Japan and α on any payment made to the Licensor under this Agreement shall be borne by the Licensee. In the event that the Licensee is required to( A ) such tax from the amount paid to the Licensor hereunder, and to pay the tax for the account of the Licensor, the Licensee shall provide the Licensor with certificates of cash withholding and payment.
あなた:「使用料の支払にかかる税金の負担についての条項ですね。まず支払国における知的財産の使用料に対する源泉徴収制度、次に日本・α国間の租税条約の有無を確認して、それらとの整合性をチェックする必要があります。α国で源泉徴収税を免税してもらうか、源泉徴収分を日本で外国税額控除の対象としてもらえないと、二重課税になりかねませんから。」
甲氏:「当社は外国企業への技術ライセンスが多いので、知的財産の使用料に対する所得課税の税率が低いことで有名なβ国に現地法人を設立し、そこに知的財産を集約して使用料収入の税負担を抑えるというプランの提案も受けています。」
あなた:「そうですか。そういう事業スキームを構想する場合には、専門家のアドバイスだけをうのみにせず、経営の原点に立ち返って考えた方がいいですよ。国際的な租税回避策に利用される( B )に関して、β国は注視されている国ですし、その国での独立企業としての実体がなかったり、業態に応じた事業活動上の目的や必要性等の観点から、節税以外にその国に知的財産を集約する経済合理性を説明できなかったりすると、税務当局から租税回避行為と認定されるおそれもあります。」
会話の中の空欄Aには、特定の所得の支払者がその所得(源泉所得)を支払う際に支払金額から所得税額を差し引いて徴収し、その徴収額を国に納付するという税制上の仕組みを意味する英単語の動詞が入る。空欄Aに入る語句として、最も適切なものはどれか。
- impose
- pay
- provide
- withhold
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この過去問の解説 (2件)
01
【正解4】
各選択肢の意味は以下の通りです。
impose 課す
pay 支払う
provide 提供する
withhold 差し控える
空欄Aが含まれる文は、特定の所得の支払者がその所得(源泉所得)を支払う際に支払金額から所得税額を「差し引いて」徴収し、その徴収額を国に納付する、という文脈となるため、肢4のwithholdが適切です。
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02
経営法務では毎年2問程度出題される、英文契約に関する問題です。
本問は空欄Aに入る英単語が問われており、しかも「特定の所得の支払者がその所得(源泉所得)を支払う際に支払金額から所得税額を差し引いて徴収し、その徴収額を国に納付するという税制上の仕組みを意味する英単語」という説明まで与えられているため、英語に苦手意識がある方でも正答が見込めそうな設定になっています(が、本試験での正解率は低かったようです)。
空欄Aには、太字で強調している「差し引いて」を意味する英単語が入ります。
1 .impose(課す)
2 .pay(支払う)※バーコード決済のPayPayでイメージ出来るかと思います
3 .provide(提供する) ※インターネットサービス等を提供する事業者をプロバイダといいますが、この単語が語源です
4 .withhold(差し控える)
2と3は選択肢から外せると思いますが、hold(持つ、所有する)から4を選択することが出来れば望ましいです。
「課す」という意味で、不適切です。
「支払う」という意味で、不適切です。
「提供する」という意味で、不適切です。
正解の選択肢となります。
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